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県市一体型図書館 「削減効果」のからくり

 図書館合築は、県市のWGが、その前提をつくり、自ら比較検討した建設費18億円、運営費1億円軽減できる、として「メリット」を示した。15日の市議会での日本共産党の質問で、その前提がいかにいい加減なものか・・・いや削減効果を過大に見せる仕掛けとなっていることが明らかになった。

 迫議員は、WGが示した単独案、県1万平米、市7千平米と、一体型1万3千平米の内容を比較してただした。

◇ 開架・閲覧スペース 
 単独案の計 2800平米+2065平米。現在の開架冊数11万冊+15万冊
 一体型3300平米、開架冊数28万冊
・議員 つまり、県立単独案より500平米増えるだけで、冊数もほとんど変化せず。利便性、サービスが後退している。
・教育長「後退という意見でございますが」「ご理解ください」
→ 「後退」を否定できず

◇管理スペース
・単独案 県2200平米、市1220平米  一体型案 2100平米
・議員「県立単独よりも縮小している。単独案に本来不要な面積が入っているなら、それを差し引いて比較しないと比較にならない。
・教育長「あくまで判断材料を提供したもの」「書庫や開架・閲覧スペースを60%確保したので、このようになった」
 → まったく説明になってない。「削減」を膨らませるための仕掛け。 

◇㎡単価
・議員「7月8日のWGの県側がまとめた資料がある。同じ免震構造で㎡数も同等の『あんしんセンター』の㎡単価の『3割増しして採用した』とわざわざ書いてある。30万6500円を40万円にした。㎡単価を10万円高くすれば、4千㎡なので、4億円の削減効果。㎡単価をもっと増やしていたら、もっと『削減効果がある』と言える」

◇情報機器分
・議員「市単独分が7億円ときわめて高い。なぜこんなに高いのか」
・教育長「ハイブリッド型図書館をめざしている先行事例を参考に面積割合で試算した」
・議員 「先行事例とは新山梨県立図書館。より高い機能が求められる県立を比較対象にするのは、経費削減の手立てとの疑義がある。」

◇IC導入。分館・分室の対応
・議員「システム統合は、ICタグを導入に3億9千万円。バーコードなしが想定されているが、50万冊をかかえる分館分室の対応は」
・教育長 「バーコード付など今後検討する」「分館・分室の運用がそこなわれることはない」
・議員「大変な問題。市は現在、バーコードだけ。分館・分室も対応するとなるとICタグリーダーの設置などすべて市の単独負担となる」

◇人員
 単独型計 正規44人、臨時37人 一体型 正規42人、臨時13人
・議員「利用増を見込みながら、これぼと削減できる根拠は」
・教育長「ICタグを導入した場合、カウンター業務の一元化、重複業務の整理等による」

◇景観
・議員「高知城の景観を保護するため市が設定した高度地区に近接する。28m以下におさめるべき」
・教育長「28m以下にするかどうかは、関係部局と十分協議」「基本は景観に配慮しないといけない」
→ 「おさめる」と断言できず。

◇駐車場
 一体型の検討委員会で60~10台の案が示された。
・議員「当初、市は付置義務数台(35台)を検討していた。それ以上は、県の負担か」
・教育長「市の基準を示したもので、最低限を示したものでもなく、付置義務数以上は県の負担でつくる意味ではない」
→ 100台地下駐  自走式10億円、機械式9億5千円(地下駐輪場含む)。10億円というとシキボウ跡地の5分の1、8千平米に相当。

◇子ども科学館
・議員「市長からも『あまり膨らみすぎる・・・』との答弁があったが、施設に対する許容範囲は。何億円まで考えているか」
・教育長「市としては現在の500平米の倍、1000平米が基本」、「当初は自由な論議をお願いしたが、今後は、一定の条件をつけるべきで、現実的な枠組みをつくって議論する」
→ どんなに膨らむかわからない。 

◇合併特例債
・議員「どこまで合併特例債がつかえるのか」
・財務部長「市の専用部分。共用スペースは、県と市のそれぞれの専用スペースの割合で按分された市部分」
・議員「県立10000平米、市7000平米なので共用スペース割合は、少なくても6対4となるのでないか。」
・市長「機能がかたまらないと明確にならない」
→ 点字図書館を、高知市が占有部分とすると、市の共用スペースの按分が増える、ということ。県立ならでは・・・大型駐車場も、按分される。市に財政メリットがあるの??

◇土地代について
・議員「北消防署、県有地に立てた場合、無償貸与となるのか。合築図書館では、県立分を無償にしている」
・副市長「減免規定があり、文化施設などは無償としているが、庁舎は範囲外。消防署は庁舎なので買い取りが必要」
・議員「シキボウ跡地は北消防署のために県から買う。追手前小の土地を使うには、解体と埋文調査に2億5千万円つぎこみ、県に無償で使ってもらう。県市の関係でこのような主従関係のようなことがあってはならないと思う」

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