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「子どもの貧困」と国民生活基礎調査

 ピーク時から平均で117万円、前年よりも所得減、生活悪化が読み取れる。
 特に「子どもの貧困」という目でみた場合、所得減とともに、ひとり親家庭の増加、母親の非正規労働、児童のいる世帯の「公的年金・恩給」の低さなど(近年は同傾向だが)が目に付き、生活意識で「くるしい」との回答が過去最高になったが、「児童のいる世帯」が全世帯平均を上回っている・・・などが気になる指標である。
【平成21年 国民生活基礎調査の概況】
【世帯所得、08年は547万円 ピーク比116万円減 朝日5/20】

◆所得の推移(08年とピーク時)
全世帯     547万5千円 04年664.2万円 △116.7万円
高齢者世帯   297万円   08年335.5万円 △38.5万円
児童のいる世帯 688万5千円 06年781.6万円 △93.1万円
~ 全世帯、高齢者世帯、児童のいる世帯で前年より、8.7万、1.9万、2.9万円減。経済悪化の影響はあきらかだと思うが・・・
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◆所得の分布(相対度数分布)
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・「200~300万円未満」 13.9%、「300~400万円未満」 13.3%、「100~200万円未満」12.7%がベスト3。
・中央値 427万円。平均所得金額(547万5千円)以下の割合は 61.5%

◆世帯主の年齢階級別の所得の状況
・世帯当たり平均所得
「50~59歳」 765万5千円が最高、次いで「40~49歳」、「30~39歳」の順。最低は「29歳以下」 298万9千円。

・世帯1人当たり平均所得金額 208万4千円
「50~59歳」が 254万7千円で最高。次いで「60-69歳」212.1万円。最低は「29歳以下」の 174万8千円。次いで「70歳以上」182.1万円、「30-39歳」の183.1万円と・・・
~ 30-59歳では、世帯当たりと一人当たりで3倍前後の差。子育ての関係だろう。一人当たりでは全体に差があまりないというのが印象。

◆所得の種類
・高齢者世帯では「公的年金・恩給」が構成の 70.6%、特に、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯で「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は 63.5%。
・一方「児童のいる世帯」では、「公的年金・恩給」は4.6%しかない

◆世帯数と世帯人員数の状況
・「夫婦と未婚の子のみの世帯」1489万世帯(全世帯の31.0%)で最多。次いで「単独世帯」1195万5千世帯(同24.9%)、「夫婦のみの世帯」1068万8千世帯(同22.3%)
・「高齢者世帯」は962万3千世帯(全世帯の20.0%)で95年の10.8%から倍増。

◆児童のいる世帯の状況
・ひとり親と未婚の子のみの世帯は、86.3万世帯、構成比7.0%で過去最高。92年3.8%、98年4.5%から倍増する勢い。
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・児童のいる世帯の母の仕事の有無(末子の年齢別)
「仕事あり」は62.3%だが、「仕事なし」は「0歳」67.6%、「1歳」62.6%、「2歳」51.2%でもっとも高い。「仕事あり」のうち「正規」の比率は、17.7%で、各年齢とも大きな差はない。「パート・アルバイト」は「0歳」の6.7%をボトムに、子の年齢とともに上昇し「12-17歳」で34%前後と高まっていく。~M字カーブ、女性の非正規労働の多さを裏付けている。

◆生活意識の状況
・「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」) 58.1%、「普通」が 37.9%(世帯数の構成割合)
・年次推移では、「大変苦しい」の回答が、24.9%と近年最多(過去最高?)。
・「苦しい」と回答した世帯の割合は、「児童のいる世帯」が 63.4%(うち「大変苦しい」27.8%)、「高齢者世帯」 56.3%( 〃 23.6%)
~ 児童のいる世帯の回答が平均を押し上げている・・・ 高額の教育費など子どもにかかわる予算がOECD諸国の中で最低クラスだということとシンクロしている。

【世帯所得、08年は547万円 ピーク比116万円減 朝日5/20】  2008年の1世帯あたりの平均所得は547万5千円と、前年より8万7千円減ったことが、厚生労働省が20日公表した「国民生活基礎調査」で明らかになった。最も高かった1994年の664万2千円と比べて116万7千円少ない。所得が低い高齢者世帯が増え、全体の平均を下げているという。  全国の世帯数(09年6月)は約4801万世帯、1世帯あたりの人数は2.62人。65歳以上のみか、これに18歳未満の未婚者が加わった高齢者世帯は、過去最多の962万3千世帯で、初めて全世帯の2割に達した。  高齢者世帯の08年の平均所得は297万円。厚労省は全世帯の平均所得の低下は高齢化の影響とみており、経済悪化の影響は「分からない」としている。  平均より所得が低い世帯は61.5%で、うち19.4%は200万円未満。現在の生活状況を「苦しい」と感じる割合は58.1%と、調査を始めた86年以降で最高だった。

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