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98億円を取り戻す 高知市議団の役割 

 市議会は、日本共産党を除いてオール与党であり、増田元総務大臣が言うように、「なんでも賛成」、執行部の追認勢力となっている。しかし、そのもとで、日本共産党市議団は、調査・研究にもとづく質問、市民運動と力をあわせ、学童保育の待機ゼロ、子どもの無保険の解消、高齢者の針灸マッサージの復活、ゴミ有料化や固定資産税増勢の撤回、98億円の財政健全化への貢献など大きな役割を発揮している。
 この4年間の市議団の活動を①願いの実現 ②税金の使い方チェック ③市民の声を聞き、発信 ④他会派の姿との対比―― として、全体像をまとめてみた。
 選挙の年、事実をリアルに知ってもらいたいと思う。
 

 項目の後ろにある数字は、西暦/何月議会

【1. 市民の命と暮らしを守って---  願いの実現に全力】
◆くらし、福祉、医療
・介護認定の障害者控除   説明書の送付が実現 07/12
・75歳以上の市民への後期高齢者医療の保険料の独自減免、鍼灸マッサージの助成を継続し「市民として等しく福利を享受する権利」を確保するための修正案提案/ 他会派が否決   08/3
→ 市民運動の高まりの中、鍼灸マッサージ助成存続を全会派が一致して要望、実現の流れを築く 08/6
→08/9 600円のチケットが年間15枚以内交付。これまでの国保事業から一般施策に拡充。
・ 国保の福祉医療の適用へ。党の主張実る 08/6
後期高齢者医療制度の導入にともなって、国保に残る65-69歳の障害者への福祉医療を高知市は適用外とし、強制的に後期高齢者医療制度への加入をすすめる。市議団は差別的対応と是正を求め、全国的な運動とも連帯し、是正を勝ち取る。3月議会で同条例の改悪に反対したのは日本共産党だけ。
・国保 市長「負担感があると認識」、資格書の扱い「(改善を)検討する」と市長  
  「中核市41市中20番目で真ん中だが、市民所得が低く負担感があると認識している。新年度も保険料は据え置く」 → 保険料の基本部分3年間据え置き 09/6
・国保 独自減免の廃止と対決。修正案を提案。他会派が否決 09/3
・国保 資格書、国保の短期証の留め置きなどで無保険になっている実態を告発。「切れ目のない保険証発行について検討する」と初めて「切れ目のない発行」という内容に言及 10/09
・国保 子どもの医療費無料化にわる交付金減額分は、一般財源で補填すべき、を認めさせる。10/09
・多重債務解決にかかわる全国的にもすぐれた市の相談活動 充実もとめ相談員1名増を実現08/3 

・市営住宅の減免 母子世帯に周知せず/臨時の委員会開催し追求、独自にビラ配布 「申請主義」を撤回、周知させ、4月分から減免実施 → 210人が減免の対象となり、1270万円の負担軽減 09/4
・公営住宅の修繕費用の個人負担を改善   経年劣化は市の責任に変更  10/09
・市営住宅  火事など被災者の一時入居の実現へ  10/12
・公衆浴場守れ 原油高 07/12 月一回の無料日の実現へ
・下水道接続工事・補助充実 利子補給50万から60万へ。支払い回数30回から48回 09/03 
・ケースワーカー増員実現 08/3以来繰り返し要求 /生活保護が財政危機の原因でないこと答弁させる。
・貧困ビジネスの問題点指摘   「使途の明確化はかる」と改善へ  10/12

