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子どもの虐待と社会的支援 備忘録 

 「住民と自治」2010.7の特集からの備忘録。津崎哲郎/山野良一両氏の論文と、埼玉・東京の現元児童相談所長の聞き取りの3本。
 圧倒的な人手と財源不足。同一機関が介入と支援を行うことからくる問題の改善、経済的困窮・社会的孤立など新自由主義が推し進めた「虐待の構造」へ働きかける課題など・・・コンパクトな好企画。
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【子どもの虐待と社会的支援 】 
  津崎哲郎/山野良一  「住民と自治」2010.7

Ⅰ.子どもの虐待の背景と社会的支援の基本的課題  津崎哲郎・花園大学教授

◇はじめに
・児童虐待防止法 独立法として初めて制定が2000年 /欧米に比べ格段に浅い歴史。がすでに二度改定
→ 理屈的にはどんなケースにも対処できる形が整ったが、機能していないゆゆしき実態。その課題に向き合うのが本特集の意義

1.社会的養護問題の動向
・著しい子どもの減少に反比例し、社会的養護を必要とする子どもの増加 /以前は、子どもの数に比例すると言われていたが、この20年、完全に逆比例している。
・社会的養護が必要な子どもの数を表す基本数値は、児童相談所が受け付けた養護相談
 90年24919件 08年85274件/その数値に連動し、一時保護の人数も増加、児童養護施設の在籍子ども数、児童虐待などが増加。

・子どもの虐待だけが単独で増えているのでなく、子どもそのものの養育に密接にかかわり、その困難さの拡大現象として捉える必要がある。
→ 少子化で、1人2人の子どもを育てる家庭が広がっているもとで、その子どもを家庭で育てる困難さが広がっている/ この認識を持つことが大切
→ 個々の家庭の子育て機能の衰退とともに、家庭をとりまく親族、地域による家庭のサポート機能の弱体化があり、それが家庭の子育て機能を一層弱体化させている可能性がある。

2.子ども虐待の家庭背景
・子どもの虐待の位置づけ/子育て機能の全般的な弱化現象を背景に、その集約的かつ典型的問題の現出事象/全般的な家庭に平等の負荷として作用しつつ、特定のハンディを抱える家庭で増幅した形で作用

・家庭的背景に多くの共通要因
①生活の経済的困窮 ②家族の社会的孤立 ③親の精神・人格的な未熟性/ そこに他の付加要因(ステップファミリー〔連れ子再婚〕、養育の分断〔施設などからの引取り〕、1人親家庭、夫婦不和、育てにくい子など)が重なるとリスクが格段に高くなる
 → これらの要因が密接に絡み合って連鎖、構造化し、日常生活の歪みを生じさせて親のストレスを高めつつ、その鬱積が弱者たる子どもに転嫁させる構図として、虐待が生じると捉えることが大切。
・この認識にもとづけば、親への単なる見守り、簡単な助言や注意で解消できると考えるのは妥当ではない。

☆が、子どもの虐待支援は、この構造への計画的な働きかけになっていない。/結果として関係機関が関与しながらも、虐待を防止することができず、無念の死にいたるケースがあとをたたない。

3.虐待要因の広がり
・虐待件数は、90年以降、前年を下回ったことはない/ 取組みのひろがりによる現在化現象もあり、必ずしも増加したと言い切れないという考えもある。その一面もあるが、虐待を発生させやすい要因が広がっていると捉えることがより正確で大切ではないか。/基本的因子を見てみると・・・

・生活の経済的困窮/ 近年の政策誘導で貧困の裾野は確実に拡大している。
・家族の社会的孤立/ 地縁・血縁の希薄化。都市化、集合住宅の拡大
・親の精神・人格的未熟さ/ 体験や経験の蓄積としての人格の成熟が、擬似的、操作的体験にすり替わる。
・加えて、ステップファミリー、ひとり親家庭は、離婚・再婚の増大でひろがっている。
→ 子ども虐待を増加させやすい要因が軒並み広がり、逆に防止する要因を探すことは困難である。/この事実を踏まえれば、社会的矛盾の最も集約した形として、深く静かに進行していると捉えることは間違ってないだろう。

