高知県市一体型図書館考⑤ 「計画」の熟度
本日の県議会で日本共産党と緑心会の米田議員が図書館問題で質問したが、そのあまりにもずさんな計画に唖然とした。地元新聞に絵まで載せて一面広告を出しているのにである・・・
まず、全国で数少ない図書館建築士という専門家の意見を聞いてない。子ども科学館はまったくこれからの検討・・・などなど。(メモと記憶の範囲で列挙すると)
①全国で数少ない図書館建築士という専門家の意見を聞いてない。
②利用者は2-3倍増と想定、他県では、新設で、貸し出し数が5-10倍になっている例がある、と答弁したが、まともな検討をしいない。
③市町村資料保存機能・・・収蔵能力205万冊のうちで数字であり、わざわざ「貴重なものに限る」と強調したように、「機能」を持つというまともなものではない。
④公文書館については、「今後様々に検討する」と、県立図書館とあわせて整備という昨年の姿勢から明らかに後退した。
⑤子ども科学館は、別途、検討委員会をつくり、その内容、建設費、運営費、運営主体などは、今後検討すると、いう程度。(4階までが図書館、5階が子ども科学館、点字図書館、と答弁)
⑥点字図書館は高知市が運営と表明、今後つめていくと答弁。この建設費、運営費も対象外
⑦建設費22億円が減る。の根拠は、4000平米建物が少なくなることで16億円、機器で5.4億円、他6千万円。つまり、子ども科学館を5階部分につくると、この削減効果はなくなる、と思う。
減る部分の県市割合は今後の検討。市部分は合併特例債であり、実質負担は1/3。
⑧運営費1億円減。水光熱費3千万円、人件費を増員しないとして8千万円。しかし、機能充実、利用者増で、人員増になるのは必死ではないか。教育長は「人はあまり増やさないでできるのでは…」としつつ「利用増が予測しがたい。そうなれば人はいる」という調子。また子ども科学館の運営費もある。この浮いた部分で図書費を増額するというのは極めて怪しい。
⑨市民図書館の新刊は6ヶ月、他自治体に貸し出ししてない。一体化し、県民全体が市民の新刊に予約が入れることになれば市民のサービスが低下するのでは」という質問には、まともに回答せず。
⑩書庫については、積層と集密を半々にする。自動書庫は想定してない、と答弁。きわめて効率が悪い詰め込み。または自動書庫を想定しているが、それを出すと建設費などで「経費削減」を打ち出せないからではないか。書庫の増設は、追手前の敷地内を想定している、と答弁。
⑪閲覧スペースは開架書庫、研修室を含め3300平米で28万冊(これは他市に比べてかなり多い)。県立と市民の閲覧スペースの2倍弱しかなく、利用増に対応できないだろう。
⑫駐車場。「必要な場所の確保と民間駐車場利用した場合の負担軽減を検討」と・・・引き続き明確でない。
⑬将来の指定管理者については、県立は、政策的運営が必要なのでふさわしくない、と答弁。市民部分は可能という意味?
―― 県議会も高知市議会も日本共産党をのぞくオール与党。与党会派の緊張感のなさが地元紙でもしばしば指摘されるが、その中で、執行部のモラルハザードのような横着な対応が最近特に目につく。
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