成果主義賃金 7割が課題あり 厚労省調査
厚生労働省が14日発表した「平成22年就労条件総合調査結果の概況」
所定内労働時間は、7時間43分だが、変形労働制を採用している企業が42%、みなし労働時間制も11.2%とともに前年比で増加している。年休取得率は47%で前年比微減。
業績評価については、「手直し必要」「改善すべき」「うまくってない」と7割の企業が回答。「部門間の評価基準の調整が難しい」などシステムそのものに課題があるとの回答が8割。
成果主義については、評価が恣意的で、働いても賃金があがらず、長時間労働・健康破壊、意欲の低下の進行、またリスクのある仕事に挑戦しなくなる、チームプレーを阻害するなどすでに破たんしている。
成果主義を労働者全体におしなべて実施している日本が異常であり、市場主義が跋扈するアメリカだってやってない。
【『成果主義は失敗だった』と企業は明言せよ 日経コラム 2008/7】
また所定内労働時間は、7時間43分だが、変形労働制、みなし労働時間制を採用する企業は増加しており、実態は、長時間労働と賃金低下(残業代の節約)を覆い隠すものになっていると感じる。
メンタルヘルスの増加、雇用者報酬の低下は、その証左と感じる。
年休は、平均の取得日数は8.5日だが、宿泊・飲食業5.0日、卸・小売業6.0、医療・福祉6.4が最も低い部類。
とりわけ人手不足が指摘される医療・福祉での低さが気になる。
【 平成22 年 就労条件総合調査結果の概要】
◇ 所定労働時間
1日の所定労働時間は、1企業平均7時間43分(前年7時間42分)、労働者1人平均7時間44分 (同7時間44分)となっている。
・1企業平均を企業規模別にみると、1,000人以上が38時間55分(同38時間53分)、300~999人が38時間58分(同39時間03分)、100~299人が39時間11分(同39時間12分)、30~99人が39時間27分(同39時間24分)
・産業別にみると、金融業,保険業が37時間59分(同37時間55分)で最も短く、宿泊業,飲食サービス業が39時間46分(同39時間50分)で最長
◇年次有給休暇の取得状況
平成21年(又は平成20会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、労働者1人平均17.9日(前年18.0日)、そのうち労働者が取得した日数は8.5日(同8.5日)で、取得率は47.1%(同47.4%)となっている。
宿泊・飲食5.0、卸・小売業6.0、医療・福祉6.4
◇変形労働時間
1年単位の変形労働時間制」は24.6%(同24.1%)、「1か月単位の変形労働時間制」は17.0%(同16.8%)
◇みなし労働時間制
みなし労働時間制を採用している企業数割合は11.2%(前年8.9%)
「事業場外労働のみなし時間制」が9.1%(同7.5%)、「専門業務型裁量労働制」が2.5%(同2.1%)、「企画業務型裁量労働制」が0.8%(同1.0%)。労働
◇業績評価制度
業績評価制度がある企業数割合は、45.1%。
業績評価制度ついての評価
「うまくいっている」とする企業数割合が23.0%
「うまくいっているが、一部手直しが必要」42.2%
「改善すべき点がかなりある」23.6%
「うまくいっていない」3.1%、
「はっきりわからない」8.1%
◇評価側の課題(3つまでの複数回答)
評価制度に課題があると回答した企業80.5%
「部門間の評価基準の調整が難しい」が52.7%
「評価者の研修・教育が十分にできない」37.7%
「格差がつけにくく中位の評価が多くなる」34.2%
◇業績評価制度の問題点(3つまでの複数回答)
問題点があると回答した企業50.5%
「評価によって勤労意欲の低下を招く」20.9%
「評価結果に対する本人の納得が得られない」19.1%
「評価システムに労働者の納得が得られない」14.4%
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