森林環境税の使途 ~ 9月論戦の結末
県が、「国の補助事業の拡張で、1億8千万円のお金が余った」「木製品の使用は、林業振興、森林整備に結びつく」として約1億円を、県立安芸病院の木質化にあてる方向性を示した9月県議会。
日本共産党と緑心会は、「作業道の整備など山には必要な事業がまだまだ残っている。有害鳥獣対策にも活用すべきだ。公共施設の木質化は一般財源で手当てすべきもので税の使用目的が違う。来年度、間伐補助の対象が縮小される議論があり『備蓄』しておくべき」と指摘し、撤回をもとめましたが、結局12月県議会を前に、県は木質化への「流用」を撤回した。
以下は、12月1日の知事の記者会見の発言だが・・・
・ 切り捨て間伐を重視しない国の予算の方向性があり、財源を確保しておくべき
・ 鳥獣対策などについてのニーズものある
を主な理由にしているが、まさに9月議会で指摘した内容である。
いまさら・・・とってつけたような説明であり、もともと極めて強引、無理筋の話であったということ。
地元紙も再々「気を引きしめてもらわないと」「是々非々をつらぬいてほしい」「議会チェック、生ぬるさ」と指摘されてきたが・・・ 改めて議会のチェック機能が問われている。
最近、「県は市町村の声を聞かないのに、押し付けるのはえらい」「上から目線を感じる」など、複数の市町村の幹部の指摘に接した。強引さ・・・図書館合築も同様である。
【知事】 こちら、当方の部局のほうからご提案し、検討委員会でのご審議もいただいて、安芸病院の木質化にこの森林環境税を使ってはどうかというご提言をいただいたところでございます。 その森林の整備を進めていくためにも、川下対策というのをしっかりしていかなければならない。そういう中で、非常にインパクトが大きい施策であって、妥当ではないかというご判断でご提示をいただいたところでございますが、この点について、その後、実際に予算化するかどうか、いろいろ審議・検討を進めていく過程の中で、2つ大きな観点があったというふうに思います。 といいますのは、この秋の過程で、一連の国の森林整備の対策について、例えば、切り捨て間伐は、あまり重視しないんじゃないかとかいうような方向観が見えてきたところでございます。今、ご存知のとおり、いろんな一連の間伐対策については、国のいろんな事業が活用できている中で、森林環境税について多様な使い道が確保できるのではないかという展望が開けてきておったところではございますが、そもそも、山の手入れそのものについての見通しというのが、やや不分明になってきている中で、やはり、そちらについてしっかりと財源を確保しておくべきではないかという判断に至ったというのが第1でございます。 もう一つは、川下の対策としましても、より多様なかたちでの対策というのを、今後、もっと、もっと考えられはしないかというのを検討したという点もございます。 それと、もう一つありますね。ちょっとまだ、これはいろいろ議論を深めていかなければなりませんが、この間、高知新聞さんでも特集されてましたけど、ご存知のとおり、鳥獣被害が、ますます拡大をしつつある状況でございまして、そういうものに対する対処とかいうことも、また必要ではないのかという議論も深まってきたというところもございます。 9月以降、検討していく過程で、切り捨て間伐など森の整備についての国の予算の不分明さというのが第1点。さらには、川下対策について、より多様な方策はないかということについていろんな検討も深めてきたという点が第2点。第3点に鳥獣対策などについてのニーズというものもあるんじゃないかという観点が、検討が深まってきたというのが第3点。こういう理由から、今回は計上を見送らせていただいているということでございます。
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