生コン途絶え工事ピンチ 異例の長期ストと報道 朝日新聞
本日、朝日の記事。
「生コン途絶え工事ピンチ 大阪兵庫の業者、異例の長期スト」と題しての報道
【 大阪・兵庫の生コン業者が異例の長期スト 工事ピンチ 朝日8/20】
以下のような包括的な提案がなされている。
【セメント生コン業界の現状と危機打開政策と運動展開についての提起 /建交労関西支部】
【 大阪・兵庫の生コン業者が異例の長期スト 工事ピンチ 朝日8/20】大阪府内のマンションや再開発の建設現場で、生コンクリートの供給が途絶えて工事が止まる事態が起きている。生コン業界の労働組合が、1カ月半にわたってストライキを続けているためだ。8月に入って出荷再開の動きも出ているが、全面的な解決のめどはたっていない。
大阪府豊中市の千里中央駅に近い工事現場。大手ゼネコンが進める総戸数363戸の大型マンションは今秋にも販売を始める予定だが、広大な敷地には数人の作業員しかいない。クレーン車で鉄骨を移す作業はしているが、生コン車の出入りはストップ。今月末を過ぎても生コンが入らないと、基礎となる地下のコンクリートを打てず、販売延期の可能性も出てくるという。
ストは、大阪府と一部兵庫県の中小業者でつくる大阪広域生コンクリート協同組合の工場で7月2日から始まった。工場や生コンを運ぶミキサー車の運転手など関係する4労働組合の合計3500人が「賃上げには、出荷価格の値上げが必要」と要求。大阪府内を中心に約100カ所の工場で操業が停止した。
具体的な要求は、ゼネコンの買い取り価格の目安を1立方メートルあたり1万4800円から1万8千円へ引き上げることや、原材料費の変動に応じた価格決定など。不況にあえぐ協同組合の経営者らも同調し、買い付ける商社やゼネコンと対立する展開になった。
建材の市況をまとめている建設物価調査会によると、大阪市内の生コン価格は1立方メートルあたり1万3200円(6月11日~7月10日調べ)で、東京都内の価格より900円高い。大手ゼネコン幹部は「価格は東京より高く、経営努力の余地がある」。組合側は「業界不況のしわ寄せを受け、実際の値段は原価割れ状態の8千円にまで下がっている」と平行線が続いた
ストの影響は大きい。固まりやすい生コンは工場でセメントと砕石と砂を水で混ぜてから90分以内の使用が目安。「代わりに神戸や京都から持ってくるのは不可能」(竹中工務店)なためだ。大阪では現在、2013年の完成を目指す大阪駅北側の梅田北ヤードの先行開発区域や、14年完成予定の近畿日本鉄道阿部野橋ターミナルビルの建て替えといった全国屈指の大規模プロジェクトが進行中で、ストの長期化に気をもむ関係者は多い。
それでも、8月に入って梅田北ヤードなど生コンの搬入が再開された現場も目立ち始めた。大阪広域協組の役員によると、19日の労使協議では要求額を千数百円下回る額で妥協することを確認。要求に応じるゼネコンに納入を再開し、今月の出荷量は通常の6割超まで戻る見通しという。
ただ、複数の大手ゼネコンは「状況は変わらず、譲歩していない」と説明。梅田北ヤードの関係者も「搬入は8月末までの緊急対応にとどまる」としており、にらみ合いはさらに続く可能性もある。(佐藤亜季、山村哲史)
◇
今回の対立の背景には、生コンの需要量の減少と業界の構造的な問題がある。全国生コンクリート工業組合連合会がまとめた全国の出荷量は、2009年度が前年度比15%減の8603万立方メートルで、ピークだった1990年度の半分以下に落ち込んでいる。公共事業の抑制で縮小する建設業界でも、大企業が力を持つゼネコンやセメントメーカーに比べ、生コン業界は零細業者が大多数。同業者が集まって価格交渉力を強めるための協同組合が「統一価格」を要求しても、実際の取引価格は案件ごとの交渉で下げられる場合が多い。今回は、組織率が高い労組と協調して取引先と正面から対抗した形だ。
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