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F15訓練移転 実効性に疑問 沖縄2紙

 嘉手納基地のF15戦闘機による一部訓練をグアムに移転というニュースが「負担軽減」として流されているが、沖縄の地元紙2紙は「検証不能」「実効性に疑問」と懐疑的だ。他の基地からの外来機などに制限や飛行回数そのものについて合意がないからだ。
【[F15訓練移転]検証不能な負担軽減策 沖縄タイムス1/21】
【防衛相来県 米に負担軽減求めるのが先 琉球新報1/22】

【[F15訓練移転]検証不能な負担軽減策 沖縄タイムス1/21】

 北沢俊美防衛相は沖縄の基地負担軽減策として、米空軍嘉手納基地のF15戦闘機による一部訓練をグアムへ移転する方針を明らかにした。
 これまで日米両政府は何度も負担軽減策を打ち出したが、実効性が問われる。それでも日米の力関係や国内政治の混迷を見たとき、訓練移転を含めた当局者の地道な努力が大事なのだろう。そう限界を見極めるしかない現状にわびしさを覚える。
 今回の軽減で主なものは、嘉手納所属のF15戦闘機54機のうち1回に付き最大20機を最長20日間、グアムへ訓練移転する。頻度については明らかにされていない。
 ほかにも空中給油機や対潜哨戒機など計約100機が常駐する嘉手納で、この措置により全体の飛行回数がどれほど減るのかという重要な部分はベールにつつまれている。
 政府がアピールする「負担軽減」はこれまでも検証できないものが多い。
 戦闘機の訓練移転は、2006年から本土の自衛隊航空基地で実施されているのだが、計11回と少ないうえ、1回に付き5機、1週間未満の短期、小規模がほとんどだ。
 本年度は昨年11月に12機が11日間、北海道千歳で一度だけ。一方米本国や国内の米軍飛行場から嘉手納へ訓練などで飛来した「外来機」は延べ約170機に達している。
 13日にゲーツ国防長官と北沢防衛相が今回の訓練移転に合意したが、前日に米本国から最新鋭のF22ステルス戦闘機が飛来、計15機が4カ月間駐留する。このように両政府のやる気は根拠に乏しい。
 おかしいのは、訓練移転費の日本負担だ。
 米空軍は嘉手納からF15をグアムへ飛ばして訓練している。昨年6月、F22飛来に抗議した地元3市町に対し、嘉手納基地当局者はF15を7月から約3週間、グアムで訓練させることを伝えた。
 負担軽減を口実に米軍の焼け太り―という疑いを持たせないためにも、日米は嘉手納の使用実態を明らかにして、負担軽減を検証できる仕組みをつくるべきだ。
 税金を使うのだからそれは最低限の条件だ。
 ただ、こうした負担軽減を追求するほど、「抑止力」「地理的優位性」といった沖縄に米軍を集中させる論理との整合性が問われる。嘉手納の戦闘機の約半数を20日間国外移転させ、その間も外来機を飛来させないようにするのが今回の方向性だ。
 駐留を固定的にみる必要はない。乱暴な言い方だが、いまの手法は負担軽減をカネで買っているようなものだ。
 本年度、戦闘機の訓練移転は嘉手納から千歳に1回、岩国基地から三沢と小松に各1回の計3回で、計約8億5千万円を使った。費用に比して効果が上がらない事業を続ける意味はあるのだろうか。
 海兵隊8千人のグアム移転も日本の経費負担が条件だが、米側が追加負担を要求するなど、納得いく明細書が出てこない。沖縄駐留の必然性すらあいまいな海兵隊の移転費負担は正当だろうか。
 訓練移転などにカネを積むほど、矛盾が吹き出る。

【防衛相来県 米に負担軽減求めるのが先 琉球新報1/22】

 聞く耳を持たぬ者が何人、何度、沖縄に訪れても問題解決に至るはずがない。
 北沢俊美防衛相が来県した。仲井真弘多知事との会談で、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機の一部訓練をグアムなどへ移転することで米国と合意したと伝えた。
 知事は普天間飛行場問題について、昨年5月末に移設先を名護市辺野古とした日米共同発表を見直し、県外移設とした自らの公約実現に力を貸してほしいと求めたが、防衛相から明確な返答はなかった。
 それどころか、F15訓練移転の実現と辺野古移設進展を関連付けることを示唆している。
 さらには「県民が目を見張るような振興策」を示す姿勢を見せ、菅直人首相、前原誠司外相が否定したはずの「基地と振興策のリンク論」すらほのめかす始末だ。
 基地負担軽減策、振興策を使って沖縄側を懐柔し、辺野古移設を認めさせようとの腹づもりを臆面もなく見せた。
 来県の「お土産」とされるF15訓練移転の実効性も疑問だ。
 県外米軍基地の戦闘機も含め1回当たり最大20機程度の戦闘機、空中給油機などの支援機が最大20日間、グアムで訓練するという。
 移転期間中に外来機が飛来し、爆音をまき散らすことは以前から指摘されている。その回避については合意していない。
 防衛省、米軍が「抑止力の空白」が生じることを懸念した結果と言われているが、結局は米軍の「運用上の都合」で、いくらでも合意内容が変更できる可能性さえある。
 これでは何ら県民の負担軽減にならない。実質的な中身があるかも定かでない「お土産」に知事が懐疑的になるのも当然だ。
 昨年11月の知事選以降、菅首相、前原外相はじめ関係閣僚、民主党幹部らが相次いで来県している。
 名目は「県民の声を広く聞く」となっているが、共通しているのはいずれも、日米合意の着実な履行を訴えるだけで、沖縄の民意を聞く姿勢を見せていないことだ。政府が辺野古を抱える名護市の稲嶺進市長と面談したことはない。
 名護市長選、県知事選などで何度も示されているように、沖縄の大多数の民意は「県外移設」だ。交渉の相手は沖縄ではない。県民が望む「目を見張るべき成果」とは、県民の民意を受けて対米交渉に臨み、県内移設を撤回することだ。


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