ひきこもり70万人 要因は「職場」「病気」「就活」 内閣府調査
約70万人が「引きこもり」〔趣味の時だけ外出含む〕。予備軍が155万人。半数が30代で、要因は「職場になじめなかった」と「病気」23.7%、「就職活動」20.3%がトップスリー。
【引きこもり、推計70万人=半数近くは30代-内閣府調査 時事7/24】
【ひきこもり70万人 予備軍155万人 内閣府推計…3大要因 「職場」「病気」「就活」 読売7/26】
【引きこもり、就職などがきっかけ 30代からも、内閣府 共同7/24】
【内閣府 社会生活を円滑に営む上で困難を有する子ども・若者への総合的な支援を社会全体で重層的に実施するために】
【内閣府 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)概要】
不登校は11.9%であるが、競争的な教育環境、スクールカースト制度のもとで引きこもりとなる人と、それには一応耐えたが、不況のもと過酷な就職活動、成果主義のもとで連帯の消えた職場環境のもとで引きこもりとなる人と、おそらく攻撃的な社会システムの影響という点では、共通しているのではないか。個別項目ごとの支援対策でなく、社会システムの問題として捉える必要があると思う。
また、調査では、家庭での経験という当事者の主観的評価の項目はあるが、経済的貧困、社会的孤立などのかかわりなどもうひとつわかりづらい。
【引きこもり、推計70万人=半数近くは30代-内閣府調査 時事7/24】内閣府は24日、「引きこもり」の実態に関する調査結果をまとめた。それによると、全国の15~39歳のうち、自宅に閉じこもってほとんど外出しない人は推計で69万6000人。職場でのトラブルなどが原因で引きこもりとなるケースも多く、半数近くを30代が占めた。
調査は2月、全国の15~39歳の男女5000人を対象に書面で実施。有効回収率は65.7%だった。
対象者全員に外出頻度を聞いたところ、「自室からほとんど出ない」と答えた人は0.12%、「家から出ない」は0.09%、「近所のコンビニなどには出かける」は0.4%だった。これらを狭義の引きこもりと定義して推計すると、15~39歳の年齢層では全国で23万6000人になる。
さらに「自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」は1.19%で、これを含めた広義の引きこもりは69万6000人となった。
広義の引きこもりのうち、男性は66.1%、女性は33.9%。年齢別では35~39歳が23.7%と最多で、30~34歳の22.0%、20~24歳の20.3%、15~19歳の15.3%の順。引きこもりになったきっかけのトップは、「職場になじめなかった」と「病気」が23.7%で並んだ。
心理状態に関する質問(複数回答)では、「死んでしまいたいと思うことがある」「人に会うのが怖い」がともに35.6%に達した。「家族に申し訳ないと思う」71.2%、「他人がどう思っているか不安」50.8%との回答も多く、現状を何とかしたいという切実な気持ちもうかがわれる。(2010/07/24-10:02)
【ひきこもり70万人 予備軍155万人 内閣府推計…3大要因 「職場」「病気」「就活」 読売7/26】 家や自室に閉じこもって外に出ない若者の「ひきこもり」が全国で70万人に上ると推計されることが、内閣府が23日に発表した初めての全国実態調査の結果から分かった。将来ひきこもりになる可能性のある「ひきこもり親和群」も155万人と推計しており、「今後さらに増える可能性がある」と分析している。 調査は2月18~28日、全国の15~39歳の男女5000人を対象に行われ、3287人(65・7%)から回答を得た。 「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」「普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」状態が6か月以上続いている人をひきこもり群と定義。「家や自室に閉じこもっていて外に出ない人たちの気持ちが分かる」「自分も家や自室に閉じこもりたいと思うことがある」「嫌な出来事があると、外に出たくなくなる」「理由があるなら家や自室に閉じこもるのも仕方がないと思う」の4項目すべてを「はい」と答えたか、3項目を「はい」、1項目を「どちらかといえばはい」と回答した人を、ひきこもり親和群と分類した。 その結果、ひきこもり群は有効回答の1・8%、親和群は同4・0%で、総務省の2009年の人口推計で15~39歳人口は3880万人であることから、ひきこもり群は70万人、親和群は155万人と推計した。 ひきこもり群は男性が66%と多く、年齢別では30歳代が46%を占めた。一方、親和群は女性が63%を占め、10歳代の割合が31%と高かった。 ひきこもりとなったきっかけは、「職場になじめなかった」と「病気」がともに24%で最も多く、「就職活動がうまくいかなかった」が20%で続いた。◆増加に危機感「定義」広げる(解説)
今回の調査は社会的自立の度合いに着目し、「趣味に関する用事の時だけ外出」(推計46万人)とした人もひきこもりに分類した。これを除く「狭義のひきこもり」(同24万人)が、厚生労働省が5月に公表した「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」の26万世帯(推計)に相当するとしている。定義を広くとったのは、今後さらに増えるとの危機感からだ。
調査の企画分析委員の座長を務めた高塚雄介明星大教授(心理学)は「『ひきこもり親和群』は若者が多い。そうした若者が社会に出て、辛うじて維持してきた友人関係が希薄になったり、新しい環境に適応できなかったりして、『ひきこもり群』がじわじわ増える」と警鐘を鳴らす。
内閣府は調査にあわせ、自治体や学校への支援の手引書をまとめた。家庭、学校、地域社会が、人ごとでないとの意識で連携する必要がありそうだ。(政治部 青木佐知子)
【引きこもり、就職などがきっかけ 30代からも、内閣府 共同7/24】内閣府は23日、仕事や学校に行かず家族以外と交流しない「引きこもり」に関する実態調査の結果を発表した。仕事や就職がきっかけとなるケースが多く、30代で引きこもりを始めた人も23・7%に上っており、内閣府は「引きこもりは不登校と結び付けられがちだが、職場での人間関係も大きな要因だ」と指摘している。
調査は2月に、全国の15~39歳の男女5千人を対象に調査員が訪問する方法で実施し、3287人から回答を得た。回答内容から「引きこもり」と認定したのは1・79%で、全国では69・6万人に上ると推計。「自分も閉じこもりたいと思うことがある」と答えるなど、引きこもりに一定の理解を示す「親和群」も3・99%、全国で155万人とした。
引きこもりのきっかけ(複数回答)では、「職場になじめなかった」と「病気」がそれぞれ23・7%で最も多く、「就職活動がうまくいかなかった」の20・3%が続いた。「小中高校で不登校」は11・9%、「大学になじめなかった」は6・8%にとどまった。年齢別では、10代が33・9%、20代が38・9%だった。
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