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虐待予防 出産前から支援を

大阪弁護士会主催のシンポジウム「子どもの貧困と虐待」(21日開催)で、虐待予防に、貧困家庭に出産前から支援することを専門医が提言すると報道がある。
【貧困家庭に出産前から介入を 虐待予防、専門家医師が提言へ 産経8/18】
 17日、読売の児童虐待の特集でも、児童虐待防止全国ネットーワークの吉田恒雄・理事長が「虐待の連鎖 予防が重要」と指摘している内容と重なっている。

 佐藤医師は、「親が自分の親から十分にかまってもらえなかったために子供の気持ちへの共感や愛情のかけ方が分からない場合も多く、虐待が深刻化する前に保健師が親の思いを受け止め、指導することで“虐待の連鎖”の芽を摘むことができると気付いた」。生活保護世帯など低所得の母親の出産を補助する「助産制度」の利用者は毎年5千~6千人おり、「申請を受けた市町村の福祉部門が保健部門に連絡し、出産前から母親への途切れないかかわりを始めることが有効」と語っている。

 吉田氏は、3点の指摘をしている。
①「発生予防」。妊婦健診や乳幼児の健診をうけない家庭を早期に把握し支援する。
②「進行予防」。虐待が深刻化しないよう、児相、市区町村、学校などの関係機関が情報を共有し、生活環境の変化を把握し支援する。
(メモ者 どの部署も業務の増大、職員削減などで多忙化している。たとえば直接家庭を支援するスクールソーシャルワーカーの役割に対する学校側の評価は高い。常勤できちんと配置できるようにすることが重要である、と思う)
③世代間連鎖の予防。児童養護施設などで適切な治療を施し、虐待を受けた子が将来加害者になる可能性を断ち切ること。

 同特集では、才村純・関西大学教授は、大阪市西区の事件について、児相は「現行の仕組みでも対応が可能」としながらも、実際は「アップアップの状態」であり児童福祉司の人員増が急務、専門性を高めることも重要としている。
 両氏とも、「児童の権限強化」について、「児相の業務が膨れ上がるだけ」、「もっと予防に目をむけるべき」とし、地道な仕事でコストはかかるが制度を担う人材の確保が重要、体制強化には相当の予算が必要だが社会的コストの観点からは予防こそ効果的と、「いまこそ」踏み出すべきと強調している。
 「未熟な親」という議論については、増山均氏の「子育て支援のフィロソフィア ― 家庭を地域にひらく子育て・親育て」が、子育てとはそもそも何かから説き起こしており奥深い。また、触れてみたい。

【貧困家庭に出産前から介入を 虐待予防、専門家医師が提言へ 産経8/18】

 子供が親からの虐待で死亡する事件が相次ぐ中、虐待予防活動を約20年間続けてきた大阪府立母子保健総合医療センター企画調査部長の佐藤拓代医師(58)が「虐待のリスクが高い貧困家庭を出産前から援助し続けるべきだ」と訴えている。出産時の補助を申請する低所得世帯の母親を行政や病院が連携して支えていくことで虐待を未然に防げると指摘。21日、大阪弁護士会主催のシンポジウム「子どもの貧困と虐待」で提言する。
 佐藤医師は小児科や産婦人科で臨床経験を積んだ後、昭和63年から保健所で勤務。経済的基盤が弱い家庭での乳幼児への虐待を見聞きする一方、こうした家庭を保健師が訪問して適切な子育てを指導することで、虐待を予防できるとの実感を深めた。
 平成18年には、東大阪市保健所での支援事例67例について調査。経済基盤が不安定な家庭では、親が孤立していたり、精神的に不安定だったり、居住環境が定まらなかったりと別の虐待リスクも高いことが浮き彫りになったという。
 佐藤医師によると、親が自分の親から十分にかまってもらえなかったために子供の気持ちへの共感や愛情のかけ方が分からない場合も多く、虐待が深刻化する前に保健師が親の思いを受け止め、指導することで“虐待の連鎖”の芽を摘むことができると気付いた。
 厚生労働省によると、生活保護世帯など低所得の母親の出産を補助する「助産制度」の利用者は毎年5千~6千人。佐藤医師は、申請を受けた市町村の福祉部門が保健部門に連絡し、出産前から母親への途切れないかかわりを始めることが有効と訴える。
 親の孤立を防ぐため、周囲の人が親の立場に共感する姿勢も必要と指摘。「虐待を見たら注意してもいい。その代わり、親の苦労もあたたかく受け止め、次に何かあったときに相談しやすい環境をつくってほしい」と話している。
 シンポジウムは午後1時半~5時、大阪市北区の大阪弁護士会館2階ホールで。少年事件を手がける弁護士からの報告やパネルディスカッションが行われる。参加無料。問い合わせは同会((電)06・6364・1227)。

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Comments

連日のように報道される幼児児童虐待のニュース、
まるで母子家庭や貧困が原因という見解に疑問を感じる。
原因はそれだけではないと思う。
これでは母子家庭や貧困家庭は虐待してもしょうがない、みたいだ。
マスコミ報道は視聴者の心理をどう理解して報道しているのだろうか>
(この件に限らず、なんか女性週刊誌的)

こうなった社会的問題はどこにあるのか、
そこから問い直していかない限り、
子も親も幸せにはなれないと思う。

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