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公務員人件費が高いから財政赤字が増えた? 山家悠紀夫さんに聞く

国公労連のHPに「日本の財政赤字(山家悠紀夫さんに聞く)」というシリーズがでている。現在13回目で継続中(表題は以下のとおり)。グラフ、政府資料を多用しての説明で、巷にあふれる俗論の誤りがよくわかる内容となっている。その5回目が公務員人件費の問題・・・
 公的部門が貧弱でかも小さくされていることと同時に、同一労働同一賃金の原則の未確立――公務と民間、正規と非正規など異なった処遇が、資本の側の攻撃を許し、国民が全体として貧しくなっていくことを許す弱点となっている。とあらためて感じる。
【どうみる?日本の財政赤字(5)-公務員人件費が高いから財政赤字が増えた?(山家悠紀夫さんに聞く)10/21】
【どうみる日本の財政赤字】

(13)-法人税の増税が必要
(12)-「日本の法人税は高くない」と経団連幹部が証言
(11)-強きを助け弱きをくじく税の転換?
(10) - 最賃アップと派遣法改正が必要?
(9) - 賃上げが赤字減らす?
(8)-法人税減税・高額所得者減税が赤字を拡大?
(7) -赤字の原因は大型公共事業?
(6) - 社会保障費が財政赤字の原因?
(5)-公務員人件費が高いから財政赤字が増えた?
(4) - 国民を黙らせる「呪文」?
(3) - 日本がギリシャのようになる?
(2) - 国の財政と家計は性格が違う?
(1) - 孫子の代まで借金漬け?

【どうみる?日本の財政赤字(5)-公務員人件費が高いから財政赤字が増えた?(山家悠紀夫さんに聞く)】

――日本は「大きな政府」で公務員人件費が高いから財政赤字が増えたかのような論調もありますが。
 山家 公務員の人件費が高いから財政赤字が増えたわけではありません。そのことは、客観的な数字を見ていけば分かることです。

 ◆日本の国家公務員数はフランスの10分の1以下
 O0567039210813235809

 上のグラフは「人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較」(出典は総務省)です。ここにあるように先進主要国の中で日本の公務員数・公的部門職員数はもっとも少なく、フランス、アメリカ、イギリスの半分以下です。国家公務員の人数にいたっては、フランスの10分の1以下しかありません。

O0647052710813237103

 上のグラフは、公務員と公的部門職員の人件費の対GDP比の国際比較です。人件費を見ても、数字がわかっているOECD23カ国の中で日本は一番少なく、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、フランスの半分以下です。上のグラフは、8カ国だけですが、23カ国を高い方からすべて紹介すると、(1)デンマーク16.9%、(2)スウェーデン15.1%、(3)フィンランド13.0%、(4)ポルトガル12.9%、(5)フランス12.8%、(6)ノルウェー12.3%、(7)ベルギー11.7%、(8)ハンガリー11.5%、(9)ギリシャ11.1%、(10)イギリス10.9%、(11)イタリア10.7%、(12)スペイン10.2%、(13)アメリカ9.9%、(14)ポーランド9.6%、(15)アイルランド9.3%、(16)オランダ9.1%、(17)オーストリア9.1%、(18)チェコ7.6%、(19)韓国7.3%、(20)ルクセンブルグ7.1%、(21)ドイツ6.9%、(22)スロバキア6.8%、(23)日本6.2%、となっています。

 ◆労働力人口に占める日本の公務員数は
  OECD26カ国平均の3分の1ほど

               ▼労働力人口に占める公務員数の割合
O0616032010813238092

 上のグラフは、OECDが発表している「労働力人口に占める公務員数の割合」です。この公務員数は、国家公務員と地方公務員の合計人数です。ここでも日本は、OECD26カ国の中で一番少なく、OECD26カ国平均14.3%の3分の1に近い5.3%しかありません。グラフには数字がありませんので、2005年の数字を高い方からすべて紹介すると、(1)ノルウェー28.8%、(2)スウェーデン28.3%、(3)フランス21.9%、(4)フィンランド21.3%、(5)ハンガリー19.2%、(6)ベルギー17.1%、(7)カナダ15.6%、(8)アイルランド14.7%、(9)イギリス14.6%、(10)イタリア14.2%、(11)アメリカ14.1%、(12)ギリシャ14.1%、(13)オーストラリア13.6%、(14)ポルトガル13.4%、(15)ポーランド13.4%、(16)スペイン13.0%、(17)チェコ12.9%、(18)オランダ12.8%、(19)メキシコ11.1%、(20)ドイツ10.4%、(21)オーストリア10.2%、(22)スロバキア9.5%、(23)トルコ9.2%、(24)スイス7.1%、(25)韓国5.5%、(26)日本5.3%、《OECD26カ国平均14.3%》となっています。

     ▼労働力人口に占める公務員及び公的企業の職員数の割合
O0800042510813238868

 上のグラフは、OECDが発表している「労働力人口に占める公務員及び公的企業の職員数の割合」です。公的企業というのは、日本で言えば、独立行政法人や国立大学法人などです。ここでも2005年の数字で、日本は5.9%とOECD18カ国の中で、一番少なく、スウェーデン28.8%やフランス25.2%の4分の1しかありません。

 ◆国・地方の総支出に占める人件費も少ない
O0425051810813240730

 さらに、上のグラフにあるように、国・地方の総支出と、国家公務員・地方公務員・公的企業を合わせた人件費の割合を見ても日本は主要国の中で最低です。金額ベースで見ても日本の国家公務員の2010年度の人件費は5.2兆円で、しかもその半分ほどは自衛官の人件費で占められているのです。

 以上、見てきたように、公務員の人件費が高いせいで財政危機になったのなら、ヨーロッパ諸国はじめOECD25カ国も軒並み財政危機になっているはずです。

 ◆国家公務員は減り財政赤字は増えている
O0625051910813241342

 そして、上のグラフにあるように、事実は逆で、国家公務員が減り続けているのに、財政赤字は増え続けているという関係にあるのです。

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