4.家族への社会的介入
・戦後日本は、戦前の反省から家庭内問題への法的や公権の関与を徹底して排除してきた(民事不介入)
→ 子どもの虐待、DVなどに、警察や行政機関が積極的に関与することは稀であった。/そこでは唯一親族や知人などの第三者が、インフォーマルにトラブルの調整機能を果たすことが暗黙に期待されてきた。

・都市化や核家族化の進展で、親族・近隣との関係が希薄化/ 家庭は密室と化して調整機能は全く働かなくなる/ 家庭は孤立した無法地帯となり、家庭内強者が家庭内弱者を一方的に力で支配する事態が蔓延。
→ このため「民事不介入」の原則を改め、民事介入の手続きを制度化した法律が2000年の児童虐待防止法/ 同法は、当人の申請を関与の前提としない。まわりからの発見と通告を関わりの端緒とし、相手にニーズがなくても行政が積極的に介入する仕組みが敷かれる/01年DV防止法、05年高齢者虐待法が成立

☆家庭内問題への関与とその解決は、時代の変化に沿って必然的に生じた新しいテーマ /従来の申請にもとづく一定のサービス提供とは全く質を異にするもの。
→ 対象者は往々にして援助を拒否する傾向があり、従来のケースワーク、カウンセリングが通用しない全く新しい枠組みと援助のノウハウを必要とする極めて困難度の高い問題をはらんでいる。

5.虐待家族の再生
・多問題を抱え機能不全に陥った家庭を、どのような仕組みと手法で再生させるべきであるか。/現在のわが国の援助の基本構図 
→ 児童相談所と市町村の二元体制 /困難度の高いケース、行政権限の発動を要するケースは児童相談所 /比較的軽い在宅での援助が適当とされるケースは、市区町村が「地域ネットワーク」(要保護児童対策地域協議会)を活用して援助する。/市区町村の技術的支援とバックアップは、児童相談所の役割

・しかし、人員の十分な補充体制やその育成がなされないまま、矢継ぎ早に行政の役割が拡大された
→ 24時間の対応、通告から48時間以内の目視による安全確認、必要に応じた立ち入り調査、子どもの職権一時保護、子どもの施設への入所措置、施設入所児のフォローと親への対応、親子再統合の調整、親の改善指導、在宅ケースの指導と定期的チェック、施設内虐待への対応などなど
→ 結果として援助機能の破たんを来し、表面的な関わりに終始し、内容の改善にまで届いていないのが実態

・取組みの先進国アメリカの例/行政が介入的に家庭に関わる → 裁判所が対応。親、子どもの双方に代理人となる弁護士をたて、行政の主張も聞きながら事態を把握し、必要に応じ司法命令として具体的改善策を提示(アルコール依存の治療命令、ペアレンティングなど育児プログラム受講命令など)/親への具体的サービス提供は民間機関 
→ この点、日本の裁判所には機能がない。民間も育っておらず、行政だけで介入と支援双方を引き受け、介入後に生じるトラブルが、親の支援を一層困難にする悪循環に陥っている。

6 制度改善に向けて
・子どもの虐待を ①家庭の養育機能の弱化 ②多問題から生じる集約的矛盾の発露 という2つの要素でとらえると、援助も2方向からが必要
→ ①は、社会政策として家庭養育機能のサポートの整備 ②は、多問題に切り込むための有効な援助的取組み

・紙面の都合で、後者②についてだけ言及する
→ 裁判所の関与を多くの関係者は望んでいるが、その見通しがないもとでの筆者の提案は…
①現制度の最も大きな矛盾は、介入と支援を同じ機関が行うことの困難 /その解消に、緊急介入や夜間・休日などの介入は警察がより積極的な役割を果たす。/行政はより福祉的役割にウエートを置くことにより、親との摩擦が今より減少する可能性が生まれる。/親と行政が対立したケースには、第三者の調整機能を新たにセットする(不服申し立ての部署に役割をもとせる。)。
②改善プログラムの実施では、民間サービスを育成し行政との協働体制を整備する。

