知名度に頼る政党の劣化
迷走、逆走、公約やぶり。政党助成金めあての新党さわぎ…問われているのは政治の中身だろうに、知名度めあての選挙戦術に、この人達は内心で、国民を馬鹿にしているのだろうと思う。
【谷亮子氏の参院選出馬にみる知名度に頼らざるを得ない政党の窮地 田中秀征 ダイヤモンド5/13】
【参院選候補、民主、自民など各党とも著名人頼みの傾向 政策、理念は置き去り 産経5/10】
その一方で、鳩山政権は、あいもかわらず強権的な国会運営をつづけている。
【「政治主導確立」法案の審議入りに反対する 5/12 佐々木憲昭】
佐々木氏の指摘が的を射ている。
「政治主導というなら、政治の最大焦点となっているのは、沖縄・米軍普天間基地問題、民主党小沢幹事長・鳩山総理の『政治とカネ』の問題ですから、その問題について決着をつけること」「それを棚上げし、政治の責任を放棄したままで、『政治主導』法案の審議に入ることには反対」「だいたい、内閣機能をどんなに強化しても、いまのように内閣の方針が迷走していたのでは話にならない」
「国会改革」法案とあわせ、強権的な国家づくりの一方で、選挙戦術では、タレント擁立、利益誘導… この党は、国民主権ともっとも遠いところにいる気がする。
参院選は、民主主義を守る選挙にもなる。
なにより、政党は政策をきちんと語り、国民の声、要求にもとづく運動を誠実にとりくみ、そして党員、支持者を広げ、その財政的な支えで活動する。それが本道である、と思う。
【谷亮子氏の参院選出馬にみる知名度に頼らざるを得ない政党の窮地 田中秀征 ダイヤモンド5/13】 ■国民的アイドルに課された 相当な覚悟 「ヤワラちゃん」こと柔道の谷亮子氏が、参議院の全国比例に民主党から立候補するという。これには驚いている。 これで民主党から立候補するオリンピックメダリストは3人目である。 国民的アイドルである彼女の今回の決断には、率直なところ戸惑いを禁じ得ない。 スポーツ振興のために貢献したいのなら他の道もある。解説者でもよいし、大学などで後進を育成するのもよい。なぜ、政治家なのかもう1つわからない。 また、政界への道を選ぶにしても、なぜ民主党なのか、なぜ小沢一郎幹事長なのか、それも説明を要する。 以前「スポーツ平和党」という党があったが、そういう小さなグループに属して自由に発言するほうがよいのではないか。 国会の審議や採決は、スポーツだけでなく、外交、経済、財政などあらゆる分野に及ぶ。そのすべてに明確な態度を示さなければならない。スポーツ以外のことで小沢氏や民主党の意向通りに動くのであれば、それ相当の覚悟が必要だし、有権者からも今までの「ヤワラちゃん」とは違う目で厳しく見究められるだろう。「国民の誰もが望む国づくりをしたい」という谷氏の意欲は買うが、そのためにも、出馬の経緯や所属はきわめて重要だ。 谷氏は目玉候補であるだけに、他の候補に倍する説明が必要になる。小沢氏の「政治とカネ」問題を許容しているのか、それを最初に答えなければならない。 「現役はもちろん続ける。ロンドン五輪で金メダルを目指す」とも語った。ぜひそうしてほしいと願っている。そのためにも、政界入りは現役引退後にすることができないのか。 1人の人間に両立できることとできないことがある。この場合には両立は至難の業である。両方とも中途半端になれば、何よりも谷氏本人にとって不本意なことだろう。■スポーツ選手の擁立に有権者は踊らされない
民主党ばかりか自民党など他党もスポーツ選手の擁立に躍起となっている。一体どうなっているのだろう。
私は王貞治選手を早実の時代から応援してきた。自分は政治の道を歩んできたが、いつも「本当は王さんのような人に政治をやってもらいたい」と考えてきた。だから、選挙のときには“尊敬する人”として何度も王貞治を書いた。しかし一方で、おそらく「どんなにすすめられても彼は出馬しないだろう」とも思ってきた。今でも彼は、どの世界にあっても、最高の指導者になったと信じている。
もちろんスポーツ選手が政治家になることが悪いわけではない。国会に何人かの元スポーツ選手がいる意義もある。
問題は、政党側が自分たちの非を隠すために利用する面があるからだ。いわば政党の厚化粧の材料にされることも否定できない。
