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「抑止力は方便」発言  沖縄2紙の社説

 県外移転の具体的な見通しもなく、具体的な交渉もしておらず、後付の説明。昨年5月の「決着」は予算成立後で7月の参院選の争点化を避けるため・・ という前首相の発言。 
 それについて沖縄の地元2紙の社説。
【「抑止力」は方便/政治音痴の素人首相 政治不信と混迷を増幅 琉球新報2/14】
【[「抑止力は方便」]これが前首相の発言? 沖縄タイムス2/14】

 琉球新報は“「抑止力」は「ユクシ(うそ=沖縄方言)力」であると、沖縄県民の多くが指摘し、やゆしてきた。米国防長官すら「海兵隊の機能」を疑問視し、米軍幹部ですら「有事の米国民救出」を第一の機能と明言し、米議会は「海外駐留削減と海外基地閉鎖」の論議を始めていることを、県民は知っているからだ。”と指摘しているが、この認識…「本土」がどれだけ共有できているか、と思う。
 
 その原因として、琉球新報は“沖縄への基地の過重負担を当然視し、対米追従を是とする官僚に牛耳られ”ていることを主張し、沖縄タイムスは“全国紙の米国特派員は「米国が怒っている」という類いの記事を流し続けた。外務省や防衛省の官僚は非協力的だった。”“米国と官僚と全国メディアは、三位一体の連携で辺野古移設を主張してきた”と、全国紙の姿勢にも言及している。

 蔓延する米国いいなり病・・・ TPPでも繰り返されている。

なお、柳沢協二・元内閣官房副長官補/安全保障・危機管理担当も国会内の講演で抑止力論を否定していることを以前とりあげました。
【 「海兵隊=抑止力」という幻想 2010/5】
 
また、著書を紹介した元防衛大学校長の孫崎氏も「海兵隊は抑止力でない」と明言している。
【在沖米海兵隊の抑止力とは何なのか :孫崎享氏(元外務省国際情報局長)】

【「抑止力」は方便/政治音痴の素人首相 政治不信と混迷を増幅 琉球新報2/14

 政治音痴の素人政治家に、国政を委ね、安保・外交政策を左右されることの怖さに、身震いした。
 全てが浅はかな思い付きと行き当たりばったりの政権公約、理念と信念なき政策運営だったことが、あらためて明らかになった。
 鳩山由紀夫前首相が、本紙などのインタビューに答え、明らかにした普天間撤去・移設問題の“真相”のことだ。
 政治家の言葉の軽さ、政党の約束の無意味さ。そして、この国を動かす主体は首相や閣僚、政治家ではなく「官僚」であることを、前首相は明確に証言した。

◆万死に値する大罪
 この国の民主主義の底の薄さ、基盤の危うさを知った今、国民は日本を真の民主主義国家とするために早急に政治・行政改革に取り組む必要がある。
 鳩山民主党代表が普天間問題で、普天間飛行場の移設先は「国外、最低でも県外」と公約したのは紛れもない事実だ。
 だが、総選挙で大勝し、政権交代を実現するやわずか8カ月で「国外、県外はやはり無理」と、県内・辺野古案に回帰し、県民の怒りを買い、政治不信を招いた。
 辺野古回帰の理由を問われ「学べば学ぶほど(海兵隊や各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった」と語った。
 「海兵隊抑止論」が、沖縄に海兵隊の継続駐留を認め、普天間基地の辺野古移設を正当化する論拠とされた。
 だが、それから8カ月後、鳩山氏は「辺野古移設しか残らなくなった時に理屈付けしなければならず、『抑止力』という言葉を使った。方便と言われれば方便だ」と、あっさりと認めた。
 これほど言葉の軽い政治家を見たことがない。そして、自らの言葉に無責任な人も。政治音痴の素人政治家が国を動かし、国民を翻弄(ほんろう)し、政治不信を高める。万死に値する大罪だ。
 鳩山氏が論拠に挙げた「抑止力」は「ユクシ(うそ=沖縄方言)力」であると、沖縄県民の多くが指摘し、やゆしてきた。
 米国防長官すら「海兵隊の機能」を疑問視し、米軍幹部ですら「有事の米国民救出」を第一の機能と明言し、米議会は「海外駐留削減と海外基地閉鎖」の論議を始めていることを、県民は知っているからだ。
 知らないのは鳩山氏と民主党政権の閣僚、そして米国追従が国是と自己保身的に信じる防衛、外務省を中心とする官僚らだ。
 首相を辞め、正直に語れるようになった鳩山氏は「抑止力」は方便で、県内回帰のための後付けの説明と認め、謝罪した。
 鳩山氏は公約実現に否定的な北沢俊美防衛相、「県外」公約自体を否定する岡田克也外相(現幹事長)、くい打ち工法(QIP)で辺野古移設を進言する岡本行夫・元首相補佐官の存在なども、辺野古回帰の要因と語っている。