Ⅱ 子どもの虐待か問いかけるもの ――児童虐待防止法10年の到達点と私達の課題
 山野良一

◇虐待問題について
・これまでの経験から「虐待する親も、社会の中で被害者である」と言える。社会の中で虐げられ弱い立場に置かれている人たちが、自分が社会から受けてきた痛みを弱いものに向ける、という社会のひずみの連鎖
・虐待は、犯罪であるが、社会的弱者である親は厳罰化しても本質的には変わらない。時間をかけ一緒に考えてあげるほかない。/貧困家庭は、親族の援助がない場合が多く、近所のつながりがなく孤立している。
・新自由主義で「買う福祉」「福祉の普遍主義化」を自民党が促進してきたことが原因/ 福祉自体が格差をひろげている。その点を問い直し、子育ての条件をトータルに整備しないと虐待は減らない。

◇児童虐待問題と法制度の整備
①2000年、児童虐待防止法誕生
・私達が待ち望んだ法律 /それまで厚労省は通知を出しているので対応できるとの見解だったか、子どもの保護を家庭裁判所に申し立てる制度(児童福祉法28条)はあっても現実には活用しにくかった。保護者が自分で相談に来ないと受け付けない。しかし虐待の援助は、親からはなかなかでてこない。/また虐待は日本にはない、という否認が児童相談所の中にもあったが、通報が増える中で変わってきた。

・法は画期的なもの/ 児童虐待の定義を行った。学校などで守秘義務が壁になっていたが通告義務が上だと整理した。立ち入り調査も「おそれがあるとき」とした。警察との連携や、親の面会・通信の制限についても規定し、動きやすくなった。
→ 議員立法で誕生したが、提案したのが国会の青少年特別委員会(非行問題を扱う)で、子どもの権利の視点が出てきた法律ではない。

②2,004年の法改正
・04年の同法と児童福祉法の改定。/評価は微妙な部分がある
・市町村を児童虐待の相談の「第一義的な窓口」とした点 
→ 市町村は、通報をうけたら、独自に対応しなければならない。/児童相談所との二重行政となった。

・それまで予防の観点が抜けていたが、市町村を窓口にしたことで、保育所の優先的な使用、保健師が育児支援をおこなえるようになったのはプラス面 
・ただ市町村の格差が大きい。児童相談所は、職員の配置基準があるが、市町村には何の基準もない。/やる気らも左右されるし、子どもを保護する施設や権限をもっていない。専門性についても保障がない。
・いま、どちらが、そのケースをやるのか押し付けあいが日常的に起こっている。

③08年と09年の法改正
・08年児童虐待防止法改定
・児童相談所の権限強化/親の出頭要求や臨検、捜索など… 事例としても数えるほどで、ほとんど意味がない。
・児童養護施設など社会的養護の充実の方向付け/しかし、職員配置基準は80年代から子ども6人に1人で変化なし → 欧米ではほとんど1対1。トラウマの中にいる子どもたちには、集団の中にいること自体が二次被害にあたることもある。/厚労省は「地方分権だから地方自治体がやればよい」のひと言。
・保護するための方策はつくっても、保護したあとどうケアするか、保護しないためにどうサービスを充実するか、がない。

・08.09年児童福祉法改定 大きな点は2つ/市町村の養育支援訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業など)。施設内虐待防止の打ち出し(ただし職員数増はともなっていない)

◇虐待対策の到達点と今後の課題
・法的な整備はすすんだが、条件整備は後手後手にまわっている。
→ 子どもの命が助かればそれでいいわけではない。多くの子は保護された後も、親のことを思っており、単に親と離せばいいわけではない。/子どもが十分に成長できる生活環境が施設の中にないといけないが、その整備はまだまだ。

・アメリカには集団養護の施設はない(筆者はアメリカで3年、児童虐待問題にかかわった)。代わるのはもっぱら里親。/日本では「家族再統合」といって、家に戻ることを優先するが、アメリカでは、子どもの成長を考え、2年で見切りをつけて、養子縁組し里親にまかせる。/日本では、強制的に分離された子ども達が何年も施設にいるケースがある。/場合によっては、里親を使うとか親権を整理することが次ぎの課題となる。

