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不登校が生まれない学校を--訪問事業に関連して

 不登校児への対応で、横浜市の大学生による訪問事業が紹介されている。おそらく「不登校を直す」ことを直接の目的にしていないのではないか、と記事から読めるが・・・ 
【大学生らの「家庭訪問」事業で、不登校生徒の4割が学校に/横浜 神奈川新聞5/8】
 学校生活が楽しく、安心できる場所であれば不登校の原因は大きく解消される。「学びの共同体」で不登校ゼロとなった浜之郷小学校のその後はどうかと思う調べると・・・
【VALUE VOICE vol.25 茅ヶ崎市立浜之郷小学校 加藤清 校長 /NTT東日本】

 やはりゼロだった。この中で、浜之郷小学校の授業研究について校長が語っている。

・初めて授業研究に参加した時の感動が今も忘れられない。私が経験してきた授業研究は、教員の指導テクニックがいつも主要なテーマだった。
・浜之郷小学校の授業研究は全く違っていた。授業を通じて一人ひとりの子どもたちが、何を学んだか、どう変わったか、ということを中心に語り合う。「あの子は先生の質問にこんな反応をした」「こんなことをメモしていた子がいた」「こんなことをつぶやいた子がいた」といった詳細な報告相次ぐ。毎月の授業研究を通じて子どもたちの状況を継続的に把握しているので、「以前、この子はこうだったのに、こう変わっていた。すごく成長している」といった意見も出る。すべての教員が、約700人のすべての子どもたちを共有して一緒に育てているような雰囲気に包まれている。
・授業を担当した教員も、直接指摘されるわけではないが、めぐりめぐって、結局は「ああそうか、あの時、こんなふうに言えばよかったのか」と自然に気づかされる。子どもたち対する見方、授業に対する考え方を学ぶ貴重な場になっている

 これは、少しまえ取り上げた田中孝彦さんの「子ども理解カンファレンス」に通じる。

 今、傷ついてる子どもに丁寧によりそう訪問事業なども当然必要、有効だが、新自由主義にもとづく「教育改革」の抜本的見直しこそが不可欠だ。

 そのことを、別の角度から浮き彫りにしているのが、特別支援教育で学ぶこどもの急増への指摘。

【 障害のある子どもたちの教育条件を改善するための緊急提案 4/2 日本共産党】
“特別支援教育の場で学ぶ子どもたちが急増しているのは、一方では、子どもの条件にあった教育を願う保護者の期待にそった結果でもありますが、同時に、急増の背景に社会の歪みがあることを見ないわけにはゆきません。全国いっせい学力テスト体制などゆきすぎた競争で子どもを追いたてる「教育改革」は、ていねいな支援を必要とする子どもたちに手をかけられない状態を恒常化し、結果としてそういう子どもたちが通常の学級にいづらくなる状態をつくってきました。また、貧困の広がりなどによって精神的に不安定な子どもが増えていることも背景にあります。”

 高知の教育「改革」は、「4年間で学力調査を平均点にする」「施策は決まった。徹底する年。フルスピードで」とか語っているが、そこには教育が、それぞれ異なる生活体験をもつ教師と子どもの間の人間的な営みである、ということが見えてこない。

 9年間、親として不登校とつきあってきたが・・・ 「追い立てるだけの施策」に懸念をもつ

【大学生らの「家庭訪問」事業で、不登校生徒の4割が学校に/横浜 神奈川新聞5/8】  大学生や大学院生が、自宅にひきこもりがちで不登校になった子どもの話し相手や遊び相手になる、横浜市教委の「ハートフルフレンド家庭訪問事業」が効果を上げている。2009年度には、訪問を受けた子どもの4割が学校に通えるようになった。登校できないまでも外出できるようになったケースも含めると、約8割の子どもに改善が認められたという。  同市教委は、家にひきこもりがちな市内の小・中学生を対象に、1999年度から同事業を始めた。県内や都内の30以上の大学に在籍する学生や院生が「ハートフルフレンド」として登録。アドバイザーの心理学専攻の大学教授や臨床心理士などの指示を受けながら2週間に1度、子どもの家庭を訪問している。  学生たちは、トランプやゲームなどで子どもと一緒に遊んだり、話し相手になったりして、少しずつ信頼関係を構築していく。  ここ数年来、事業の認知度が高まり年間100人以上の学生が登録。放課後だったり保健室ならば通える部分登校の子は毎年4割前後を保ち続けている。  市教委によると、09年度には72人の子どもの家庭に107人の学生が延べ807回訪問。その結果、29人が部分登校できるようになった。学校に行けないまでも、12人が指導員と週1~3回、創作活動や軽スポーツなどをして過ごす「ハートフルスペース」(同市中区、都筑区)に通えるようになった。学校や同スペース以外に外出できるようになった子どもも13人いた。  市教委によると、09年度に中3だった男子は当初は心を開かなかったが、学生は部屋のドア越しに自己紹介することから始めた。少しずつ関係を築くことで一緒に外出できるようになった。中1の男子も3回目の訪問まで会うことを拒んだ。その後、会話はなくとも会うことは可能に。次第に打ち解け、一緒に電車でハートフルスペースに通えるようになったという。  同事業が効果を上げる理由について、市教委の担当者は(1)学生は子どもの状況に応じて心理職の専門家からアドバイスを受け、押しつけではない関係を築いている(2)年齢が近いお兄さんお姉さんが一緒に遊びや会話を楽しむことで、対人関係に臆病(おくびょう)だった子どもが他者に興味を持ち外出する勇気を持つようになる―ことを挙げている。  ハートフルフレンドを希望する学生の問い合わせは、横浜市教育総合相談センター電話045(671)3384=平日のみ。