◆官僚主導政権の限界
 官僚については「防衛省も外務省も沖縄の米軍基地に対する存在の当然視があり、数十年の彼らの発想の中で、かなり凝り固まっている」と指摘している。
 そして首相でありながら官僚、閣僚すらリードできなかった自らの力量不足を敗因と認めている。
 事は謝罪で済む話ではない。辺野古回帰の論拠の「抑止力」は方便で、本当の理由は「閣内不一致」と「官僚の壁」、自身の「力量不足」と証言したからだ。
 指導力を欠き、官僚に翻弄され、身内の閣僚からも見放される。明らかに首相になってはいけない人が、この国を担う。民主党政権の限界も露呈している。
 普天間問題の解決策は「オバマ大統領との直接対話」と指摘した鳩山氏だが、それすら官僚の壁に阻害され、不発に終わっている。
 民意に沿おうとする首相が、沖縄への基地の過重負担を当然視し、対米追従を是とする官僚に牛耳られ、辞任に追い込まれる。これが、日本の議会制民主主義の現実。官僚主導政権の実相である。
 米国の論理に洗脳された官僚たちの言い分を検証もせず、辺野古移設を主張する菅直人首相の不作為の罪はより重罪だ。
 辺野古移設の根拠となった「抑止論」のうそが明らかになった今、菅首相はこの国の政治を「官」主導から「菅」主導に転換し、普天間の県外撤去のみならず、在沖米軍、在日米軍の駐留見直しに着手すべきだ。


【[「抑止力は方便」]これが前首相の発言? 沖縄タイムス2/14】

 「辺野古に戻らざるを得ない苦しい中で理屈付けしなければならず、考えあぐねて『抑止力』という言葉を使った。方便と言われれば方便だった」
 鳩山由紀夫前首相は、沖縄タイムス社など地元紙のインタビューに応じ、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる対米交渉の裏側を語った。
 「抑止力は方便だった」という言葉の軽さには、ただただあきれるばかりである。言う言葉がみつからない。
 インタビューによって浮かび上がった普天間問題をめぐる政治の構図を、あらためて問い直す必要がある。交渉の過程でどのような政治力学が働いたのか。何が問題の解決を妨げているのか。
 「最低でも県外」「常時駐留なき安保」「対等な日米関係」「政治主導」。いずれも鳩山氏の政治家としての信念に根ざした主張だった。
 実行に移そうとすれば、米国との摩擦、官僚との摩擦は避けられない。
 鳩山前首相はその備えもないまま米国や官僚と相まみえ、壁にぶつかっては跳ね返され、閣内をまとめることもできず、迷走を続けた。
 鳩山政権の動きに警戒感を募らせた米国は硬軟織り交ぜ、さまざまな圧力を新政権にかけた。
 全国紙の米国特派員は「米国が怒っている」という類いの記事を流し続けた。外務省や防衛省の官僚は非協力的だった。
 「鳩山の失敗」に身震いした菅直人首相は、米国にも官僚にも逆らわず政権を長続きさせるという道を選んだ。政権交代時に掲げた理念の大幅な後退である。
 2009年9月に鳩山首相が誕生してから今日に至るまで、普天間問題の節目節目に浮かんだ言葉がある。
 西郷隆盛と西南戦争について取り上げた「丁丑(ていちゅう)公論」の中で福沢諭吉は「新聞記者は政府の飼犬に似たり」と指摘した。
 政治学者の丸山真男は、日本の新聞社の「政治部」について「『政界部』というふうに直した方がいい」と批判した。
 大ざっぱな言い方をすれば、米国と官僚と全国メディアは鳩山政権誕生以来、三位一体の連携で辺野古移設を主張してきた、といえるのではないか。鳩山前首相はこの強固な壁に押しつぶされ、あえなく「憤死」したのだ。
 総理の強いリーダーシップと閣内の結束、党内の一致協力があれば、状況は変わったかもしれない。
 1994年2月、細川護熙内閣の下に防衛問題懇談会が設置され、同年8月、村山富市首相に報告書が提出された。
 報告書は、国連の下での多角的協力を重視した内容だったため、「米国離れの動き」だと米国から警戒された。
 米国が定めた枠組みから日本がはみ出したり飛び出したりするのを米国は警戒する。
 対米、対中、対ロ。いずれも菅政権の外交の足腰はふらついている。
 嘆かわしいことだが、それが普天間問題を取り巻く今の状況だ。


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Comments

抑止力は方便発言
鳩山前首相の方便発言を受けて、マスコミは事の本質を放っておいて鳩山氏非難にまっしぐらである。
米軍が抑止力にならないから、今後どうしていくのかという風に議論が進まなくてはならないが、そうすることは対米隷属に背くことになり、議論のすり替えがどんどん行われている。こんなことでしか体裁を作れないアキ菅政権が情けないかぎりである。

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