◆教育・子育て
・30人学級の前進 「県に要望する」と教育長  県は中学1年の30人学級を希望校全校に拡大 10/3
・担任のいない教室問題追及 定数内臨時が小学校23人、中学校45人 09/12 →県の教員採用増に結実
・学童保育の待機児童を解消という改善勝ち取る 08/6
・放課後子ども教室 「長期休暇の実施も地元から提案あれば検討」と教育長  09/6
・全国学力調査の問題点 追及
・追手前小学校の「開発ありき」の廃止方針を批判 07/6 市長が、学校や住民の頭越しに「中心部のにぎわい創出に有効な手だて」のコメントを新聞に発表→「教育行政への介入」と市長の暴走を厳しく批判 
→ 街中居住、活性化のために小学校は不可欠と主張。市は5億円の耐震予算が確保できないと廃止に… 
 図書館建設では、10億円の地下駐車場をつくる話が… / この暴走を支えたのも与党会派ではある。
・図書館支援員の増員実現  教育長「常に専任の職員がおり、本の利用が増えた。」09/12 
・靖国DVDの学校現場での使用禁止を勝ち取る 07/6
・「小規模校で検討」と答弁していた地元産米の学校給食が布師田小学校で実施 08/3 
・学校給食 地域産品使用の拡大 全国目標30%を上回る49%を達成、12月よりコメ粉パン導入 09/
・就学援助の改悪阻止  全国的に後退しているもと、市もたびたび「見直し」発言がでたが・・
→ 子どもの貧困を正面から問う 市長「社会全体で取組み必要」、「解決しなければならない課題」 08/12
・低所得の家庭への学力支援  支援プログラムの導入「実施にむけ検討」  10/12
・スクールソーシャルワーカー 実態を聞き取り、役割を評価し拡充を求める 09/ 
・子どもの無保険なくせ 08/3、08/9。18歳以下の子どもにも保険証を無条件で発行すべきと求める。市長は、「個別の対応をし、実質的には無保険を解消する」と答弁 08/12 
・公的保育の役割の確認  計画的な採用もとめ、「専門性の継承が大事」と確認させる。  
  「児童福祉法はすばらしい法律」「大切な基準であり、現在の基準を守って行く」と市長 09/6 
・保育所の耐震化促進  「園児は裸足で過ごしている」とガラスの飛散対策の早期実施へ  10/12
・妊産婦検診の公費助成 2回から5回に/さらに14回の実施へ08/9月議会で質問、12議会で公明に答弁

◆雇用・経済
・青年雇用アンケートにもとづき質問07/9 市長「若者自身の目線で調査分析されている意義は大きい。しっかりうけとめなければならいない」「高知の若者の姿に改めて深い思いを感じた」と取組の強化を約束。
・市役所が「ワーキングプアを生み出すことはあってはならない」と部長、市長が答弁させる 07/12
・青年の実状に、「貧困の拡大、連鎖を早く解決しないといけない」「ワーキングプアをつくらない」(市長)、
「労働条件の確保とその報告を課すことを検討している。政策入札も必要」(市長)、「競争入札で労働条件が低下している現状を憂慮する。対策は喫緊の課題」「公契約条例というべき条例が必要」(総務部長)08/3
・公契約条例 建設労働組合から出された請願が圧倒的多数で採択されたこととあわせ、議会論戦では、条例制定をした野田市や川崎市、国分寺市など他都市の先進事例の調査研究を約束させる 10/09
・委託業務の最低価格設定、下請け支払いの追跡調査を約束 09/6 → 05年3月市議会で、下請け業者への支払いなどを追跡調査し指導している函館市の例を示し、市も「研究したい」と答弁していたもの実現。
・地元の建設業 10月から最低制限価格引上げ実現。「雇用効果の高い小規模工事の優先発注について、地域性を考慮した発注形態について検討したい」と約束させる 09/9 → 下請け契約適正化へ 09/11

・民間委託、指定管理の問題点を徹底追及  給食、移動図書館、水道料金、自由民権館、オーベルジュ
 → 選定がブラックボックス、偽装請負問題、県外大手業者への委託
・指定管理者 事故の責任は行政にある。市地下駐での事故。無責任な態度を改めさせる 10/09 
・中小企業振興基本条例の制定 具体的内容も示して提案。副市長「大変意義深い。よく研究したい」、市長も「実効性があるものでないといけない」と制定に前向きに答弁 10/09
・高齢者雇用 相談窓口の設置の検討へ 10/12
・視覚障害者の職員採用  08/9月議会で質問、12議会で公明に答弁

◆まちづくり
・春野 防災行政無線の復活では「早期に協議する」との答弁を引き出し、4月に復活 08.3
・はりまや橋バスターミナルに唯一反対するなどハコモノ行政を批判 08/6
・合併した旧村のサービス低下 市長「可能な限りのワンストップサービスの提供」と約束させる 09/12
・地震対策 福祉避難所の整備  「来年度、可能な所から指定したい」と答弁させる 09/12  
・マンション建設阻止 北曲輪地区の公有用地化を求める 07/06 → 県の用地買取に結実
・マンションの高さ規制求める。 指導要綱改定07/12、 高度地区設定へ調査実施 09/3
・本物の文化行政を/教育長は「専門的知識や経験が豊富な人材の育成が必要」「高知市は松山、高松と比べ遅れている」、「対策を検討していきた」と答弁させる 08/12
・追手前小学校廃止、合築図書館構想など問題点を追及
・買物難民対策など公共交通  公共交通活性化法にもとづく総合計画の策定を、と提案 08/12
・「男女共同参加課」も廃止・統合へ –-「市民との共同の伝統を破壊」と厳しく批判 09/12
・平和市長会に参加を 実現

