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総務省調査 「行政改革」の反省点

 総務省が自治体に対し「行政改革」の反省点などを調査している。自治労連が情報公開で入手し、その概要を紹介している。「高齢化で人材育成ができない」「メンタルヘルスが増えた」「地域経済の衰退招いた」「民間委託で様々な問題が発生/ 必ずしも経費削減になっていない」などなど・・・
高知県は「集中改革プラン」(05/4~10/4)の5年間で10.9%、目標の8.4%、895人をうわまわる1162人の職員減を行った。それだけ若者が高知に残れる場がなくなったということ。そして、今日の地元紙が記事にしている「高知市の保育43%が非正規」のような子どもへのしわ寄せ・・・ 
【問題点が浮き彫りに-総務省調査「今後の行政改革のあり方について」12/17】

 そして、県外大手への民間委託による税の流出、官製ワーキングプアの発生・・・

 「行革」に進まざるをえない地方自治体の借金は、国が旗を降り、それに迎合した首長と議会による大型プロジェクトの推進とその破綻である・・・ 
 結局、それらの借金には無関係な子どもを含め若い世代が犠牲になっている、と私には映る。

【問題点が浮き彫りに-総務省調査「今後の行政改革のあり方について」12/17】

◆「高齢化で人材育成ができない」「地域経済の衰退招いた」「民間委託で様々な問題が」

 総務省は毎年、「『集中改革プラン』及び『18年指針』の取組状況調査」を行っていますが、最終年度の今年は、はじめて、「今後の行政改革のあり方について」の質問項目を設け調査しました。調査結果を11月9日、公表しましたが、「今後の行政改革のあり方について」の調査結果は公表しませんでした。そのため、自治労連は情報開示請求を行い、このほど調査結果を入手しました。問3「集中改革プランをふまえ反省すべき点」と問6「地方行革の推進全般に関する意見」の中から抜粋します。

「今後の行政改革のあり方について」の設問項目は、下記の6項目です。

 問1 「集中改革プランの達成見込み(自己評価)」について ア)当初計画以上に達成、イ)当初計画通りに達成、ウ)当初計画通りに達成できない
 問2 「行政改革に関する計画の期間について」
 問3 「集中改革プランの取り組みの成果を踏まえ、評価すべき点と反省すべき点」
 問4 「行政改革に関する住民アンケート調査の実施の有無」
 問5 「貴団体においては、今後、どのような点に重点をおいて行政改革を推進することとしているか」
 問6 「その他、地方行革の推進全般に関する意見等があれば記載してください」

◆問3「反省すべき点」

<定員削減> 定員削減により「事務スキルの低下」「嘱託•臨時の業務内容が増大し正規職員が業務を把握していない」「メンタルヘルスが増えた」「時間外勤務の増大」など様々な問題が

  「職員数の急激な削減に伴う事務スキルの低下」(北海道・滝川市)、「国と同水準の人員の削減を求められることにより道からの権限移譲になかなか対応できない」(北海道・清水町)
 「急激な職員数の削減や組織のスリム化が職員の負担増につながった」(青森県・西目屋村)
 「人件費の削減と新規事業の抑制により、職員の自由な発想と新たな取組みなどが生まれにくくなった」(山形県・寒河江市)
 「採用を控えたことにより、職員数の減少、職員構成の高年齢化により人材育成ができない状況となっている」(千葉県・神崎町)
 「退職者不補充などにより職員の業務量が増え、時間外勤務の増加、余裕の無さから職場内のコミュニケーションが不足するなど問題が生じた。単に目標達成を目指すのではなく、市民の需要に柔軟に対応できるようにする」(山梨県・韮崎市)
 「正規職員の削減により嘱託・臨時職員の業務内容が拡大し、正規職員が業務を把握していないなど問題が起きている」(滋賀県・豊郷町)
 「職員数の減少に伴いメンタルヘルスになる職員が増加し、その対応を行った」(高知県・土佐市)、など。

