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先生不在  朝日調査

 産休・育休、病気や介護休暇での欠員に対応できない事態が多発しているとのこと。欠員は一ヶ月以上で486件なので、1週間、2週間という数字でとるとさらに大きな数字となるだろう。
 臨時教員による少人数学級への対応、少ない人的配置による多忙化とメンタルヘルスの増加・・・ 教師の質がしばしば問題になるが、「同僚性」を発揮できるだけの体制が奪われてきたことと、表裏の関係にあると思う。県議会でもしばしばとりあげてきた。
 
【先生休むと代わりがいない 不足、昨年度は800件以上 朝日 1/9】【先生不在で自習 時間割り組み直し…混乱する教育現場 朝日1/9】【教員の1割、残業が過労死ライン 月80時間超、愛知県 朝日1/8】

【先生休むと代わりがいない 不足、昨年度は800件以上 朝日 1/9】

 教員が産休・育休や病気・介護休暇に入った際、代わりの教員が間に合わないケースが、各地の公立小中学校に広がっている。朝日新聞が全都道府県・指定市の教育委員会に取材したところ、昨年度、全国で約800件に上っていたことがわかった。
 調査したのは、2009年度に(1)教員が産休、育休に入った際、その当日に代わりの教員が着任できなかった件数と、(2)病気や介護休暇で欠員が出ても代わりの教員が1カ月以上来なかった件数。
 その結果、大阪府を除くと(1)は304件、(2)は486件に上った。
 大阪府は1年間の合計件数ではなく、毎月1日現在ごとの件数を合算した形で回答した。産育休の代替が間に合わなかったのはのべ66件、病気・介護休暇で代わりが来なかったのはのべ258件。
 大阪府以外で多かったのは、産育休が北海道29件、横浜市28件、栃木県22件。病気・介護休暇は静岡県78件、大阪市が49件、兵庫県が38件、福岡県が35件、栃木県が30件だった。
 こうした数字は文部科学省も把握しておらず、実数が明らかになったのは初めて。
 代替の教員は教員免許を持つ人の中から選ばれる。人数の多い50代の教師が退職期を迎える中で、各教委が新採用を増やしたり、少人数教育などのため非正規教員を多く雇ったりした結果、代わりの教員に充てられる「予備軍」の層が薄くなっているのではないか、と文科省はみる。大阪府も「03年度以降、小中学校の新規採用が千人超と拡大したのが最大の理由とみている」と話す。
 一方で国立大学の教員養成課程は長く入学定員が抑制されていたため、養成が採用の急増に間に合っておらず、需給のバランスが崩れているとみられる。文科省の担当者は「各地の教委は、教員免許を持つ大学院生ら、予備軍になりうる人材を発掘する努力が求められる」と話している。(編集委員・氏岡真弓)

【先生不在で自習 時間割り組み直し…混乱する教育現場 朝日1/9】

 教員が産休・育休や介護のために休んだとき、代わりとなる教員が間に合わないケースが多発している。各地では、手当ての付かないコマを自習にするなど現場に混乱が起きている。
 広島県呉市のある中学校は2010年5月、1年生の中間試験で理科のテストができなかった。
 理科の教員が4月末から病気休暇に入ったが、代わりの教員が間に合わず、穴が埋まったのは6月だった。その間、空いた時間は自習や他の教科の授業をしてしのいだものの、肝心の理科の授業はできなかった。「学力向上といいながら教師がおらず、授業ができないとは信じがたい」と保護者の一人は話す。
 中学校では教科ごとに専門の教師が教えるので、代役になれるのは同じ教科の免許を持つ教員だけだ。「特に理数、技術などは免許保有者が少なく、探すのが難しい」と呉市教委は話す。
 代役が間に合わずに穴が開く状況が最も深刻な大阪府。
 府南部の中学校で09年の夏休み、校長室に2年の男子生徒が相次いで入ってきた。「新しい数学の先生、まだですか」「マジ、先生、入りませんか。少人数授業でせっかくわかるようになったのに」。欠員を何とかしてほしいという訴えだった。
 この学校は1、2年生の数学で二つのクラスを三つに分けて少人数にし、習熟度別指導をしていた。ところが担当の非正規教員が体調を崩して8月末に退職。少人数指導の態勢が組めなくなっていた。
 10月にやっと代役の20代の教員が来たが、「理想と現実が違っていた」と1週間足らずでやめ、その後任は結局来ずじまいだった。
 大阪府東部の小学校。08年度、4、6年生のクラスを担任するベテラン教員や5年の学級担任の若手教員の計3人が、学級崩壊や女子児童グループとの関係などに悩み、次々と精神疾患や胃潰瘍(いかいよう)で病気休暇に入った。2人目までは1~2カ月で代わりが来たが、3人目が09年2月に倒れた時はもう来なかった。いずれも少人数や生徒指導担当の教員が臨時のクラス担任に入ってしのいだという。
東海地方の市立小学校では08年秋、6年の学級担任がうつで休んだ。時間割りを大きく組み直し、担任を持っていなかった生徒指導主任が臨時で担任に入ったが、代役は来ず、3月までそのままだった。卒業式の日。主任は「先生、『ワンポイント・リリーフだ』と言っていたのに、9回まで登板だったね。ありがとう」と子どもにねぎらわれたという。