30年、40年前のタレント議員全盛期ならともかく、有権者の眼は格段に厳しくなっている。党側の思惑通りに選挙に大きなプラスとなる保証は何もない。
【参院選候補、民主、自民など各党とも著名人頼みの傾向 政策、理念は置き去り 産経5/10】 柔道女子の五輪金メダリストの谷亮子氏を10日、民主党が擁立するなど、与野党とも今夏の参院選に向け、有名スポーツ選手やタレントなど著名人を立候補させることに躍起となっている。民主党は米軍普天間飛行場の移設問題や「政治とカネ」の問題を抱え、内閣支持率は20%台前半と低迷。敵失がありながら、自民党も一向に支持率が上向かない。相次ぐ著名人擁立からは、一票でも支持を増やしたいわらにもすがる各党の思いが伺える。だが、政策や理念を置き去りにした人選との批判も出そうだ。(坂井広志) 「小沢先生(一郎民主党幹事長)の強いリーダーシップの下、頑張りたいと決意した。小沢先生には長い間、田村亮子時代から応援していただいていた。本当に、地球を覆うほどの愛で」 この日、民主党本部で出馬会見した谷亮子氏はにこやかに語り、早くも「小沢ガールズ」の仲間入りを宣言。民主党が「政治とカネ」で批判にさらされていることを問われても、谷氏は「より良い方向にこれから向くと信じている」と述べるだけだった。 小沢氏は会見で谷氏の隣に陣取り、満面の笑みで「全国民、谷さんのことはご存じではありますが、ご支援いただきますようお願いいたします」と述べるなど終始機嫌が良かった。 民主党は大阪選挙区にタレントの岡部まり氏、比例代表に女優の岡崎友紀氏らを相次いで擁立してきたが、これらも小沢氏主導で人選が進んできた。 自身の「政治とカネ」の問題などで民主党に逆風が吹く中で、著名人擁立は小沢氏にとって数少ない反撃の手段なのだ。 一方、自民党の谷垣禎一総裁は10日の記者会見で、谷氏擁立について「それぞれの党の努力だ」と述べ、平静を装った。自民党も比例代表に前巨人監督の堀内恒夫氏を公認するなど、著名人頼みは民主党と同じ。野党に転落し業界団体が離れていく中で、与党時代以上に著名人の得票に頼らざるをえない事情がある。 それだけに、民主党が五輪で国民を沸かせた谷氏を擁立したことで自民党の内心は穏やかではない。ある自民党幹部は「谷氏を無条件に支持する国民は多いはずだ。それにしても、現役続行にはびっくり。国会議員はそんなに簡単な仕事なのかね」と、いらだちをあらわにした。
【「政治主導確立」法案の審議入りに反対する 5/12 佐々木憲昭】 政府与党は、今日の衆議院議院運営委員会理事会で、国家戦略局設置などを盛り込んだ「政治主導確立」法案の審議入りを強行しました。 「政治主導」というなら、政治の最大焦点となっているのは、沖縄・米軍普天間基地問題、民主党小沢幹事長・鳩山総理の「政治とカネ」の問題ですから、その問題について決着をつけることです。 それを棚上げし、政治の責任を放棄したままで、「政治主導」法案の審議に入ることには反対です。 だいたい、内閣機能をどんなに強化しても、いまのように内閣の方針が迷走していたのでは話になりません。 私は、議院運営委員会で、民主党小沢幹事長に対する検察審査会の「起訴相当」議決があった以上、証人喚問に応ずるべきであり、普天間基地の無条件撤去についても、予算委員会で集中審議を行うべきだと、強く主張しました
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» なにやってもムダ。 [にたろうの退屈な日々]
説明責任を果たしていない。だからと言って説明したって国民は納得しない。小沢が国会議員を辞職しないと納得しない。もうそういう段階。なにしたって無駄。引っ張って引っ張って選挙前に幹事長を辞職して支持率を上げる作戦を狙っているのか。去年の衆議院選挙に続く2匹目のどじょうか。国民もバカじゃない。民主党に任せっぱなしじゃ国が破滅する。みんなわかっている。選挙のための政治なんて「ノー!」だ。... [Read More]
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