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まるでバナナの叩き売り 民意削る定数削減

 議員定数削減について、マスコミの中からも懸念の声などがではじめている。一票の格差是正ふくめ民主主義のあり方として議論すべき問題である。
【民意を削る 愛媛新聞・地軸 7/1】
【社説:議員定数削減 選挙制度を含め議論を 毎日7/3】

 愛媛新聞のコラムは、すでに「小さな議会」になっていることもふくめ「民意を削る」とズバリ書いてある。
 (ただ、320億円の政党助成金にはふれてない。これを廃止するのが一番効率的)

 衆院で比例定数を80削減したら、議席の95%は、自民と民主になる。
 【対立軸なお見えず 参院選挙戦折り返し 共同7/2】
 法人税減税でも、消費税増税でも、普天間基地問題でも・・・内容上はほぼ一緒の「翼賛政治」ができあがる。
財界は喜ぶだろう。

  先の総選挙にあてはめれば民主が議席の約7割を占め、参院が否決しても再議決(2/3以上)が1党で可能となり、「一党独裁」状況ができる。

 「まるでバナナの叩き売り」のような議論が、どこに通じていくのか・・・以下のような点も含めきちんと議論すべきである。
 【小選挙区制で子どもの貧困、世襲議員が増加 09/2】

【民意を削る 愛媛新聞・地軸 7/1】

 「120人削減」。いや「3年後に1割、6年後に3割削減」。もっと大胆に「半減」―まるでバナナのたたき売り。参院選のマニフェスト(政権公約)で、各党は国会議員の定数削減を競い合う▲
 身を削る覚悟はよしとしたい。この20年、国民はリストラや賃下げの痛みに耐えてきた。財政難の折、議員だけ地位が守られるのは公平ではない、負担増を唱える前に範を示さねば、との理屈は一見、筋が通る▲
 だが本来、政治は全国民がかかわるのが理想だ。1億2751万人が集まれる議場がないから、代表を国会に送る。定数を決める客観基準は人口比だ。いざ減らすとなると、人口が少ない地方の選出議員から削られる▲
 すでに日本は「小さな議会」である。衆院、参院合わせて722人。人口10万人当たりの議員数は0・57人で、世界の主要国と比べて格段に少ない。米国の議員数は日本よりも少ないが、州政府が高度な自治権を持つ▲
 国会の定数問題は、1票の格差や地方分権と合わせて考えなければならない。そもそも国会は何を代表するのか。有権者数は男性よりも女性が多いのに、衆院議席に占める女性議員の割合が11・3%にとどまる。根源的な公平性に政治は鈍感だ▲
 議員削減は、民意を削る荒療治。それよりもサラリーマンの平均年収並みにまで歳費を削った方が、国民の共感を得られるのではないか。

【社説:議員定数削減 選挙制度を含め議論を 毎日7/3】

 衆院定数など国会議員数の削減論議が争点のひとつとなっている。菅直人首相は実現に向けた関連法案を、早ければ選挙後の臨時国会に提出する意向を示した。
 主要9党のうち6党が定数削減を公約に掲げるなど、削減数を競い合っている様相だ。議員自ら襟をただす姿勢のアピール合戦と言えるが2大政党化をどこまで徹底するかも含め、選挙制度のあり方と並行して議論する必要がある。

 現在の定数は衆院480、参院242の計722だ。民主党は衆院で比例代表の定数80、参院は区分を示さず40程度の削減を掲げ、自民党は衆参定数を3年後に1割、6年後に3割削る案を公約に盛る。他党もみんなの党の場合、衆参合計で322の削減を主張している。
 民主党は選挙後の税制抜本改革論議をにらんでいる。衆院議員1人あたり年間の歳費・期末手当や立法事務費、文書通信交通滞在費の総額は約4100万円だ。07年の政府答弁書などでは国会議員1人あたりに要する年間経費は約3億円との試算もある。自ら身を削ることで、国民の理解を得る狙いがあるのだろう。
 だが、衆院定数の大幅削減を論じるならば、どんな選挙制度と政治の将来像を描いているかという要素は無視できない。

 民主党の主張通り衆院比例定数を80削れば定数は小選挙区300、比例代表100となる。少数政党は従来以上に議席を得にくくなり、2大政党化に拍車がかかることが予想される。このため民主党の積極姿勢については、選挙後の連立組み替えなども視野に入れた少数政党への揺さぶりとの見方もある。
 一方、少数政党からは自らの存立基盤を脅かす比例定数の削減に反対したり、小選挙区制の見直しを求める声が目立つ。実際に削減論議が動き出せばこうした利害関係が絡み合い、激しい対立を呼ぶことは確実だ。さらなる2大政党化か、それとも多党化を志向するか、各党は立場を明確にしたうえで議論にのぞまなければならない。
 また、これとは別に衆参両院は「1票の格差」是正という課題に優先して取り組む必要がある。選挙前に各党が「削減」を大合唱したからといって、すんなりと議論が進む状況とは思えない。

 日本の衆院について言えば、人口あたりの議員数が欧州諸国の下院などに比べ決して多いわけではない。歳費に見合う仕事をさせるなら、国会の閉会期間の大幅短縮なども課題だろう。単純な経費削減ではなく、議会の質を向上させる方策を多角的に論じるべきである。


【対立軸なお見えず 参院選挙戦折り返し 共同7/2】
 参院選投開票に向けた各党選挙戦は後半に突入したが、民主党が自民党と同じように消費税率引き上げや日米同盟重視を掲げる「現実路線」に旋回したため、二大政党間の対立軸はかすんだまま。自民党は菅直人首相の“抱きつき戦術”を振り払おうと衆院選マニフェスト(政権公約)の修正問題を突くが、がっぷり四つで組み合える土俵づくりに腐心している。
 昨年の衆院選公約に消費増税を明記した自民党は今回、「税率は当面10%」と踏み込んだ。民主党は参院選公約で「消費税を含む税制抜本改革」との表現にとどめたが、首相は記者会見で「自民党の税率10%を参考にする」と明言した。
 経済成長戦略も似通う。衆院選で民主党は家計への直接支援を通じた内需拡大に伴う成長を主張。自民党は大規模な経済対策による成長を訴えた。だが政権交代後、子ども手当などの財源確保で難航。民主党は法人税率引き下げによる企業支援にも力点を置く。
 米軍普天間飛行場移設問題をめぐる鳩山前内閣の迷走で日米関係がぎくしゃくしたことを受け、民主党の参院選公約では、日米同盟を基軸とする姿勢が際立つなど外交・安保分野でも自民党に近づいた印象は否めない。

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