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学校給食実施率 高知は最低クラス

 貧困の拡大の中で、学校給食が占める役割がますます高くなっている。高知県は、教育振興計画の中でも、「全国に比べ厳しい高知の家庭と暮らし」を指摘し、子どもの学びをどう保障するかが大きな課題である、としている。その高知の完全給食実施率(08年5月、学校数)は、小学校76.8%(全国98.5%)、中学校58.5%(全国80.9%)と9/12日曜版にあったので調べてみた。

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実施校の割合は、小学校は最下位、その次が和歌山県の91.5%だから大きく立ち遅れている。中学校は下から7番目。四国の他の3県は、小学校、中学校とも97%以上の実施であり、大きく水があけられている。

「H22 高知県の学校給食」を見ると・・

・08年 学校数       児童数
    全国   高知   全国   高知
小学校 98.5%  76.8%  99.5%  89.4%
中学校 80.9%  58.5%  74.6%  412%
・09年では、小学校は90.0%に前進(10年間で20.2ポイント増)、中学校は、59.8%(10年間で8ポイント増)

で、児童数の割合では、小学校は差がつまる(一部実施は室戸市68.4%、安芸市32.6%、黒潮町31.2%、未実施は土佐清水市/%は、09年5月)。一方、中学校では、全国の半分以下にまで低下する(人口の多い高知市17.1%、室戸市28.7%、四万十市9.5%、須崎市12.3% で一部実施、安芸市、南国市、土佐清水市の未実施の影響)。

 市部での中学給食の実施が中心課題とわかる。

ところが県の教育推進計画にも、食育推進計画にも、学校給食の普及についでの具体的な目標、施策がない。

 教育振興計画の「全国に比べ厳しい高知の家庭と暮らし」では・・ 

「 平成18 年度の高知県の県民所得(2,170 千円)は、全国平均の約7 割であり、全国で下から4 番目となっています。また、生活保護被保護率、離婚率や母子世帯数比率も全国平均を大きく上回るなど、厳しい家庭状況を表しています。」とし、「経済的に厳しい状況にある中で、家庭の教育力をどのように向上させていくか、また、子どもへの教育をどう保障していくかが、大きな課題です。」となっている。

 また振興計画の基本方針・視点のトップは、“心身ともに健やかで「夢」と「希望」にあふれた土佐人を育てよう”となっている。「心身ともに健やか」の土台は食である。

 また、困難さとともに、「教育に生かせる高知県の強み」として、恵まれた自然とその活用をあげ、「米飯給食率が全国第1 位(平成19 年度)で地産地消率も全国トップクラスを誇る食育の取組は、全国を先導する教育実践の一つです」と書かれている。
 高知県食育推進計画では、核家族化や共働きの増加などによるライフスタイルの変化もあり、個食のひろがりなど食の乱れなどをあげて、「特に次世代を担う子どもに対して食育の必要性が高まっている」ことを強調している。

 「基本方針に基づく今後5年間の具体的な施策」において、「学校給食の普及充実」は掲げてはいるが、米飯給食の実施率、地場産物活用割合が具体的数値目標あるのに対し、給食の普及実施は、具体的目標がない。
 
 市町村の責任といえばそれまでだが、子どもの貧困問題について、知事は「これは非常に重大な課題」、教育長は「貧困の世代間連鎖はむしろ教育の力で断ち切っていかなければならない」と答弁(09年2月県議会)しており、対策がもとめられる。

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