<住民サービス> 「地域経済の衰退を招いた」「行政全体の閉塞感」「住民との軋轢」など住民サービスにも影響

 「急激な行政改革の推進により、公共事業削減や物品、物品費を画一的に縮小・削減させたことにより、地域経済の衰退を招いたように思う。また、職員の削減や民間委託などの合理化により新たな課題や住民との軋轢も発生した」(北海道・真狩村)
 「事務事業の効率化は図られたが、行政全体の閉そく感が生じ、地域経済の低迷を招く結果ともなっている。また、厳しい財政事情を受けて、各経費の縮減対策を進めた結果、これまでの行政サービスや市民との良好な信頼関係を維持することが難しくなっている」(茨城県・筑西市)
 「事務事業について見直しについて、削減ばかりを追求し、廃止や縮減を行ったことも影響して、地域経済の落ち込みが深刻化している。また、分担金等の見直しにより住民の負担が大きくなっている」(愛媛県・内子町)、など。

<民間委託> 「指定管理者制度は行政水準の維持・向上につながっているのか」「民間委託で様々な問題が。自治体業務の民間開放は難しい面も」「直営の方が経費節減に」

 「指定管理者制度の導入にあたり、民間等からの応募が少なく、本来の制度の趣旨に沿ったものとなったのか甚だ疑問が残る」(群馬県・太田市)
 「積極的に民間委託を実施してきたが、さまざまな問題が発生し、自治体業務の民間開放については難しい側面も浮き彫りとなった。時代の変化に対応した目標の再設定が必要だったと思われる」(新潟県・柏崎市)
 「コストの比較をすると、直営で実施する方が安価となるため、委託に踏み切れない」(京都府・笠置町)
 「可能な限り民間委託を推進したが、必ずしも経費節減につながっていない」(兵庫県・猪名川町)
 「指定管理者制度の活用により、多くの施設で指定管理者が導入されたが、評価方法などが確立されていないため、本当に行政サービス水準の維持・向上、業務の効率化につながっているか不明である」(山口県・宇部市)、など。

◆問6「地方行革の推進全般に関する意見」

<定員一律削減> 「地方の自主性を尊重せよ」「地域の実情に応じた行革を」「全国一律の削減ありきは好ましくない」

 「地域によって行政改革の形は多種多様であるので、国から人員削減率等の数字を押しつけるのではなく地方の自主性をもっと尊重してもらいたい」(群馬県・上野村)
 「地方分権の趣旨に則り、行革も地域の実情に応じて地域が自ら行えるよう、全国一律の基準をもって進めるようなことをしないでいただきたい」(鳥取県・三朝町)、など。

<定員削減> 定員削減について「権限委譲等で業務は増える一方、これ以上削減はむずかしい」「職員のモチベーションの低下」「地方の貴重な雇用の受け皿」

 「正規職員の大量退職を迎え、再任用職員や嘱託職員の配置先を確保しなければならない反面、指定管理や民間委託推進に伴い、配置、配転先が減少するという相反する問題に苦慮している。また、非正規化が進む中で、正規職員一人あたりに係る業務量の増、それに伴う職員の士気の問題、アウトソーシング推進による技術継承などが懸念されるところである。退職手当債の問題もあり、今後も職員数削減を継続するが、定員の適正化を図るのがますます難しくなっている」(北海道・苫小牧市)
 「職員の削減にも限界があり、今夏に予定されている地域主権戦略大綱による法定権限移譲の対応も踏まえ、大きな変革を迎えることになるが、窓口業務をはじめ住民サービスの低下につながらないように配慮した取り組みが必要である」(三重県・菰野町)
 「地方公共団体の定員削減の目標数値を示される場合、一般行政・教育部門と企業会計部門とは分けていただきたい。病院事業においては、医師や看護師等の医療従事者を確保し体制を充実することが経営に直結する重要な課題である。このような中で総定員数を削減するということは、一般行政職員の大幅な減員に取り組まなければならないことになり、行政運営に支障をきたす恐れがある」(滋賀県・近江八幡市)
 「集中改革プランによる取り組みにおいては、「人員(公務員)削減」が大前提とされていたが、当町のような小規模自治体では少数精鋭で事務を執行していくためにも、より優秀な人材確保が求められ、一方では地方の貴重な雇用の受け皿でもあるため、判断が難しい」(愛媛県・松野町)
 「事務事業の見直しや、人件費の抑制による歳出削減は限界の状態を迎えている。今後は更なる地方への税源移譲を実施し、地方の自主財源を確保すべきである」(愛知県・常滑市)
 「経費削減や人員削減に偏重したやり方は改め、良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施される体制を目指すべきと考える(公共サービス基本法の基本理念を尊重すべき)」(岡山県・倉敷市)
 「これまでも人員削減を行ってきているが、権限移譲等で業務が増える一方であるため、これ以上の人員削減は難しい」(沖縄県・読谷村)など。