【2. 税金の使い方をチェック  約100億円の経費削減・収入増を実現】
◆同和、特定市民
・異常な人権研修 市長以下165人出席。「解同」への屈服を厳しく批判 09/9
・同和住宅やみ募集の追及 10/06
・市民会館の統合、使用料の見直し。人件費を年間7860万円削減 09/3 
・部落解放同盟が主催する集会や講座に、11人の職員を派遣 「ただちにやめよ」と追求 07/9 
・桂浜公園の闘犬センター問題、東部運動公園の特定高校のグランド使用問題を追及 

◆財政問題、市政運営
・07/9市長 5年間で400名の職員削減、44分野のアウトソーシングを提案
→ 保育の非正規職員増加、職員のメンタルヘルス増加、小規模工事の発注の遅れ、ケースワーカー不足、民間委託による質の低下など問題点を繰り返し追及
・効率的な高知市政を明らかにする 07/9
他都市と比べ、予算の中の人権費と非常勤職員の賃金、外部への委託費という人的配置に使われている予算の比率は高知市が低いことを明らかにし、予算に余裕がないのは借金を返すための費用(公債費)が高いからと指摘 ~ その後、市も「高知市は効率的運営」と認める
→ この解明が、財政危機を理由とした市民への負担押しつけをはね返す力となる。

・ゴミ有料化阻止、高知方式を守る  10/3 ~ 論戦の経過を見ると…
  08/6 「家庭ゴミ収集の有料化を」(新風クラブ吉永議員)、「手数料の引上げを」(自民みらい・上田議員)
  08/12 環境部長「市民一人あたりのゴミ処理経費は、全国で4番目に低い」と答弁させる。
  09/12 条例による多量排出者の計画指定~過去一件もなしと追及
  10/3 「ゴミ減量は有料化しなくても可能」と部長に答弁させる。 
・清掃工場談合 06年より市議団が「訴訟せよ」と提案。訴訟を実現07.12。談合和解金24億円 09/6
・清掃工場 灰溶融炉廃止による経費削減を提案  年8千万円の削減を実現

・PFI解除にむけた決議~市議団の質問を契機に実現 07/12。  医療PFI解消09/6 
 10/3 企業負担9億、経営改善44億円の画期的成果。資金運営でも5年で16億円の支払い猶予

・下水道計画のずさんさが露呈 市長も「見直し」に言及 08/12
合併浄化槽への切り替えなど国の見直し通知(07年)に対し、執行部に、「(通知にもとづく)検討をしていない」ことを認めさせ、ずさんな計画を改善させる。将来の財政負担の軽減に貢献。
・いの町への取水協力金の停止を繰り返し要求。 市長「前向きに取り組む」と前向き発言 07/6
・新市街づくり計画の見直しを繰り返し求め、補導センターの新設撤回に結びつく 09/3

・固定資産税の増税阻止 / 増税はむつかしい、と市長 09/9
「“夕張になる”というのはウソ。5年後からは財政が好転。10年間の再建プランでは負担増は必要ない」「臨時収入で、70億円不足という前提が崩れている」「大型事業と同和偏重の追及が“増税なし”の財政再建の展望を開いた」ことを明らかにした市政報告を全戸配布し、「負担増反対」という市民の声を激励。
そうした中、他会派からも増税反対の声が相次ぎ、市長に「増税はむつかしい」と断念させる。

《 論戦の成果 98億円の節減・収入増 》 
・日高村の産廃最終処分場の規模縮小 10億円
  縮小された70億円の計画を、県議会と共同しさらに48億円に。市の負担を10億円以上削減
・水道・送水管の二重化 18億円 /国からの交付税が見込める時期に工事を変更させる
・清掃工場の灰溶融炉を廃止し、焼却灰をエコセメント材料へ  3.6億円(4年計算)
  年間8000万円の経費削減が実現、さらに、焼却炉の効率的運転で年間1000万円以上の削減
・清掃工場建設工事入札の談合疑惑を追及。その後、訴訟を提起させ和解へ 24億円が返還される
・池の医療センターの民間委託30年契約を問題点を指摘し解除させる  市分で27億円
  (県市折半) 運営費で22年で44億円の節減に。解約にあたり企業から9億円を超える協力金。
・市が債務保証している土地開発公社の塩漬け土地にかかる借入金の特例債による借換えを提案 2.8億円
・同和関連事業の縮減  12億円(4年分)
 随契による仕事保障、(解放)市民会館、子ども会などの予算削減、この4年間で年間約3億円削減に
・合併特例債160億円を使う新市まちづくり計画の見直しを求める  1億円              
 青少年補導センターの新築計画 ⇒ 塩田町の健康福祉センターの活用で約1億円の節減に