☆日本には子育てのためのセーフティネットの機能がほとんどない。
→ 保育所と生活保護くらい。/今年の「卒業クライシス」の取組み…授業料がはらえなくて卒業できない子どもに、生活福祉資金貸付を使えるようになったが、1ヶ月で1千が利用。/ごく普通の家族が、失業や不景気で、卒業危機に追い込まれる。/保育料などの減免も市町村でばらつきがある。周知も不徹底だったりする。

・虐待ケアも親の中には子どもの養育の仕方がわからない方がいる/家庭訪問して、半日単位で親と付き合い、掃除や食事・ミルクの与え方など一緒にやる・そこまで踏み込んだケアが必要。
→ それでもコスト的に施設への入所よりも安くつく。/社会投資的に考えても、リスクがある家庭に、乳幼児期など早期に介入しケアしておく方が、思春期以降に問題が生じ介入するより、コストも安く効果も高い。

・市町村に「要保護児童対策地域協議会」の設置が義務づけられたが、ほとんどうまく機能してない。
→ 原因の1つは、出席しているのが管理職レベルばかりだから。コミュニティ、小中学校レベルでつくらないと意味がない。/家族の養育力が落ちていると言われるが、もともと家族だけで、子育てという大仕事をやることは不可能で、それは今も昔もかわらない。
→ そうではなく、実は地域や親族の援助の力が落ちている。/貧困家庭ほどその影響を強く受けている。/地域、親族の相互援助の力が復活するように支えるのが、要対協などによる子育て支援の最も大切な点。/自治体が子育て支援に力点を置くよう、住民がもっと声をあげるべき。

☆子どもの貧困の視点から捉える
・北欧では子育てにお金をかけている。それが労働力、生産能力にもつながっていく。/日本は、明治の学制以来教育に投資して発展してきた。それが今失われ、子育ては家族でやりなさいとなっていないか。
→ 子どもは社会の中で一番大きな資源
・日本/ 失業すれば、手当は十分でなく、先も見えない。セーフティネットが欠けている → そのストレスが子どもに向けられる。/ストレスを子どもにむけない親の努力をそぎおとす社会
→  その意味で筆者は「社会的虐待」と呼ぶ

・雇用問題が大きい/ 終身雇用制のくずれ。女性の年齢別雇用率はM字型から台形に近づいているが、増えたのは非正規雇用。子育て中の20、30代が多い。女性が非正規雇用の場合、男性が失業すれば一気に貧困に陥る。
→ 乳幼児の貧困率がすごく上がっているが、若い人が非正規労働者となり、貧困率が上がっているから。/その影響が、10年20年後に出てくる。/景気がよくなっても二極分化がすすみ、非正規雇用はへっていな。
→ 子どもの虐待を減らすには、子育てのためのセーフティネットの充実をはかっていくことが、遠回りてばあるが、一番の近道。

Ⅲ 児童相談所 第一線の苦悩  
 元埼玉県川越児童相談所長、東京都北相談所長からの聞き取り

◇絶対的な人手不足
・児童相談所/(虐待含む)養育、障害、育成、非行、保健など18歳未満の子どものあらゆる相談をうけつけている。/全国201ヶ所(09年5月)。年間約36万件の相談(うち虐待は4万件、12%)
・児童福祉司2428人、児童心理司1066人(09年4/1)/児童福祉司の担当ケースは平均107。
→ 東京では100-150ケース。丁寧に対応できない、施設や学校への訪問もなかなかできない、電話がひっきりなしにかかる。「自分が3人ほしい」の心境。担当している施設入所児童にも年1回会うのがやっと。/欧米は20。カナダでは里親等で生活している子どもに3ヶ月に1回の面接が義務づけ、オンタリオ州(1200万人)には、7000人のSWがいる。/東京、データをすべてシステム入力、事務処理、会議がこの間膨大に拡大。児童表のまとめと決済、他機関への情報提供、家裁からの調査依頼、都の児童福祉審議会への諮問や家裁への施設入所の審判申し立てなど法的対応文書作成、施設利用料の徴収、市区町村の連絡と要対協への出席、1つひとつのケースについての関係者会議など。3年前から、家庭復帰支援のための親子交流など再構築する事業も加わった。
/埼玉では、死亡事例最多県として48時間対応がルール化され多忙に拍車。夜8時9時までの残業が常態化、休日出勤も少なくない。新採職員が病気で半年で退職したり、耐え切れず早期退職などが珍しくない。