<民間委託> 「一方的な民間委託推進圧力は見直しが必要」「行政の仕事は費用対効果だけでは測れない」 「民間委託の受け皿がない」「直営の方が経費がかからない場合も」

 「市場化テストやPFI等、中小基礎自治体レベルでは活用機会が少ない制度の一括推進は難しい面がある。極端なアウトソーシングの推進等は、財政的には「委託料」の増加、不安定な雇用環境などの課題もある。これまでの行財政改革の経験を踏まえ評価し、一方的な推進圧力は見直しが必要」(宮城県・大河原町)
 「行政の場合、物事をスリム化するだけが改革ではない。民間にできることは民間にという姿勢は持っているが、行政の仕事は費用対効果ばかりで尺度が測れるものではない。住民へのサービスという観点を第一義に考慮する必要があるため、収支バランスが成り立たなくともしなければならない業務は山ほどある。国をはじめ、民間の経営のやり方が一番という考えは成り立つものではない」(山形県・河北町)
 「市町村の技能労務部門について、住民に密着した業務を担っている実態を踏まえ、国や都道府県が一律に縮小を求めることは適当ではない。直営ならではの機動性や災害時等における役割の重要性を考慮し、市町村の裁量が尊重されるべきである」(長野県・松本市)
 「集中改革プラン以前から、市独自で行政改革に積極的に取り組んできている。また自治体により目指すべき姿が異なる中で、一律で委託化の方向が必ずしも正しいというようなとらえ方を公表するのはいかがかと考える」(神奈川県・座間市)
 「自治体の行う業務について、すべてが民間企業に委託することがベストではないのでは。本町の場合、学校給食センターの業務は、町職員2名と臨時職員で運営を行っています。企業が行う場合、利益を追求するため、どうしても人件費、食材を節約すると思われます。そのために、人件費については、人件費を抑える。食材については、地元の食材から安心、安全でない食材を使用することが考えられます。地元にあった業務委託が必要と考えます」(北海道・本別町)
 「人口の少ない地方では、指定管理者の営業努力で健全な運営ができる施設が少なく、直営と同じぐらいの経費が必要となっている。このようなことから指定管理者制度導入が進んでいないと思われる」(青森県・平川市)
 「全国的に民間活力の活用が行革の大命題になっている感があるが、民間活力の推進にあたっては、市場性の存在が大前提になってくると思われる。民間活力活用による効果としては、経費削減効果による行政のスリム化とともに、民間のノウハウを発揮した市民サービスの向上が上げられるが、市場性を有していないと特定企業又は団体の寡占状態となり、逆にコスト増やサービスが停滞することも考えられることから、特に専門的な企業が少ない地方においては、民間活力の活用が行政改革になるかというと必ずしもそうとは言い切れず、慎重に進める必要があると思われる」(福島県・白河市)
 「過疎化が進む自治体にとっては、経済の縮小に反比例しながら公共サービスの領域と住民からの要求が拡大傾向にあります。人間的な生活に欠かすことができない公共サービスについては、せめて都会(財政的に余裕)も田舎(財政的に苦しい)も関係なく、同等な住民負担で利用できるような抜本的な制度改革が必要な時代になっている」(山梨県・身延町)などです。

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