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高齢者差別の継続  「後期医療新制度」中間まとめ

 「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした」という制度の核心部分は、高齢者の大多数を、現役世代とは別勘定の国保に加入させる、ということで残る。
【高齢者差別をこれからも続けるのか――「後期医療新制度」中間まとめ 佐々木憲昭8/21】
【中間取りまとめ案を大筋了承―高齢者医療制度改革会議 8/20 医療介護CBニュース】
【高齢者のための新たな医療制度等について(中間とりまとめ) <案> 8/20】

 中間とりまとめのなかに、「国保から後期高齢者医療制度への移行により、格差は5倍から2倍に縮小し、全国的には多くの世帯で保険料も減少した」とあるが、自民党も当初「7割の人が保険料が下がる」とでたらめの宣伝をしていいた。そのウソがばれ、国民的な反対運動の結果、次々と減免の拡大など改善策の実施に追い込んだ結果であり、制度そのものが最初からめざした姿ではなく、記述として不正確である。

 また、国保が市町村単位の運営で、財政的に安定しない、という論で都道府県単位のとりくみを展開しているが、そもそも高すぎる国保料が問題なのである。加入者が就業と所得の構造が大きく変化しているのに、その手当をしてこなかったことが最大の問題。

 先日の大阪の例を見ても、広域化は、市町村の独自減免などの財政出動をストップさせる手段である。
【国保広域化 狙いは市町村の繰入金全廃と保険料アップ 2010/8】

 国保は国の事業であり、きちんと財政保障する責任がある。

 国保法(新法)の制定された国会審議の解説(「総合社会保障」87/4号 「国民健康保険の歴史」厚生省保険局国民健康保険課 )では
「国民の医療保障を行うことを国の責務とし」と明確にされている。

 1960年の厚生省保険局国民健康保険課編「詳解 国民健康保険」は、国保法第4条1「国は、国民健康保険事業の運営を健全に行われるようつとめなければならない」の解釈についてこう説明している。

 「(これは)国民健康保険の社会保障体系に占めるすぐれた地位を承認し、福祉国家へ歩むわが国の態度を明らかにしたものといえよう。
このような規定は二〇余年前、わが国が一八、一九世紀的な自由主義的市民的法治国家にとどまっていた当時に生まれた旧国民健康保険の中にはうかがうことができない。
 旧法では、国民健康保険は市町村の固有事務として把握し、国はその水準の維持をはかるために必要な援助を行うにとどまり… 新法は、このような旧法に臨んだ国の態度を脱ぎすて、国民健康保険を国自らの事務とし、市町村に保険者として国民健康保険事業をおこなわせるが、この場合、市町村の事務いわゆる団体委任事務と解する」。
   

冒頭の「核心部分」は以下参照
【後期高齢者医療 「医療費増の痛みを自覚させる」と厚労省役人 08/1】
 

【高齢者差別をこれからも続けるのか――「後期医療新制度」中間まとめ 佐々木憲昭8/21】

後期高齢者医療制度に代わる「新制度」を議論している厚生労働省の高齢者医療制度改革会議は、昨日、「中間とりまとめ」を決めました。
 それによると、高齢者の大多数を、現役世代とは別勘定の国民健康保険(国保)に加入させる制度をつくるとしています。
 これは、高齢者を差別して負担増と医療抑制を強いる“後期高齢者医療制度の根幹”を残すものです。
 「新制度」では、サラリーマンとして働く高齢者やサラリーマンの家族に扶養される高齢者は、組合健保や協会けんぽなどの被用者保険に入り、それ以外の約8割の高齢者が入る国保の財政運営は都道府県単位で行い、市町村単位の現役世代とは「別勘定」にするとしています。
 これは、高齢者の医療費が増えれば、高齢者の保険料(給付費の1割に設定)が上がっていく仕組みです。
 高齢者の保険料の伸びが、現役世代の保険料の伸びを大きく上回らない仕組みを設けるとしていますが、その具体的内容は今後の検討課題とされています。
 別勘定の年齢は、75歳以上か65歳以上か。都道府県単位の国保の運営主体を広域連合にするか都道府県にするか。70~74歳の患者負担(医療費の2割と法定され1割に凍結中)をどうするか―なども今後検討するとしています。
 いずれにしても、高齢者差別をこれからも続けようとしていることに変わりありません。

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【中間取りまとめ案を大筋了承―高齢者医療制度改革会議 8/20 医療介護CBニュース】

 後期高齢者医療制度に代わる新たな医療制度のあり方を議論する厚生労働省の「高齢者医療制度改革会議」(座長=岩村正彦・東大大学院法学政治学研究科教授)は8月20日、中間取りまとめ案を大筋で了承した。ただ、委員から文言の修正などを求める声が複数上がったため、最終的な取りまとめは座長一任となった。

 中間取りまとめ案で示された新制度の基本骨格によると、サラリーマンである高齢者や被扶養者は被用者保険に加入し、それ以外の自営業者や退職者など地域で生活している人は国民健康保険(国保)に加入する。国保のあり方については「広域化」の実現を掲げており、運営に当たって、少なくとも75歳以上の高齢者医療について「都道府県単位の財政運営にすることが不可欠」と指摘。最終的に全年齢を対象に都道府県単位化を図る方針を打ち出している。

 この日示された中間取りまとめ案は、7月23日の会合で示された同案に対し委員から出た意見などを踏まえ、修正を加えたもの。
 新たに加わった冒頭の「はじめに」では、高齢者医療制度の変遷や新たな制度を検討するに当たっての原則、議論の過程などを説明。中間取りまとめについて、「一部の委員からは、現時点でとりまとめを行うことは拙速であるとし、様々な点において反対・懸念が示された」と指摘した上で、「委員の意見の大勢をとりまとめたもの」としている。
 また、「国保の運営のあり方」では、段階的に都道府県単位化を図ることにより、当分の間、国保の中に都道府県単位と市町村単位の財政運営が併存することは「やむを得ない」とする一方、「早期に全年齢を対象とした都道府県単位化を図り、簡素で分かりやすい制度体系としていくことが必要」と指摘している。さらに、国の役割について「国保の運営が健全かつ円滑に図られるよう、引き続き、財政上の責任を十分果たしていくとともに、国保間や国保と被用者保険間の調整など各般にわたる支援を行う」と明記した。

 事務局はまた、「中間とりまとめ後に残される課題」として14項目を提示した。
 「国保の運営のあり方」に関する課題は、▽全年齢を対象とした都道府県単位化への移行手順は、期限を定めて全国一律か、合意された都道府県から順次か▽期限を設定する場合、具体的な年限をどうするか▽都道府県単位化の環境整備の進め方(工程)をどうするか▽「都道府県単位の運営主体」をどこが担うか―など。
 「費用負担」については、具体的な財政調整の仕組みや、今後の高齢化の進行などに応じた公費の投入のあり方を検討する。

 次回会合は9月27日に開かれ、14項目の課題について議論を進める。項目別の議論の状況を踏まえ、今秋には財政影響試算が示される予定だ。


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