日本外交が足を引っ張る核軍縮
「ヒロシマの声は日本政府にこそ届けて」(米国軍縮の専門家)「核兵器大好き、核の傘にしがみつく日本外交が足を引っ張っている」(豪元外相)・・・そんな声を、中国新聞のコラムを取り上げている。 一方、今日から始まった原水禁世界大会に、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長からメッセージが届いている。
【ヒロシマの声 中国新聞コラム8/2】
【原水爆禁止2010年世界大会代表派遣News no17】
今日まで3日間、福井で開催された自治体学校に参加。そのレポートはまた後日に。
【ヒロシマの声 中国新聞コラム8/2】米国で「ヒロシマの声は届いていますか」と尋ねた。すると「日本政府にこそ届けて」と軍縮の専門家に切り返されたという。おとといの国際シンポジウムで、本紙の金崎由美記者が報告した情けなくも、考えさせられる話だ▲オーストラリアのエバンズ元外相は昨年5月、「日本は核兵器が大好き」と皮肉った。生物化学兵器などの脅威を念頭に、核の先制使用の選択肢は何としても残したい。「核の傘」にしがみつく日本外交が核軍縮の足を引っ張っていると言うのだ▲昨秋の政権交代後も、この分野での官僚の力は強い。岡田克也外相が先月、核軍縮の有識者懇談会を設けたのもその対抗策だろう。一方で、菅直人首相の諮問機関は非核三原則の見直しを近く求めるという。安全保障についての政治主導が見えない▲見過ごせない動きもある。政府はインドに原発関連の機器を輸出できるよう原子力協定の交渉を始めた。核拡散防止条約(NPT)に加盟しない核保有国への輸出はNPT体制を崩しかねない。野党時代に民主党も反対していた▲先日の会見で、成長著しいインドへの輸出拡大を説いた菅首相の感覚を疑う。ビジネスのために被爆国の責務を置き去りにするのか。6日の平和記念式典に臨む首相にこそ、ヒロシマの声を届けねば。
【潘基文(パン・ギムン)国連事務総長からメッセージ】2010 年原水爆禁止世界大会へのメッセージをお送りできることを嬉しく思います。
みなさんの努力は、世界的な核兵器廃絶支持の大波をつくりだしました。日本の偉大な芸術家、葛飾北斎が昔描いたような、大きく美しい、壮大な波です。
日本からは、3つの団体が集めた核兵器廃絶を求める重要な署名が、今年国連に届けられました。原水協は日本国内と世界中の多くの団体と協力して、600 万をはるかに超える署名を提出しました。日本労働組合総連合会と原水禁、核禁会議も600 万を超える署名を提出しました。また核兵器禁止条約を求める創価学会インターナショナルの署名には200 万人の青年が署名しました。私は、この重要な大義を追求するすべての人々の大きな努力に称賛を送ります。
これらすべての署名は、核兵器のない世界を作る努力にはますます多くの世界市民が参加していることを表しています。私はこの世界的なキャンペーンに参加する人々の数の多さだけではなく、その多彩さに感銘を受けています。非常に多くの国々と異なる文化を持つ、所得レベルも大きく違う人々が、青年も高齢者もともに同じ目的のために手をつないでキャンペーンに加わっています。
みなさんが毎年開いておられる世界大会は、多くの重要な役割を果たしています。世界に対し、1945 年8月広島と長崎で悲劇的に失われた多くの人々の命を想起させています。また、被爆者の困難と、被曝の長期的な影響で苦しむ被爆者を支援する必要性を思い起こさせます。そして大会は、若い人々の間での軍縮教育を促進する方法を探求するのを援助してくれます。
みなさんの献身にお礼を申し上げます。私自身としても、さらに核兵器廃絶・軍縮の仕事を続けていくつもりです。今日の平和記念式典への出席、[核兵器廃絶のための]5項目提案、国連での幅広い外交的努力もその一環です。みなさんとともにこの課題で前進できることを期待しています。これは人類すべての将来の福祉にとって本当に重要なことです。世界大会の大きなご成功をお祈りします。
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