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「貧困の連鎖」にメス 生活保護家庭へ教育支援 埼玉県 

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 先日、「無料塾」の取組みを取り上げたが、埼玉県が生活保護家庭の中学生を支援する事業(全額国費)をスタートさせる。(図は、埼玉県の説明資料の一部)
【「貧困連鎖」絶て!生活保護家庭の教育支援 埼玉県が全国初 産経7/31】
 子ども・若者支援地域協議会運営方策に関する検討会議では釧路の取組みも紹介されていた。
【 釧路における生活保護世帯の中学校3年生への学習支援をきっかけとした地域実践 内閣府】

 高知県も中学生の学習を中心とした放課後の居場所事業にとりくんでいるが、スクールソーシャルワーカーの配置など家庭への福祉的対応をふくめ、総合的な施策に踏み出してもらいたいし、手立てがとられるものと期待している。

【「貧困連鎖」絶て!生活保護家庭の教育支援 埼玉県が全国初 産経7/31】

 生活保護受給世帯で育った子供が成人後、再び生活保護を受けるなど「貧困の連鎖」が問題化していることを受け、埼玉県は都道府県として初めて、県内の生活保護世帯の全中学3年生を対象に、教育支援事業を実施する。予算額は約1億1千万円。県議会の議決が得られれば、9月からスタートする。
 貧困の連鎖については、関西国際大学の道中隆教授が、堺市理事時代の平成18年に実施した抽出調査で、生活保護を受給する390世帯のうち、過去に生活保護世帯で育った経験があるのは25・1%に当たる98世帯に上ることが判明。母子世帯では、その割合は40・6%に上ることもわかった。記録はないものの、育成歴などから、受給世帯で育った可能性が高い例は他にも多数あり、実際の継承率はさらに高いとみられる。
 こうした調査結果を受け、埼玉県は、県内の生活保護世帯を対象に中学卒業後の進路調査を実施。22年3月の生活保護世帯の中学卒業生817人のうち、全日制高校に進学したのは67・8%の554人。県全体の全日制高校進学率93・5%(21年3月)より25・7ポイントも低かった。また、進路未定は65人(8%)で、県全体の1・1%を大きく上回っていた。
 県は、中学卒業後の進路が、貧困の連鎖の一因になっていると分析。新事業では、教員OBなど約20人の教育支援員を県内市町村の福祉事務所に派遣し、県内の生活保護世帯の中学3年生約800人を対象に教育訪問を行い、養育相談を受け付ける。
また、希望者を対象にマンツーマンの学習教室を県内5カ所で開設。各教室には2人の責任者を置くほか、埼玉大や立教大学など、県内5大学の学生を対象に学習支援ボランティアを募り、特別養護老人ホームなどの会議室を借りて運営する予定。基礎学力の向上と、進学に向けた動機付けのほか、老人施設を使うことで教室に通う中学生たちが社会経験を養うことも狙う。県の担当者は「時間はかかっても、貧困の連鎖を断つためには結局、教育しかないと考えている。地道に取り組んでいきたい」と話している。
 関西国際大の道中隆教授(社会保障論)の話「埼玉県の取り組みは全国でも例がなく画期的だ。貧困の固定化と世代間連鎖は、わが国が直面する非常に大きな課題だが、まだ十分に注目されていない。格差を生み出すのが教育なら、格差を埋めるのも教育ということを忘れてはならない。教育への公共財の投入を増やし、高校の義務教育化も考える時期にきている。奨学金制度の充実も必要だ」

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