◇2つの顔を使い分けて
・虐待死亡事例で、マスコミに叩かれたこともあって、親子分離に躊躇しなくなった。/虐待対応は「父性的なケースワーク」と言われる介入的な職務。面会通信制限、出頭要求、臨検、捜索と権限は強められてきた。/その結果、保護者と対立し脅かされた、暴力を振るわれた、知事・大臣に訴えられた、「死んでやる」と電話がかかるなど(メモ者 相談者の二次被害 ハーマン「心的外傷と回復」)。家庭訪問は原則二名で行く。
・他方、保護して終わりではない/ 家庭復帰、親子の再統合も支援する。
→ もともと児童相談所は、親子の困難に寄り添って一緒に問題の解決を考えるのが役割。今はハードな対応とソフトな対応との使い分け、その両面の混在したストレスの中で職員が苦しんでいる。/カナダでは、親子分離に警察、裁判所がかわっている。/ 全国児童相談研究会として意見書を提出

◇最不人気職場
・職員の採用には自治体でばらつき。埼玉は、専門職として採用、かつては事務職との混在
・ケースワークを組織して支えるスーパーバイザー(助言者、教育指導者)の散在も重要/ 東京では児童福祉司12人に1人、神奈川は5人に1人。アドバイスや訪問・面接に同行 /心理判定やカウンセリング、家庭復帰ケアを担当する児童心理司も役割増加に人員が追いついてない。
・人員不足対策にキャリア雇用…東京の例/ 三年の有期雇用。家庭復帰など新規事業は、ほとんどが非常勤職員で対応。/ある児相…28人の職員のうち5人が一年契約。/全体としての職員の高年齢化。長期的人事政策がない。

◇施設は「野戦病院」
・緊急に子どもを保護する一時保護所も圧倒的に定員不足/ 東京では6ヶ所の施設は常時100%を超え、多いときは130%。学齢の女子は200%を超えるときもあった。/非行のケースはやむを得ず自宅で待機も。
→ 定員過剰は、ずっと施設内で生活するため、ただでさえ精神的に不安定な子どもにとって大きなストレス/「定員を超えた場合、学習室などに布団を敷いて居室に転用する。まるで野戦病院」(産経08/5/12)
・一時保護所が一杯になるのは「出口」にあたる児童養護施設などが足りないことも一因。/埼玉では3ヶ所の県立含め21ヶ所の施設があるが、不足。県は積極的な整備計画はない。児童養護施設も「野戦病院」状態
・心的な課題のケアの必要な難しい子どもの増加/パニック、他傷、会話がなりたたないなど → しかし、指導員、保育士の配置基準は、1976年から学齢児6人に1人でかわってない(後退勤務を考えると18人に1人。カナダ 子ども6人に職員7人)
・近年、家庭的養護、個室化の必要性が社会的養護のあり方が示されたが、個別的ケアに必要な人手の配置は改善されないままで、禁止されている「断続勤務」までして耐えているのが現状

◇まとめにかえて
・現場には、やるべきことが山ほどあるのに、人も施設も養育支援サービスも量・質ともに圧倒的に足りない/ 子どもの権利条約に反するような施設の改善、欧米に比べ一世紀も遅れてしまいそうな里親委託率の改善も急務
(メモ者 医療、教育が基本無償、多様な手当てのあるヨーロッパとは、里親になるリスクが違う)
・虐待死事件が報道され、法制度の整備や新たな課題を矢継ぎ早に打ち出してきた国だが、裏づけとなる職員配置や財源保障についてはご後手後手にまわっていることを強調したい。


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