金持ち減税、福祉切捨て― 名古屋市長の「市税10%減税」
河村たかし名古屋市長は、「改革」派のようなメデイァのとりあげ方があるが、憲法原則をまっこうから否定している。25条、9条、8章と・・・ 名古屋市議団の声明が、事の本質を伝えている。
【河村市長の議会解散運動に反対です ―議会否定の暴挙を許さず民主主義を守りましょう
日本共産党名古屋市議団は、8月27日】
「市民税10%減税は大企業・金持ち優遇」
「市民税10%減税」は大企業、金持ち減税で、多くの市民、中小業者には無関係で、一方で福祉切り捨て、国保料の値上をすすめている。
憲法25条を踏みにじっている。また、9条については、改憲論者―― 交戦権否認の9条第2項の削除、自衛隊の憲法明記であり、「靖国派」--靖国神社参拝、「従軍慰安婦」・南京大虐殺の否定を公言。
憲法第8章の地方自治の「二元代表制」を立法ミスと切り捨てている。
そもそも「マニフェスト選挙」には、諸外国でも問題点を指摘されている。
政党、首長を選ぶにしても総体評価で選ぶのであって、マニフェストのすべてを支持しているわけでない。民主党の政権交代でも、高速道路、子ども手当の評価などに如実にあらわれた。議会での議論を通じて、修正していくのは当然である。マニフェスト絶対で、議会を否定するのは、結局、独裁・暴走につながっていく。
ちなみに市長選の『公約』を破っていることもあまり知られていない。①金持ち、大企業減税はしない。②本丸御殿 は見直す。③福祉・教育は後退させないなど―-
「改革」派というが、「改革の旗手」ともちあげられた小泉純一郎氏は、結局、「格差と貧困」の拡大とアジアでの孤立をもたらし、自公退場に結びついたように、事実が知られれば、早晩、審判は下るにちがいない。
【河村市長の議会解散運動に反対です ―議会否定の暴挙を許さず民主主義を守りましょう】
日本共産党名古屋市議団は、8月27日
河村たかし市長が、議会解散運動をおこしました。
市長が議会を解散させ、市議75人全員を解職したうえで、出直し市議選に市長支持候補を大量立候補させ、市長言いなりの議会をつくろうとしています。
これは、まさに議会制民主主義を破壊する前代未聞の暴挙です。◆地方自治の二元代表制を否定
市民から「乱暴すぎる」「独裁路線」などの批判の声があがり、マスメディアも、議会解散運動の背景には「対話の努力をせずに対立をあおってきた市長の政治手法がある」(「毎日」)、「議会での議論を軽んじ、それぞれ民意で選ばれた市長と議員による『二元代表制』を否定しかねない動き」(「読売」)と指摘しています。
河村市長の議会解散運動のねらいは、「議会との対立」を口実に憲法原則の二元代表制を否定し、市長の独裁的な政治体制をつくるところにあります。
憲法は、地方自治の原則として議会と首長がどちらも住民から直接選ばれる二元代表制を定めています。両者がチェック・アンド・バランス(抑制と均衡)の関係でお互いの独断や暴走を防ぎ、民主主義を保障する仕組みです。
市長の思い通りにならないからといって議会をつくり変えるといい、市長自ら議会解散運動をすすめるのは地方自治の原則を破壊するものです。
日本共産党は、このような議会解散運動にきっぱり反対し、名古屋の民主主義を守る先頭に立ってがんばります。◆議会解散に正当な理由がありません
河村市長は、議会が「市民税10%減税継続」「地域委員会継続」「市会議員報酬半減」という市長の公約・政策の実現をはばんでいると言っています。しかし、この言い分は、あまりにも身勝手で道理がありません。【市民税10%減税】
今年6月に実施された市民税10%減税は、「金持ちはゼロ」の市長選公約にそむく大企業・金持ち優遇減税でした。ほんとうに生活支援が必要な低所得層や赤字の中小企業にはほとんど恩恵がありません。
この7月、不況と減税の影響で、国民健康保険料が大幅に値上がりし、市民から悲鳴が上がりました。来年度は減税で220億円も市に入る税収が減り、財政悪化のツケや福祉切り下げが市民に大きく押し付けられようとしています。
問題だらけの市民税10%減税をこのまま「継続」したら大変です。ほんとうに市民に役立つ減税のあり方に見直すべきではないでしょうか。【地域委員会】
学区の地域予算の使い途(みち)を市長に提案する地域委員会は現在、8区8地域でモデル実施されています。
実施してみると改善が必要な問題点がたくさん出てきました。地域委員会を"福祉民営化の受け皿"にするという河村市長の「福祉の構造改革」路線も問題です。
現在、市は地域委員会のあり方を検討中です。それなのに、やみくもに実施地域を拡大したら問題が広がるばかりです。地域委員会を住民の声がもっと反映されるように改善することが大事です。【議員報酬半減】
「名古屋市議の報酬は高い」―日本共産党もそう考え、市長の押し付けでも議会のお手盛りでもない民主的な方法で、報酬の引き下げを提案しています(他の政令市なみに4割削減案)。市議会は今度の9月議会にむけ、市民公開のもとで報酬引き下げの議論をすすめています。
市長は市長選マニフェストでは、現在市議会が実施中の報酬10%削減を「決断」と評価していました。それが当選したら「半減」に政策を変えました。市長は、議会の「自主的な改革に期待」するという公約を守るべきです。
このように議会解散の三つの理由のどれも正当なものとはいえません。
マスメディアから「市政の停滞を招いているのは明らかだ。住民投票までいけば5億円近い税金が投入される。多くの代償を払っておこなわれる運動になる」(「中日」)という冷静な指摘が出ています。◆議会を生かし市政を前にすすめよう
いま、私たちの名古屋はリーマン・ショック後の経済危機から抜け出せず、生活悪化が続いています。いまこそ、市長と議会は、市民生活応援のために、おたがいに知恵を出し、力を合わせなければならないときではないでしょうか。
名古屋市民は市政を動かす力を持っています。昨年来、河村市政にたいし幅広い市民が「減税名目の福祉削減は許せない」「議員定数半減反対、民主政治守れ」の運動に立ち上がり、保育料値上げを中止させ、廃止されかかった自動車図書館を存続させました。市長が「議会改革」の名で持ち出した民意切り捨ての議員定数半減・小選挙区制導入をストップさせました。
日本共産党市議団はいま、国保料引き下げなど福祉・暮らし・雇用、中小業者支援の署名運動に取り組んでいます。議員報酬の引き下げ、ムダな海外視察の中止、企業・団体献金の禁止など議会改革に努力しています。議会を壊すのではなく、議会を生かし、市民の願いを実現しようではありませんか。日本共産党は、市民のみなさんとともに、市民の要求実現、市民の声が届く市政と議会づくりに全力をあげます。ご支援をお願いします。
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