田母神講演 指定管理者制度の欠陥
「行政が田母神講演会を主催・後援 須崎市 市議会決議も無視」(高知民報8/8)という事態がおこっている。
田母神氏は、侵略戦争を肯定し、広島の平和式典を「日本弱体化の左翼運動」と評した人物である。
【“平和の願いを左翼運動”と元自衛隊トップ09/8】
平和市長会に参加する須崎市とまったく相容れないものである。が、今回の件は、指定管理者制度ついて… プールやボートでの死亡死後などに触れてきたが、別の角度から問題点を浮き彫りにしたものと言える。
まず、須崎市文化会館の役割について、社会教育施設として、「明るく豊かな市民生活の向上に寄与するとともに、文化事業を推進する施設」(設置条例)とある。
今回は、文化会館の管理・運営について、直営でなく、より効果的、効率的に運営できるとして指定管理者制度を選択し、須崎市商工会議所に対し、館の使用許可、300万円の税金を使っての「自主事業」を実施する権限(公権力の行使)が市長から委任されたものである。
行政の管理のもとで、単に業務委託される通常の「民間委託」ではなく、公権力、公務を一部分をまるこど代行させるものである(行政処分であり委託ではない。ただし委任された団体とは、労働法上は「業務請負」であり、ここの職員について、行政が指揮命令はできない。)
指定管理者として委任された団体の職員は、住民に不利益が生じた場合に、国賠法が適用されることから見ても「みなし公務員」という扱いになる。
つまり、指定管理というのは、公権力、公務の委任であり、代行であり、「自主事業」というが、それは市の代行として行われているもので、行政論的には、市が行ったことと同じことになる。
指定管理する範囲は、条例で定めることができるので、今回の場合、「自主事業」としてソフト面まで範囲に含めたことに問題がある。また委任相手も社会教育活動の専門性がどうかと思う経済団体である。
多くの場合、公的責任を果たす観点から、ソフト面は、行政(教育委員会)が担い指定管理の対象外としたり、また公的性格の強い文化振興事業団などを公募によらず直指定で対応している。
指定管理者は以前からブラックボックス化することが問題となってきた。議会(住民側)は条例制定と、委任の契約のときにしか関与できない。
選考結果の数値だけの結果だったり、簡単な事業報告だけで、事業が始まれば関与できない仕組みになっている。(力わざとしては予算の執行停止とか、指定管理にかかわる条例を廃止するとか可能かもしれない。契約不履行にかかわる争いはさけられない)
そうした問題点について、多くの批判の声、見直しの動きがあがりはじめている。
【指定管理者 ブラックボックスに批判の声 08/12】
【指定管理者制度シンポ 自治労連2010/6】
3回シリーズの講演会(主催 須崎市立市民文化会館、須崎青年会議所、須崎商工会議所
三回の講演会のメンバーは、
・評論家・金美齢 氏。侵略戦争の反省を「自虐史観」と攻撃する人物である。
同氏のホームページには、「参議院で(民主党に)過半数を取らせる訳にはいきません。山口県は象徴的な県であり、ここで自民党が勝たなければ、それも圧倒的多数で勝たなければいけない、そんなお話しをいたしました。」と参院選で自民党の選挙応援をしたことを書いている。
・安里 繁信 氏。青年会義所会頭。沖縄のカリスマ経営者として知られる。
彼は沖縄戦について「沖縄の先人たちというのは殺されたのはなくて、戦ったのだ」「なぜ戦ったのかというと、今の子どもたちの笑顔を守りたかった。この国の誇りを守りたかった。」と発現しているが、青年会議所と言えば靖国DVDを思い出す。
まったく公平性もなく、指定管理者として商工会議所は、不適格であり、指定を取り消すべきである。
さて、
【国連子どもの権利員会:総括所見:日本(第3回)2010/6】
には、以下の懸念と勧告がなされている。
「74.委員会は、日本の歴史教科書においては歴史的出来事に対する日本側の解釈しか記述されていないため、地域の異なる国々出身の子どもの相互理解が増進されていないという情報があることを懸念する。
75. 委員会は、締約国が、検定教科書においてアジア・太平洋地域の歴史的出来事に関するバランスのとれた見方が提示されることを確保するよう勧告する。」
このことも行政関係者、教育関係者は想起すべきであろう。
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