◇横浜市教育委員会 不登校対策事業

【VALUE VOICE vol.25 茅ヶ崎市立浜之郷小学校 加藤清 校長】 子どもと教員が学び合う、子どもと子どもが学び合う――。そうした「学びの共同体」の理念の下に学校づくりを進め、創設から12年目を迎えた茅ヶ崎市立浜之郷小学校。全国から見学者が詰めかける独自のスタイルの授業研究や、これからの学校づくりの課題について、同校の加藤清校長に伺いました。

◆子どもたちの変化について語り合う授業研究
Q浜之郷小学校で毎月1回、行われている授業研究には、全国から大勢の教育関係者が集まられるそうですが。

A 加藤 私は2008年春、浜之郷小学校に着任しましたが、初めて授業研究に参加した時の感動が今も忘れられません。それまで、私が経験してきた授業研究は、教員の指導テクニックがいつも主要なテーマでした。見学者は、「事前によく準備されている」と教員の姿勢を褒めてみたり、さもなければ、テクニックの稚拙さを批判したりする。ところが、浜之郷小学校の授業研究は、全く違っていたのです。
授業後に開かれる「授業研究協議会」では、授業を通じて一人ひとりの子どもたちが、何を学んだか、どう変わったか、ということを中心に語り合います。見学者も参加できますが、発言できるのは、原則的に浜之郷小学校の教員だけです。本校の教員からは、「あの子は先生の質問にこんな反応をした」「こんなことをメモしていた子がいた」「こんなことをつぶやいた子がいた」といった詳細な報告が相次ぎます。まるで、ひとつの授業をVTRでいろいろな角度から撮っていて、あらためて見せられているような感覚です。本校の教員は毎月の授業研究を通じて、お互いのクラスの子どもたちの状況を継続的に把握していますから、「以前、この子はこうだったのに、こう変わっていた。すごく成長している」といった意見も出てきます。すべての教員が、約700人のすべての子どもたちを共有して一緒に育てているような雰囲気に包まれます。
授業を担当した教員にとってみても、直接指摘されるわけではありませんが、めぐりめぐって、結局は「ああそうか、あの時、こんなふうに言えばよかったのか」と自然に気づかされることになります。子どもたち対する見方、授業に対する考え方を学ぶ貴重な場になっているわけです。私自身も、こんな授業研究にもっと若いころから参加していたかった、とうらやましく思ったほどです。

◆教員も、子どもも、同等の立場で「学び合う」
Q浜之郷小学校では、「学びの共同体」という教育理念を掲げられていますが、それはどのような考え方でしょうか。

A 加藤 教員のレベルで言えば、ひとつには、教員同士が、お互いに「学び合う」ということです。授業研究もそうですが、特定の教科の授業についてお互いに提案する「事前研究会」などの取り組みも活発です。校舎の造りも、教室がふたつ続きのオープンスペースを採用しているので、何かあれば、隣の先生にすぐ相談に行けます。あの先生は何をあんなに熱心にやっているのだろう、と気軽にのぞきに行くこともできるのです。
「一役一人(いちやくひとり)制」という校務分掌の仕組みも、教員同士の関係を強めることに役立っていると思います。校務は、一般的に学校では複数の教員が担っていますが、本校では会議の時間を削減するため、これを1人の教員だけの担当にしています。しかし、実際には、1人でこなせるものではないので、ほかの教員との役割分担などを事前に根回ししておかなければいけません。それぞれ何らかの校務を担う教員は、ほかの教員と仲良く良好な関係を自然と築いていくようになります。
各クラスの授業は、コの字形や子どもたちを4人ずつのグループに分けて進行していきます。教員が投げかけたテーマに沿って、グループごとに子どもたちが話し合ったり、考えを発表し合います。指導内容によっては、子どもたちが黒板に向かって教員から授業を受ける「一斉授業」も行いますが、やはり「学び合う」ことが基本です。私たちが、「学び合う」という表現を使うのは、教員も、子どもも、クラスの全員が学びの場においては同じ高さ、同じ立場であるべきだ、と考えているからなのです。

