高知県市一体化図書館考④ 駐車場、書庫
まだどんな調査・検討する予算さえ決まってないのに、新聞の一面広告とは・・・それも誰がメンバーかもわからないワーキンググループ(WG)の書いた中身で・・
統合図書館を、追手前小学校跡地につくる、という設定には駐車場、書庫のスペースで無理がある。
・第一は、駐車場。
県立図書館には、公共交通の不便な郡部から車で利用することへの対応が不可欠である。また県立は、館内閲覧に限定されているものも多く、調査研究による長時間滞在者が多い。
利用者だけでなく、移動図書館、市町村支援の配送などのスペースも必要である。
鳥取県立図書館は、300台の駐車場をもっているが、それでも土日には不足すると不満が出ているとのこと。
大きな駐車場が仮にできた(地下駐車場など)をつくったとしても図書館利用は無料が原則である。当然、図書館に形ばかり立ち寄って、無料駐車場で使うということも想定される。どう対応するのだろう。
また、駐車場ができても、土日に利用が多く、日曜市との関係が出てくる。
・第二は、書庫スペース
WGが示しているのは、延床面積13,000㎡ 収蔵能力205万冊 (開架3000平米 書庫4600平米)となっている。
県立図書館のあり方提言(09年8月)や他県の例とくらべて見たい。
県立あり方提言 延床面積14,000㎡ 150万冊(開架3527㎡20万冊 書庫4968平米130万冊)
岡山県立図書館 延床面積18,193㎡ 図書収蔵能力 230万冊(閲覧室 30万冊、書庫200万冊)
香川県立図書館 延床面積 14,120㎡ (図書館9,562㎡ 文書館4,558㎡)
収蔵能力 122万冊(開架22万冊 書庫100万冊)
長崎市立図書館 延床面積116594㎡ 収蔵能力 80万冊(開架25万冊/閉架55万冊)
山梨県立図書館 延床面積10452㎡ 収蔵能力110万冊(開架15万冊 /閉架95万冊)
如何にぎゅうぎゅう詰めかがわかる。提言と比べても書庫面積は減っているが、量は大きく増えている。集密書庫を多用すれば出納の効率は大きく落ちる。その結果、多くの人の配置が必要。
ここに大きな無理がある。
現在、県立は58万冊、市民は41万冊で99万冊もつ。県は購入の他に寄贈が年1万冊余ある。
WGの30年間もつ計画の年間購入は4万弱であるが、これに寄贈を加えると5万冊。スペースから見て、あり方提言なみの蔵書能力(詰め込みの無理な計画は、実際の運用の中で見直される可能性がある)にとどまるなら、10年でいっぱいになるのでは…?
県立には、市町村図書館を支援し、本購入や新しい本を長期一括貸し出しのスペースを確保するために、市町村図書館の古い本を引き取る役割もある。それも踏まえると、さらに短期になるのでは・・・・
すぐにまた書庫棟などの建設がせまられるのではないか(その費用は、県市折半?)。
“追手前小学校跡地に統合”という枠が、問題なのである。
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