高知 選挙公報を読む 主要4者の主張から
全世帯に配布される選挙公報。宣伝物をつくる立場から言えば、「○○を大事にする」「○○を元気にする」など抽象的スローガンではほんど違いがわからない。が、「語られてないこと」にこそ、真実がある、という目でみれば、違いが鮮明になってくる。
また、それはチョッと言う資格ないんじゃないか、ということも含め整理してみた。
(もう一人無所属の人がいるが、来春の県議選の足場として、出馬した公言しているので対象としてない)
◆国のあり方、展望を語っているか
・「高知がやらんでどこがやる」(自民)「高知から安心できる日本を再生します」(民主)、「高知から日本を変える。高知をもっと元気に」(無所属)と、県議選かと見まちがうな見出し。
時代の転換期・・・経済のあり方、財政、外交など国政の展望を語ることが、求められているのではないか
・日本共産党は、大企業だけ栄え、国民が貧しくなった社会の転換と「成長戦略」、普天間基地の無条件撤去、憲法九条が生きる国づくりと、国のあり方、展望を打ち出している。
◆消費税増税と財政論 他はムダ一掃というが中身なし
・自民は「ムダを削る」というだけで、何がムダがわからない。そのうえで「税制抜本改革」とあいまいな表現で消費税増税を主張。
・民主も「ムダを削る」というが、例示しているのは「国会議員の定数削減」だけ。
比例定数を削減し、一党独裁を狙う方向だけが明白。党首が10%といっている消費税増税には沈黙。
・無所属は、財源問題になにもふれてない。
・日本共産党は、大きな見出しで「くらしと営業を破壊する消費税ノー」と主張。
財源論では、大企業と大資産家への減税の見直しとともに、思いやり予算など5兆円の軍事費の削減、政党助成金の廃止と明確にしている。
☆「ムダ削減」と言っても、高齢者医療がムダと言った人もいる。
たとえば、みんなの党の代表の親父さん。
92年3月5日の衆院予算委員会で、大蔵大臣だった渡辺美智雄氏は、高齢者医療は「枯れ木に水を注ぐようなもの」と答弁している。
そうした流れで出てきたのが「後期高齢者医療制度」。日本共産党は、最初から反対した。
株の儲けには何十億円もうけようが10%しか税金がかからない証券優遇税制(自、公、民主が推進)をもとの20%にするだけで1兆円の財源。高齢者の医療費無料化は可能。
何がムダかを言わない「ムダ削減」は、ゴマカシと思っている。
◆農業振興 価格保障、輸入規制は・・・
一次産業が基幹産業の高知。誰もが重視すると言う。
「農林漁業を成長産業として位置づける」(自民)、「小さくてもやる気のある農家を応援」(民主)、「農林水産業を魅力ある職業とする」(無所属)と書いているが、どうやって? 価格保障制度や輸入規制など具体的内容はまったくなし。日本共産党は明確に主張。
◆後期高齢者医療制度、障害者の応益負担の廃止は・・・
「年齢で差別」「姥捨て山」と大きな怒りを呼び起こした後期医療制度。障害を自己責任とし、生きることに必要なサービス「益」ととらえた自立支援法・・「構造改革」路線の象徴ともいえるこの制度をどうするのか?
「廃止」と主張しているのは日本共産党。他の人は言及なし。
◆「給付型奨学金」の意見書(県議会)に反対しながら「創設」と二枚舌
・自民の人は、県議であった昨年9月議会で日本共産党と緑心会が提出した、返済の必要のない給付型奨学金制度の創設をもとめる「教育の機会均等を保障する奨学金制度の拡充を求める意見書」に反対している。なのに「創設」と主張。県民をだますもの。
・他にも 就学前教育の無料化、子どもの医療費無料化、学校給食の無料化を言っている。「構造改革」で格差と貧困を拡大しながら、よく言うよ、という気はするが、今後の運動にとっては「使える内容」である。もう彼らに反対する資格はない。
かつて乳幼児医療の無料化を日本共産党が県議会で条例提案した時、反対する自民党に「自民党の知事候補も公約で掲げたではないか」と突っ込んで、制度実現に結びついた。
◆学校耐震予算を縮小しなから、「南海地震に備えた基盤づくりを進める」が実績?
民主の人は、南海地震対策をすすめたことを実績にしている。しかし、学校耐震化の2775億円の概算要求に対し、今年度予算は1032億円と大幅削減。全国からの批判で6月に800億円増額したが… 「進めた」との内容に違和感を感じる。
« 「長良川河口堰」に見る政治の責任 | Main | 法人減税 消費税増税に先行し実施 菅首相 »
「選挙・政党」カテゴリの記事
- 「立憲民主」の選挙政策を見る (2024.10.09)
- 24総選挙~前回の共闘の到達点をリアルに見、大切にする(2024.09.26)
- ダイバーシティ&インクルージョン 組織のアップデート(2024.08.11)
- 「空白の90年代」考~前進を目指して(2024.08.08)
- 日本のジェンダー平等を考える ~家族モデル、政治、教育、賃金格差、DV(メモ)(2024.05.05)
Comments