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「地域主権改革」と児童養護施設の懸念 

全国児童養護施設協議会の通信から内閣府への要望について。「地域主権改革」による憲法25条に風穴あける動きに福祉関係の団体が懸念を反映したものと言える。
 「公的責任(措置制度等)の明確化」「職員配置基準、面積基準、児童福祉施設最低基準の抜本的な見直し」などを要望している
【全養協通信NO. 222 6/2】

5月27日の社会保障審議会児童部会 社会的養護専門委員会の様子も紹介されている。

“厚生労働省の香取照幸審議官は、地方分権にかかわる児童福祉施設等の最低基準をすべて条例に委任することについては、①人員配置基準、②居室面積基準、③人権に直結する運営基準を、国が省令で設定する「従うべき基準」として設定することを説明しました。また、「子ども・子育て新システム検討会議」については、財源問題は切り離せず、ここに措置施設である社会的養護をどのように位置づけるかは、検討途中であることが説明されました。
委員からは、地方自治体の現状の財政事情からすれば、社会的養護への予算配分は大変厳しく、「従うべき基準」以外は条例の基準を低く抑えたものにならざるを得ない可能性があることも指摘されました。”
 
という懸念が表明されている。

 基準は「省令」であり、国会にかからない。
 この4月には、厚労大臣が特養のユニット型施設の1人当たりの居室面積基準を、現行の13.2平方メートル(約8畳)以上から多床室と同水準の10.65平方メートル(約6畳)以上に引き下げる方針を示した。
 こうして、「従うべき基準」であっても、国の省令で引き下げれば、下がる。

 もともと福祉施設については、特に人的配置で現在でも最低基準が著しく低いが、「従うべき基準」がどんなるのか、国会でも、政府は明らかにしてない。以下、国会討論の関連部分。

【「地域主権改革」一括法案への反対討論 山下よしき 2010/4】

“ 「地域主権改革一括法案」について反対の第一の理由は、「地域のことは、地域の住民が責任をもって決める」という「地域主権改革」の名の下に、福祉や教育におけるナショナルミニマムを保障する国の責任を放棄するものだからです。
 法案は、保育所や児童養護施設、知的障害児施設など、児童福祉施設の最低基準をなくし、都道府県の条例に委任することとしています。
 しかし、最低基準には、子どもたちが健やかに発達できる環境を国が保障し、その水準は時代とともに引き上げることが明記されています。現在、世界と比べて極めて低い水準にあるとはいえ、国の財政保障の基準となるなど、重要な役割を果たしており、絶対になくしてはならないものです。
 しかも、都道府県の条例の基準となる厚生労働省令が、現在の最低基準よりも下がるのか、上がるのか、同一なのかと、私が再三追及し、明らかにするよう求めたにもかかわらず、いまだに政府は、国民にも国会にも内容を示すことができないのです。これでは国会としての責任を果たすことができません。
 さらに、審議の中で、子どもたちの命にかかわる保育所の避難用すべり台の設置も義務付けられないことが明らかとなったことは重大です。”

 民主は「地域のことは地域で」というが、小泉改革の「地方で出来ることは地方で」と、まったく同じである。

【全養協通信NO. 222 6/2】

◆内閣府(少子化対策)・泉大臣政務官と懇談(5月20日)
~「子ども・子育て新システム検討会議」の議論をふまえ、社会的養護の課題を要望~

1.「新システム」の議論をふまえ、社会的養護の課題について要望
検討会議が4月27日に発表した「子ども・子育て新システムの基本的方向」は、すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会を実現するため、子ども・子育てを社会全体で支援しようとするものです。このため、政府の推進体制と財源の一元化、基礎自治体(市区町村)の重視等のシステムを構築していくことをめざしています。
このような基本的方向について、3施設協議会会長が協働で、以下の4点について泉政務官に要望を行いました。

①子どもの社会的養護を保障するための公的責任(措置制度等)の明確化
②職員配置基準、面積基準、児童福祉施設最低基準の抜本的な見直し
③安心こども基金による社会的養護の拡充に向けた取り組みの継続
④子ども・子育て新システムにおける、社会的養護を必要とする子どもへの育ちの保障

このうち、①の公的責任の明確化について泉政務官からは、社会的養護に関しては、国としての公的責任はあるものの、基礎自治体(市区町村)のかかわり方についても検討していく、との説明がありました。
また、他の要望事項について泉政務官は、最低基準の抜本的見直しはどこにお金をかけるのか優先順位を考えていく必要があること。安心こども基金の継続については、取り組んでいるところであること。新システムにおける社会的養護の位置づけとしては、社会的養護の課題を考えると、新システムに書き込んでいくことでよいのかどうか再検討したい。等の発言がありました。

2 国の動き・社保審児童部会・第9回社会的養護専門委員会開催(5月27日)
厚生労働省は5月27日、昨年11月開催以来半年ぶりとなる社会保障審議会児童部会 社会的養護専門委員会(第9回)を開催しました。
今回の専門委員会は、最近の次世代育成支援等にかかわる諸議論の方向性について報告されるとともに、昨年11月に同専門委員会で報告された児童養護施設等を対象として実施されたタイムスタディ調査について、職員の負担感などに着目した集計分析結果が報告されました。

◆地方主権改革推進一括法案による、最低基準の地方自治体への条例委任について
最近の次世代育成支援等にかかわる議論の方向性などについては、すでに参議院で可決、現在衆議院で審議中の地域主権改革一括法案について、地方分権にともない懸念される児童福祉施設等の地域間格差で、子どもの最善の利益が保障できなくなってしまうのではないかとの意見が、専門委員会の委員として参画する全養協の藤野興一副会長をはじめ、乳児院、母子生活支援施設の関係者から出されました。
厚生労働省の香取照幸審議官は、地方分権にかかわる児童福祉施設等の最低基準をすべて条例に委任することについては、①人員配置基準、②居室面積基準、③人権に直結する運営基準を、国が省令で設定する「従うべき基準」として設定することを説明しました。また、「子ども・子育て新システム検討会議」については、財源問題は切り離せず、ここに措置施設である社会的養護をどのように位置づけるかは、検討途中であることが説明されました。
委員からは、地方自治体の現状の財政事情からすれば、社会的養護への予算配分は大変厳しく、「従うべき基準」以外は条例の基準を低く抑えたものにならざるを得ない可能性があることも指摘されました。

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