米国ではありえない 米平和団体が沖縄基地視察
米国最大の平和団体「ピースアクション」(会員10万人)が、沖縄米軍基地を視察。「基地と住宅地が近くて驚いた。米国内ではあり得ない」「現状を伝えて米軍基地閉鎖につなげたい」と語った、と報道されている。
【「閉鎖向け米で活動」 米最大平和団体、県内基地視察 琉球新法8/13】
本日は、沖縄国際大学への米軍へり墜落からちょうど6年目である。
【ヘリ墜落から6年 命を危険にさらす「普天間」 琉球新報 社説 8/1】
【[沖国大ヘリ墜落6年]危険性除去は国の責務 沖縄タイムス社説】
民主党も自民党も、東アジアの不安定、中国の軍拡を、基地を押し付ける根拠にしている。「抑止力」論にも米国内で疑問の声が出ているが、中国とは1978年に日中平和友好条約を締結している。
5条からなっているが、その第一条は
「両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。」
「両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。」
と明記されている。
問題があれば、この条約を掲げて、積極的に対話し解決していくことが基本である。
日米安保体制、日米同盟絶対という窓からしか見てないので、そんな条約があることも見えなくなっているのではないか。
【「閉鎖向け米で活動」 米最大平和団体、県内基地視察 琉球新法8/13】県内米軍基地視察のため来県した米国最大の平和団体「ピースアクション」組織化・政策担当のポール・マーティン氏(40)が12日、県庁で記者会見し、10万人いる会員に沖縄の現状を伝えると同時に「帰国後、沖縄に対する政策を改めるよう米国の上下院議員に働き掛け、一般市民に沖縄の現状を伝えて米軍基地閉鎖につなげたい」と活動方針を示した。
マーティン氏は10日に沖縄入り。普天間、嘉手納両飛行場を視察したほか、伊波洋一宜野湾市長、稲嶺進名護市長らと面談した。
視察の感想をマーティン氏は「基地と住宅地が近くて驚いた。米国内ではあり得ない」と沖縄の米軍基地の危険性を指摘。
戦後も県内への基地集中が続いていることについては「国際法違反だ。基地によって多大な被害を受けている県民に謝罪したい」と語った。
【ヘリ墜落から6年 命を危険にさらす「普天間」 琉球新報 社説 8/13】米軍ヘリ沖国大墜落事故から6年を迎えた。再発防止には「世界一危険」といわれる米軍普天間飛行場の即時閉鎖しかない。
今から半世紀前、アイゼンハワー米大統領の指示で海外米軍基地の状況と問題点に関する極秘の「ナッシュ報告書」(1957年)が作成された。
この報告書は、狭い沖縄に「三軍全部の重要基地がびっしり集中」しており、「戦略上、軍事上問題」と指摘している。57年に決まった海兵隊移駐など沖縄への米軍配備の強化は「この状態を悪化させるだけ」と断言し、極東の別地域へ分散配備を勧告しているほどだ。
しかし勧告は受け入れられず日本から沖縄へ海兵隊が移駐した。
日米両政府は6年前の事故からどんな教訓を導いたのだろうか。
政府はヘリコプター部隊の常駐は「抑止力となる」と説明しているが、説得力に欠ける。
普天間飛行場のヘリ部隊は年間半分以上海外で展開している。部隊が長期不在でも安全保障上の空白は生まれていない。専門家は普天間飛行場の地理的優位性は崩れていると指摘している。
それどころかヘリの存在そのものが住民生活に深刻な影響を与え続けている。昼間だけでなく夜間や早朝にかけても普天間飛行場の騒音は鳴りやまない。受忍限度を超えた違法状態だ。
96年の騒音防止協定以降も騒音は増大している。2007年に日米間で安全対策が合意されたが、住宅地上空を頻繁に飛行する状況は変わらない。米国内基準に照らすと安全上不適格な飛行場なのだ。
7月29日の普天間爆音訴訟控訴審判決は、米軍ヘリの低周波音と心身への被害との因果関係を初めて認めた。高音は住宅防音などで防げるが、低周波音には十分な効果はない。根本的な対策はヘリがなくなることだ。
米軍は日米地位協定も守らなかった。事故現場が民間地域であるにもかかわらず、米軍によって現場が封鎖されたからだ。
米本国ですら在沖米海兵隊の不要論が広がっている。政府に影響力を持つ下院歳出委員長が、大手メディアの番組に相次いで出演し、真っ先に閉鎖すべき基地として普天間飛行場を挙げた。海外展開する米軍基地の縮小は時代の流れだ。
普天間飛行場の県内移設なき閉鎖こそ最も効果的な再発防止策だ。
【[沖国大ヘリ墜落6年]危険性除去は国の責務 沖縄タイムス社説8/13】◇「地響き 火柱 猛煙」
吹き上がる黒煙の中を走りだす米兵をとらえた写真とともに、大見出しの付いた記事は現場の惨状を次のように伝えている。
「…構内では学生や職員らが逃げ惑い、あちこちで悲鳴や怒号が上がった」
見出し、写真、記事は戦場を描写したものではない。
2004年8月13日、米軍普天間飛行場を飛び立ったヘリが隣接する沖縄国際大学に墜落した事故直後の様子を伝える沖縄タイムスの紙面だ。
大学や住民にけが人はなかったが、ヘリの乗員3人が重軽傷を負い、ヘリのローターや部品は周辺に飛び散った。破片の一部は住宅のガラスやふすまを突き抜け、室内のテレビを壊した。住宅にいた母親は墜落の危険を察知して、赤ちゃんを抱いて外へ飛び出し、難を逃れた。
学生や住民の機敏な行動といくつもの偶然が重なり、人身への被害は最小限にとどまったが、まさにあわやの事故だった。
あれから6年。普天間飛行場では米軍ヘリが離着陸を繰り返し、住宅地上空を飛び回っている。この間、日米両政府が住宅地上空の飛行禁止などの具体的な対策をとったことはなく、危険性は放置されたままだ。
国民が墜落の危険にさらされているのに、政府が何もしないというのでは法治国家の体をなさない。
政府は一刻も早く危険性の除去に取り組むべきで、米軍ヘリの飛行禁止あるいは大幅削減などの対策を講じる責任がある。
普天間爆音訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部はヘリコプターの騒音で起こる低周波音によって住民が精神的な苦痛を受けていると認定。「沖国大ヘリ墜落で、墜落への恐怖は現実的なものとなり、精神的な苦痛が増大している」と指摘し、違法状態を解消できなかった国の責任を厳しく追及した。
ヘリの飛行差し止めを認めなかった司法の消極姿勢は納得できず理解に苦しむところだが、同飛行場周辺で深刻な違法状態が続いていることは明確に示された。
政府は、違法な米軍ヘリの爆音にさらされ、墜落の恐怖におびえ精神的な苦痛を強いられている住民の救済策を最優先に進めるべきだ。日米交渉で普天間飛行場周辺の危険性と住民が苦しんでいる状況を率直に伝え、ヘリ部隊の撤退を含め、抜本的な対策について真剣に協議する必要がある。
政府は普天間飛行場の返還プロセスと、危険性除去を分けて考えるべきだろう。返還の前提となっている県内移設が難しく実現の見通しも立たないから、危険性除去まで手が回らないというのは理由にならない。
住宅地上空を米軍ヘリが飛び、爆音をまき散らす違法状態を解消するのは、米軍に土地を提供している政府の責務だ。
民主党政権は「国民の生活第一」を掲げ、誕生した。「世界一危険な飛行場」周辺で苦しむ住民を座視することは許されない。
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