~市長は、「危機的状況はつづく」と言いながら、18億円余を基金として積み増し。

【3. 市民の声を聞き、市民の願いを発信】
・市民アンケート実施 08/9  3千名を越えて回答。/さらに2010年12月 2600名以上から回答
・ゴミ問題でアンケート 09/10 500通以上
・生活相談活動 5000件余。反貧困の取り組みなど、命と暮らしを守る先頭にたつ。

・政務調査費の公開が実現    07・3月議会で提案
・議員の質問回数の増加 一人年2回に
・市の事業計画は、維持管理費もセットで提案するように改善 08/06 

・失業対策で緊急要望 「住宅の確保が一番」「市営住宅を検討したい」と市長 08/12 年越し派遣村
・第3子以降で3歳未満児の保育料無料化の即時実施を申し入れ09/8 → 10/12 請願が賛成多数で採択
・後期高齢者医療 保険料アップ回避で申し入れ 09/12

◆意見書決議
・「非核日本宣言」を求める意見書可決  賛成多数 07/6
・後期高齢者医療制度の凍結を求める意見書を可決 08/6  自民みらいの会、公明、清流が反対
「所得税法56条廃止」の陳情 採択
・薬害肝炎のすべての被害者救済の意見書など可決 07/12 /薬害肝炎弁護団と交流、カルテ保存で貢献
・消費税増税反対  賛成は、共産、公明、市民クラブの浜辺、岡崎、浜田拓、深瀬
・核兵器廃絶で積極的行動求める意見書 全会一致で可決 09/06 
・「高速道無料化の見直しを求める――」「米価の回復と価格の安定、ミニマムアクセス米の輸入中止を求める――」「応益負担原則の障害者自立支援法を廃止し、応能負担の制度を求める― も可決。09/6
・扶養控除廃止反対  民主党市議らのみが反対 09/12  「女性差別撤廃選択議定書の批准」「改正貸金業法の早期完全実施」「現行保育制度の堅持・拡充」、「議員年金制度の廃止」も可決
・県単独事業の高知市除外反対 /議会で一致し提案 10/03
・「国民健康保険に対する、国庫負担の増額を求める--」「公費負担増で介護保険制度の改善を求める--」「70歳から74歳の窓口負担引き上げに反対する--」「大学予算の大幅増額を求める--」が可決 10/12

【4. 他会派の姿と比べてみれば… / 地元紙論評、議案への態度など 】
・07市議選総括(高新) “市民感覚に疑問符” 「こうした与党勢力(新風クラブ、市民クラブ、公明党)が仕切ってきた市議会が、市政の財政危機につながった前市政の過大投資を許してきた責任は重い」「岡崎誠也市長に対し議会がどういうスタンスをとるかも注視しなければならない」
→ 08/3 「かるぽーと」の財政見通しが甘かったとの外部監査の報告
・城跡保存の請願  紹介議員が反対・新風クラブ、不採択の中心・公明 07/6
 北曲輪地区の公有用地化をもとめる請願は、委員会では、可否同数。委員長の公明議員が反対し不採択。本会議では、新風クラブの水口議員は、請願の紹介議員になっておきながら、反対。
・08/3 地元紙でも「後期高齢者医療などで舌鋒鋭く執行部を追及。野党議員の本領を見せつけた」と紹介、また、議会全体を通じた論戦でも「共産党を除く多数与党の追及は総じて緩い」と評価。
・日本共産党だけが反対してきた「はりまや橋バスターミナル」。結果は、日本共産党の指摘どおり、利用はほとんどゼロ(整備費16億円。年間維持費約2千万円) /市議団の質問に、市長は「利用は低迷。お詫び申し上げる」/地元紙が「執行部とともに予算を認めた議会の責任は重い」と指摘。 08/6
・緊張感の欠如 与党会派 09/3
 財政危機の責任は、執行部だけでなく、それを認めてきた与党会派にも。「チェック機能を果たせなかった」「執行部だけの責任ではない」(地元新聞)との発言が飛び出すなど、まったく迫力も緊張感もない態度に。
・下水道20.5%  値上げを容認  公明党、新風クラブ、自民みらいの会
・使用料・手数料値上げ。日本共産党、公明党、氏原議員が反対。
・国保の独自減免の維持、日本共産党が修正案を提出、市民クラブが賛成。 09/3

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