【教員の1割、残業が過労死ライン 月80時間超、愛知県 朝日1/8】

 愛知県教育委員会が2010年4~6月に県立学校で勤める教員約1万1千人の勤務時間を調べたところ、国が過労死の危険ラインとする月80時間超の残業をしていた教員が3カ月の平均で13%に上っていたことがわかった。同県教委が全教員を対象に勤務時間を調べ、残業時間の割合を把握したのは初めて。
 調査対象は、県立高校151校と特別支援学校27校(分校含む)の計178校に勤務する教員約1万1千人。
 その結果、残業時間が80時間超だった教員の割合は、4月15.6%、5月11.5%、6月12.0%。新年度を迎えた4月が高かった。最も超過時間の割合が高かった県立高校では、教員のほぼ半数が月80時間を超えていた。
 残業時間は09年度も調べたが、集計方法は学校に任せていた。10年度からは県教委による統一の書式で全教員に記入させたため、09年度に把握した人数より5倍近く増えた。10年夏以降の調査結果も集計を進めている。
 県教委は10年3月、各校に対して負担軽減を呼びかけるための通知を出し、定時に退校する日を設定することなどを呼びかけた。だが、現場では超過勤務が続いていた。土日に部活動を指導したり、検定や試験に向けて指導したりしているためとみられる。
 調査結果について、県教委福利課は「少ない数ではない。厳粛に受け止めている」としている。
 これに対し、県高校教職員組合の稲垣美樹夫副委員長は「実際は宿題などを自宅に持ち帰り、仕事をするケースも多く、本当はもっと多いのではないか。教員の定数を増やすなどして負担軽減をするべきだ」と訴えている。(相原亮)


◆08年12月議会
「、臨時教員問題についてお聞きをいたします。この間、県内各地で代替教員を配置できず、学級担任が不在となる期間が長引く事例が出ています。切迫流産で8月26日から休んだ先生の後10月5日まで担任不在、9月25日から産休予定が9月10日から病休になり2週間担任不在、10月20日から6週間頸椎ヘルニアで休職なのに人が配置できず児童支援の教員がかけ持ちしている、音楽専科の先生の例では、介護休暇をとっているのに配置できず学校と介護場所とを行き来しているなどなど、異常事態が生まれています。
 教育を行う学校現場で先生がいないという基本にかかわる大問題を教育長はどう認識し、どう実態を把握しているのか、まずお伺いをいたします。
 教育条件を整えることは県教育委員会の最大の任務であり、教員の配置は基本中の基本です。学校教育を成り立たせるために最低限やるべきことができていない現状をどうとらえ、どう改善しようとしているのか、伺います。
 昨年の9月議会で米田県議が臨時教員問題を取り上げて、不安定な働きの中で高知の教育を担う臨時教員の実態を明らかにしました。これは、今社会問題になっている非正規雇用そのもので、ワーキングプアと言われる不安定な雇用を臨時教員に強いることで高知県教育が支えられると言っても過言ではありません。昨年の質問時に当時の大崎教育長は、ここ数年800名前後の臨時教員が配置されていると答弁されていますが、ことし11月4日現在臨時教員は933人、全教職員の10.5%を占め、25%に当たる4人に1人が臨時教員となっている小学校も生まれています。しかも、本来正式採用であるべき定数内臨時教員が436人配置をされています。
 現場で先生が病気になっても臨時教員が見つからず担任不在の期間が長引く原因は、正規の数の教員採用をせず、いつでも調整できる定数内臨時教員に頼ってきた県教育委員会の施策にあります。新たに副校長や主幹教諭、指導教諭などの配置が議論されていますが、管理職の配置以前に、子供と向き合う先生の配置に責任を負わなければなりません。不正常な教員配置をすぐに正すべきであります。
 定数内臨時教員をなくし正規教員を大幅に採用するよう、抜本的改善をすべきだと考えますが、教育長にお伺いをして、私の第1問を終わります。」

◆2010年2月
「知事部局以外でも、教育課題の重要さから見ても効果があるとしている30人学級をさらに押し進めていくことが求められ、県民の願いに応えて中学一年生での30人学級を大きく拡大してきました。
 新政権も、子どもと向き合う時間の保障として教員数の増加を打ち出しています。本格的に30人学級にとりくめば、若者が高知で残って働ける場として多面的な効果が期待できます。教員の採用計画はどのように見込まれるか教育長にお伺いいたします。」

中澤卓史・教育長 まず、新・行革プランに関しまして、教員の採用計画の今後の見込みについてお尋ねがございました。今後の採用の見通しにつきましては、本県の教員の年齢構成から考えまして、数年のうちには退職者が増加する時期が参ります。
 このため県教育委員会としましては、来年度の採用については、このことも踏まえまして、185名の採用数を確保したところでございます。
 採用者数は、児童生徒数の減少、小・中学校の統廃合や早期退職などの動向にもよりますが、年齢構成の適正化の観点も含めまして、今後5年間程度は、毎年百数十名程度の採用数を確保したいと考えております。

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