解消されていない「子どもの無保険」
子どもの貧困が社会問題となり、無保険でお医者にかかれない子どもに対して短期保険証が出されるように法改正がなされた。発行した保険証をきちんと手元に届ける点も改善されてきた。
しかし、現実には無保険が解消されていない-- 高知市で無料低額診療事業に取り組む潮江診療所からの報告。それは親の失業を契機にしたものである。
09年10月から始まった同事業を、昨年末まで75名の方が利用。そのうち24件は、完全無保険(転職を機に国保未加入)。17件は資格証明書から無保険のケース。11件の無保険は、若いころから職を転々とするなど加入しないなどのケース。
このうち失業を契機に、「国保料が高すぎて払えない」とか、任意継続にするも保険料が払えず無保険になった例では、子どもが同時に無保険になっているとのこと。
同診療所によれば、経済状況を反映して、こうした子どもの無保険が増加している、という。
現在の子どもの無保険解消策は、国保に加入していることを前提としている。失業などを契機に、被用者保険から国保への接続ができなかた家庭では、子どもの無保険が発生する。
そこで・・・ そもそも保険料や窓口負担が高すぎる(窓口負担が存在すること自体も…)、という根本的な問題があるが・・・対策としては
①子どもの医療費無料の年齢を引き上げる。
県下では、中卒までが15自治体、小卒までが7自治体となっているが、高知市をはじめ市段階では就学前(所得制限あり)など、中心部で遅れている。同診療所は、就学援助家庭を先行実施することを提案している。
②「国保料が高すぎてはらえない」という声があることは、行政の窓口に行って保険料を計算してもらっていることが想像される。その時、福祉の視点から、少なくとも、子どもには保険証を発行できるようにする手立てが必要だ。
③またハローワーク、学校との連携も含めてネットワークの強化が必要である。
なにより、そうした実態を把握し、解消すべく、行政、関係者の目、姿勢が必要と思う。
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