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「学童保育」の現状と「地域主権改革」の示す未来

全国学童保育連絡協議会の政府への要望書。「国の枠付け、義務付けをなくす」という「地域主権改革」の行き先は、国の最低基準がない今の学童保育の状況と言える。いや、要望書を見ると、もっと深刻になる。
【公的責任による学童保育制度の抜本的な拡充と予算の大幅増額を求める要望書 厚労省宛】
【「放課後子どもプラン」に関わる要望書 文科省宛】
【国としての学童保育制度の拡充を求める要望書 内閣府・地域主権担当あて】

“長妻氏は年金記録問題で名をはせた。ただ、厚労行政の手腕には当初から「未知数」の評がつきまとう。
 「子どもの昼寝に敷布団が必要か? 床に直接寝かせればいい」。長妻氏は担当部局と保育所の設置基準面積の緩和を議論した際、そう言い切ったという。子どもを床に雑魚寝させれば1人当たりの基準面積を小さくでき、その分保育所を増やすことができるとの趣旨だった。出席した幹部はみな、あっけにとられた。”
(子ども手当:「満額」に異論噴出 黙り込んだ長妻厚労相 2010/5/23毎日新聞)

 こういう感覚で進められている、というのは「子ども・子育て新システムの基本制度案要」「地域主権戦略大綱」を見るとよくわかる。


要望書から抜粋

◆内閣府あて 「地域主権」「補助金廃止による地方への一括交付金」になった場合、現在の学童保育制度には、「市町村の責任は利用の促進の努力義務にとどまっていること」「奨励的な補助金であること」「最低基準がないこと」などの問題点があるため、市町村が十分な学童保育施策を実施する担保がありません。 これまで以上に、「地域格差」「絶対的貧困」が拡大される恐れがあります。どの市町村でも一定水準の学童保育が実施できるように、国としてのナショナルミニマムを保障する最低基準と予算措置をしてください。
◆厚労大臣宛 1 【学童保育制度の改革に関する要望】 児童福祉法を改正し、市町村の実施責任を明確にして、運営の安定性・継続性を保障する制度に拡充することを要望します。 (1) 児童福祉法を改正し、学童保育を児童福祉施設として位置づけ、「公的責任」「最低基準」「財政措置」を明確にしてください。 国および地方自治体の「公的責任」を明確にして、学童保育の「最低基準」を定め、財政措置が法的に明確になるように、児童福祉法および関係令を改正してください。その際、現在の児童福祉事業(第6条の2)としての位置づけを見直し、児童福祉施設(第7条)に位置づけることを要望します。また、学童保育の対象児童を現行規定の「おおむね10歳未満」から、「学童保育を必要とする小学生」としてください。

(2) 市町村の実施責任を明確にした制度としてください。
市町村の責任を「利用の促進の努力義務」にとどめることなく、「必要としている児童が入所できるよう条件整備を図ること」を義務づける制度を要望します。実施形態を問わず、必要としている子どもすべてが入所でき、安全で安心して生活できるように、国および自治体が責任をもって学童保育を保障する仕組みを要望します。定期的に指定先を見直す指定管理者制度の導入や、倒産・閉鎖という事態がありうる民間企業の参入など、事業の安定性・継続性が確保できない制度にはしないでください。

(3) 学童保育の継続的・安定的な運営が妨げられる方向の制度改革はやめてください。
社会保障審議会少子化対策特別部会に厚生労働省が示した以下のような今後の方向性についての考え方は撤回してください。
①量的な拡大を図るために、整備水準を低くする「場所の確保、予算、人材確保などの事情によって基盤整備が抑制されることのない仕組み」とするという考え方はやめてください。
②「個々のニーズに対応した提供が保障される仕組み」「費用を支払う仕組みとして、客観的に一定の基準を満たす事業者については、対象とする仕組み」「個々人に対応する給付を行う仕組み(その場合、市区町村が放課後児童クラブに係る給付の必要性・量を判断する)」によって、事業の安定性・継続性が損なわれ、市町村の責務を「提供体制確保」にとどめるものになってしまう「介護保険制度」などでも採られている仕組みはやめてください。
③「子どもの健全育成の観点から、就労家庭の子どもか否かにかかわらず、全ての子どもが身近に利用可能な一定の場所、共通のサービスの提供を充実し、新しい制度設計上もそうしたことを考慮して制度的な位置づけを行うことが考えられる」という考え方はやめてください。

(4) 国の財政措置が強化される制度としてください。
① 国の補助金制度としては、現在の奨励的な補助ではなく、市町村に対する国庫負担金とする制度を要望します。
② 国の補助方式は、利用者に対する個別補助(個人給付)にしないでください(子どものための施設として最も必要な運営の安定さが確保できません)。

2 【学童保育の最低基準に関わる要望】
学童保育の質の確保のために、「最低基準」を定めて、条件整備を図ってください。
(1) 学童保育施設は、最低基準を決めて「生活の場」にふさわしく整備してください。
学童保育施設は、適正規模の設置基準を定め、また、学童保育の専用施設の設置を基本として、児童館や余裕教室、その他の公共施設など地域の社会資源を活用して施設を確保できる制度を要望します。

(2) 指導員の配置基準を決めて、常勤配置ができる制度を要望します。
指導員の確保のためには、人数配置・勤務体制・勤務時間・待遇などについて、現在の劣悪な条件の抜本的な改善が必要です。「地域ボランティア」「定年退職者」などの活用ではなく、専任・常勤の指導員を常時複数配置できるよう、指導員にかかわる配置基準を定め、常勤配置ができる財政措置を伴った制度を要望します。

(3) 指導員の公的資格制度を創設し、養成機関を整備してください。 
指導員を継続的・安定的に確保できるよう、指導員の公的資格制度の創設と、養成機関の整備を要望します。

(4) 「最低基準」を定める際は、現在ある学童保育が切り捨てられないよう、全体の底上げを図りつつ定めてください。
学童保育は保護者などがやむを得ず自らの努力で条件整備を図りながら運営している場合も少なくないため(全体の約3割)、そうした学童保育でも行政による条件整備を図りつつ最低基準を満たせるようにしてください。

(5) 学童保育の質の確保のために、学童保育の保育指針を策定してください。
保育指針の策定にあたっては、大綱的なものとし、地域や学童保育の状況に応じた運営や保育内容として充実するようにしてください。

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