「仕様書」と偽装請負
高知市の潮江東小学校に、労働局が「定期監査」に入る。14日の市議会であきらかになった。「仕様書」どおりに作業をおこなえば「直接指示」にあたり「偽装請負」におる。神奈川県でも、労働局が調査に入るとのこと。
【神奈川自治労連が労働局と交渉-労働局が偽装請負の根絶へ調査 9/15】
14日のはた市議の指摘は以下のとおり
「鳩ヶ谷市で何が問題だったかというと、仕様書の中で、事業完了報告書で 校長、栄養士の確認印をもとめることや、従業員への研修を求めること、健康診断の 報告義務、従業員の資格要件・配置について、また従事者の異動・交替の決定、 機材の使用についての双務契約、調理業務作業基準について書いていたからです。この7項目が問題だとされました。それで鳩ヶ谷市は、問題箇所を契約書から削除して、正しい委託の姿、丸投げしてしまったわけです。これでは、教育としての学校給食に責任をもてない。それで出てきたのが先に紹介した文部科学大臣の答弁です。
そこで、高知市が株式会社メフォスと交わした、仕様書はどうなっているか調べてみました。
まず、事業完了報告では鳩ヶ谷と同じく学校長と栄養士の印が必要となっていますし、従業員の研修実施の点でも研修計画の提出までも求めていたり、健康診断の報告義務も同じく指示しています。また、従業員の資格要件についても学校給食調理業務に、従事する者として専門知識を有し、経験がある者を配置することと書いています。」
ちなみに、市教委は08年9月議会で、江口市議の質問に、食の質を担保するために、こう答弁している。
「教育委員会からは,請負契約となるため学校栄養職員は受託事業者の調理員に対して直接指揮命令はできなくなるが,栄養士の資格を持った現場責任者に対し指示書による指示を行うことになることや,現在の給食調理員と子供たちとのかかわりについては,委託の準備作業を行う中で現在の給食調理員の業務内容を精査し,委託業務仕様書にきめ細かく反映させることをお答えをいたしました。」
指示書で指示、仕様書にきめ細かく反映・・・・?
連携が必要な教育の場で、請負業務をいれることに、本質的に無理がある。
【神奈川自治労連が労働局と交渉-労働局が偽装請負の根絶へ調査 9/15】神奈川自治労連は9月7日、「横浜・鎌倉・三浦の学校給食の委託に関して、早急に調査を行い是正指導をされたい」との要請を労働局長あて提出し交渉を行いました。
この要請は、昨年11月10日に労働局長あてに要請書を出し交渉を持った結果に基づいて行われたもので、11月の交渉では以下の諸点を確認していました。1、「偽装請負」は、違法行為であること。
2、それを是正させるための調査・指導・勧告の権限は労働局長が持っていること。
3、横浜、鎌倉、三浦の学校給食委託に係る「仕様書」を神奈川労働局は持っており、内容を承知していること。
4、その仕様書通りに作業が行われていれば「直接指示」であり偽装請負に当たること。
5、その実態を把握して判断すること。今回の交渉で、労働局は、調査の必要性は認識しており、組合からの直ちに調査するべきだとの指摘については理解したと述べ、9月中を目途に検討したいと回答しました。
« 県立大学の独法化と「学術会議」の懸念 | Main | 高知県市一体化図書館考④ 駐車場、書庫 »
「高知市政」カテゴリの記事
- 「よいところは継続」 桑名新市長の当初予算に賛成 日本共産党高知市議団‣声明(2024.03.23)
- キャンセルカルチャー 「大衆的検閲」の行く先(2024.03.13)
- 高知市長選 なせ岡崎市長の支援を決めたか(2023.10.04)
- 2023年3月 高知市議会メモ(2023.05.15)
- 生活保護 冬季加算「特別基準」(通常額の1.3倍) 高知市「抜かっていた」「速やかに実施」 (2022.12.28)
「教育・子育て」カテゴリの記事
- ダイバーシティ&インクルージョン 組織のアップデート(2024.08.11)
- 2024国際女性デー 差別・格差の根っ子に、非正規、奨学金ローン(2024.03.14)
- 創造と管理、心理的安全と恐怖 組織の自己改革(2024.01.11)
- 不登校 きっかけは「先生」最多・考~ 組織の構造的問題として(2023.11.16)
- 高知の校則に関して(提言) 子連10/25(2023.11.02)
「雇用・労働」カテゴリの記事
- 「消滅自治体」 なぜ「若い女性減」だけ? 若い男性も同様に減少(2024.06.01)
- 地消地産、医療介護福祉 産業政策で党県議団の提案生きる(2024.05.09)
- 日本のジェンダー平等を考える ~家族モデル、政治、教育、賃金格差、DV(メモ)(2024.05.05)
- 最高裁元判事のコメント・考 ~「司法における固定観念化とジェンダー差別」克服の重要性(2024.05.04)
- 「新しい生活困難層」 正規雇用に「内付け」された日本型生活保障の崩壊と改革展望(2024.04.25)
「公務の民営化」カテゴリの記事
- 「指定地域共同活動団体」~地方自治法改定による新たな課題(2024.08.17)
- PFI事業 検証した27件全部で割高 会計検査院(2021.05.19)
- 「スマート自治体構想」と公務労働 (メモ)(2020.03.29)
- 日本郵政の迷走は「民営化」という構造改悪の結果(2019.10.22)
- シルバー人材センターによる公務職場の置換え・・・会計年度任用の本格導入を前に(2019.10.08)
Comments