Q「学びの共同体」という理念を実践されてきて、どのような教育効果が得られたとお考えですか。

A 加藤 本校を訪れた方から、よく尋ねられる質問ですが、数値的なデータを挙げて答えることは難しいところです。ただし、不登校は今年がゼロ、いじめについても、こじれるようなケースはありません。保護者からのクレームは、私が着任してからは1回あっただけです。
浜之郷小学校は一般の公立校ですから、予算、人事的な面で優遇されているというわけではありません。教員の授業のテクニックだけをみれば、特にレベルが高いというわけではないでしょう。しかし、もっと、もっと教師全員で子どもたち全員をていねいに見ていこうと考えて、地道に努力してきました。
本校に着任して私が気づいたことのひとつは、女性の先生たちのスカートのひざの部分がたいてい汚れていること。それは、子どもたちと話す時、ひざまずいて話すようにしているからでした。子どもたちと同じ高さの目線で話すように、常に心がけているのです。また、朝、早めに教室に行って、子どもたちを教室で迎えようとする教員の姿も目立ちます。この教室がホームだ、一番安心する場所なのだと、子どもたちに実感できるようにという心遣いだと思います。私は小学校の経験がなかったものですから、小学校ではあたり前のことかもしれませんが、その細やかさとていねいさに新鮮なおどろきを感じました。

◆「学びの共同体」の理念を全国で初めて実践
Q「学びの共同体」の理念に掲げた浜之郷小学校の実践が教育界に与えたインパクトをどのようにお考えでしょうか。

A 加藤 浜之郷小学校の創立が検討されていた当時は、神戸連続児童殺傷事件など凶悪な少年犯罪が社会問題化しており、教育界では「心の教育」の重要性が盛んに叫ばれているころでした。新しい市の教育プランの策定を進めていた茅ヶ崎市では、東京大学教育学部の佐藤学教授が提唱していた「学びの共同体」の理念をいれた教育プランを策定しましたが、そのプランを具現化する学校として新設校の浜之郷小学校を位置づけたという経緯があります。
佐藤教授によると、本校は「学びの共同体」を実践した全国で最初の学校になるそうです。現在では、「学びの共同体」の理念の下に学校づくりを進めている公立校は全国で約2000校に上り、これは全国の公立校の実に約1割にもなるそうです。本校を授業研究や視察で訪れる方には、佐藤教授の提唱されている「学びの共同体」の理念に高い関心を寄せられている方が目立ちます。
茅ヶ崎市内の小学校でも、子どもたちの様子をていねいに見ていこうという考え方が着実に広がっていると思います。市内の小学校の校内研究テーマを調べたことがありますが、以前は個別の教科や児童の指導が主流だったの対し、最近では、浜之郷小学校で学びの前提として重視している、“聴く”“つなぐ”“かかわる”ということをテーマに取り上げている学校が3分の2に達しています。
1998年の開校から12年目を迎えた本校では、人事異動で教員の入れ代わりが進み、約30人の教員のうち、開校当初からのメンバーは養護教諭1人だけとなっています。ただし、教員同士、教員と子ども、子ども同士が、学校と保護者、地域がお互いに学び合うという「学びの共同体」の理念は、創設以来、何ら変わっていません。学校教育の現場には学習指導要領の改訂といった動きもありますが、“聴く”“つなぐ”といったコミュニケーションを重視する基本スタンスを、これからも本校の伝統として脈々と受け継いでいかなければならないと考えています。

Q 浜之郷小学校の今後の課題をどのように考えていらっしゃいますか。

A 加藤 浜之郷小学校でどのような教育が実践されているか、地域の方にあまり理解されていないことを残念に思っています。私自身、生まれも育ちも茅ヶ崎で、この学区の出身ですので、かつての同級生の子どもが本校に通っていたというケースもあります。同級生に会うと、「浜之郷では、研究に取り組んでいるそうだけれども、どんな研究をしているのか」と質問されることが、ままあります。全国から見学者が訪れる授業研究ですが、残念ながら、父母は参加できません。実際に参加していただけば、理解していただけるはずなのですが、研究協議の内容は、児童個人のプライバシーにかかわるものですので、参加はどうしても教員に限定せざるを得ないという事情があります。
また、茅ヶ崎市の中学校に長年籍を置いてきた私自身もそうだったのですが、特に地元の中学校の教員には、浜之郷小学校の取り組みがそれほど知られていません。授業研究への市内からの参加が少ないのも残念です。
「学びの共同体」とは、学校(子ども、教育)、保護者、地域がお互いに「学び合う」というのが、基本の考え方ですが、さらにより細かく(ていねいに)、より深く進めていきたいと考えています。


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Comments

不登校、こういわれて久しい。

親子で悩み苦しむ、その原因はわからない。
不登校という言葉を耳にした時、病気で学校に行けない子どもかと思ったら、心だった。
我子がこうなった時、なにもできなかったし、してやることも、万全ではなかったと振り返り思う。

不登校、自閉症、障害者、
こんな言葉をつくって差別は進んでいく。
ここで親は、閉鎖的になってしまう。

自立支援法?支援の意味はどこにあるのか、
そのあらゆる組織、
税金の無駄使いや天下りの温床では?

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