お粗末な児童虐待対策・概算要求
児童虐待に対応する体制が圧倒的に不足しているが、来年度の概算要求は、児童家庭支援センターを4箇所増やす、職員OBを児童相談所に各1人(全体で205人)増やすだけ、というお粗末なもの。
昨日、【衆院青少年特別委員会で宮本たけし議員が質問】にたった。
その中で、大阪では、テレビCMで虐待の疑いがあるばあいに通報を呼びかけたところ昨年同月比で3.3倍の通報があった。厚生労働省は、通知で 「48時間以内の目視」を出したが、とうてい体制が追いつかない。
宮本議員は、体制がないため、大阪の児童家庭支援センター職員は24時間、常に携帯電話を持ち、現場にかけつけていることを紹介し、「善意とボランティア」が支えており、「このままでは死ぬまで働けというに等しい」と告発した。
その現状に対して、上記の概算要求である。(高級官僚の天下りなどは別にして、生活に密着する公的サービスの公務員は大きく不足している。)
質疑では、発生抑制についてただしている。
大阪市西区の事件について、日本共産党国会議員団の取材に対する松本伊智朗北海道大学教育学研究院教授の指摘を紹介している。
「事件の母親が無責任のかたまりのような報道もされましたが、最後の局面ではそうだったかもしれませんが、そうなる過程はこの母親だけの特異なものではなかった」
「今の日本の社会は、子どものことは親次第、親に何かあったらそれっきりという状態です。今回のケースはその典型ですし、これからもこうしたケースは起こりうるでしょう。子育ての責任を親だけに押し付けていては、問題は解決しません」
「一般的な『子育て支援』というより、生活の基盤が危うくて、人と人との関係をつくることが非常に困難な、社会の底辺で流動し分散し孤立化している、傷つけられた人たちをどうするか、そうした人たちへの手厚い支援が必要です」
低年齢出産やひとり親家庭、不安定就労や貧困家庭など、『高リスク』とされる家庭への特別な対策の必要性だと、質問では、貧困への手立て・・・1人親家庭の貧困率は突出している。その支えが必要。
そして保育所の役割。現在の保育の1人親家庭の優先的入所は、就労支援の観点であり、「子育ての困難な家庭に、子育てのノウハウも授け、悩みや不安の相談にものる地域の子育てセンターとしての保育所の活用」という角度からの踏み込んだ問題提起をしている。
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