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生活保護基準以下の所得 700万世帯 厚労省調査

 9日、厚労省の「ナショナルミニマム研究会」に、生活保護基準未満の低所得世帯の推計値が発表された。
生活保護基準以下の低所得世帯は705万世帯にのぼり、うち実際に受給しているのは108万世帯
【生活保護基準未満の低所得世帯数の推計について 4/9】
【生活保護基準未満の低所得世帯 受給わずか15% 厚労省推計 赤旗4/10】
【生活保護:未救済の低所得者3割 毎日4/10】
【水準より低収入でも生活保護未受給229万世帯 読売4/9】

 報道の見出しに大きな差があるが・・・ 収入だけでみたら捕捉率15%〔厚労省調査〕うち1ヵ月の貯蓄のある世帯をのぞいた捕捉率32%、1ヶ月分の貯蓄、住宅ローンがある世帯を除いた総務省の調査〔04年〕は68%という違いである。

・厚労省の国民生活基礎調査〔07年 対象23万世帯〕では
世帯類型別に見ると、母子世帯の割合が最も高く、フロー所得のみの場合で63.1%、資産を考慮した場合で30.2%。しかし、母子世帯の74万のうち、生活保護基準以下は55万世帯あるが、実際に受給しているのは9万世帯にとどまっている。

子どものいる世帯では・・・生活保護以下の低所得166万世帯で受給は12万世帯、捕捉率7.4%。資産要件を満たす世帯に限っても18.7%しかならない。

・総務省の全国消費実態調査〔04年 対象5万5千〕
においても、稼働世帯、子どものいる世帯の捕捉率が低いのは同様。


 生活保護の受給にあたっては、貯蓄現在高が最低生活費1ヶ月未満、住宅ローンがない(ローン付住宅を保有する世帯は当該住宅の活用が前提)ことが要件となっているため、この計算となっている。

 が、しかし・・・・そもそもフローで生活保護以下の所得しかなく、病気とか、失業となれば、わずかな貯蓄はすぐ使い果たしてしまう。住宅ローンも清算したらどうなるかを考えると、総務省ベースの7割は給材できているというのでなく、少なくとも600万世帯、約1300万人の予備軍がいると考えて対応することが必要と思う。


【生活保護基準未満の低所得世帯 受給わずか15% 厚労省推計 赤旗4/10】
 生活保護基準が定める最低生活費を下回る所得しか得ていない世帯が705万世帯にのぼり、そのうち、実際に生活保護を受給しているのは108万世帯(15・3%)にとどまることが厚生労働省の推計で9日にわかりました。国がこうした調査を行うのは1965年以来です。
 現行の生活保護は受給要件が厳しく、所得が最低生活費を下回っても、貯蓄が最低生活費の1カ月分未満でないと受けられません。この要件を満たす337万世帯に対しても、保護を受けている世帯の割合は32・1%にとどまります。
 また、総世帯に占める生活保護基準未満の所得の世帯(保護受給世帯を含む)の割合は14・7%。母子世帯に限ると74・3%にのぼります。
 推計は、2007年の国民生活基礎調査を使って行ったもの。各地の生活保護基準から個々の世帯の最低生活費を計算し、その世帯の所得と比べました。
 この計算では、最低生活費に家賃分や医療・介護費などが含まれていません。これらを含めれば最低生活費が上がり、それに満たない所得の世帯数はさらに増えます。低所得世帯に対する保護受給世帯の割合はいっそう低下することになります。

【生活保護:未救済の低所得者3割 毎日4/10】  厚生労働省は9日、生活保護水準未満の収入や資産で暮らす世帯のうち、保護を受けている割合の調査結果を公表した。総務省の統計に基づく推計では68.4%で、受給できる可能性のある低所得世帯のうち約3割が保護を受けていないとみられることが判明。厚労省の統計に基づく推計では32.1%だった。「最後の安全網」で救済されていない低所得者が多数いる可能性があることが公的な調査で初めて示された。  調査は、総務省の全国消費実態調査(04年、対象約5万5000世帯)と、厚労省の国民生活基礎調査(07年、同約23万世帯)に基づき推計。収入から税や保険料を差し引いた所得が、生活保護で給付する「最低生活費」を下回る世帯の割合などを算出した。  消費実態調査に基づく推計は、国内の全世帯を約4674万世帯と仮定して実施。最低生活費(生活費、教育費、住宅費の合計)を下回る費用で暮らし、資産もない(貯金が最低生活費1カ月分未満で住宅ローンもなし)のに保護を受けていない家庭は約45万世帯。保護を受けているのは約97万世帯で、保護を受けている割合は68.4%だった。  ◇貯蓄なし229万世帯  国民生活基礎調査に基づく推計は、国内の全世帯を4802万世帯と仮定して実施。この調査は住宅費を調べていないため、これを最低生活費に含めず計算した。生活費が最低生活費未満の家庭は約337万世帯で、貯金を保有しない家庭は約229万世帯。保護を受けている家庭は約108万世帯で、受給している率は32.1%だった。住宅ローンのある世帯が除外されていないため、総務省調査より割合が低くなった。  厚労省は調査結果を、貧困対策の柱として国が保障する最低限度の生活水準(ナショナルミニマム)を検討する際の資料とする。
【水準より低収入でも生活保護未受給229万世帯 読売4/9】  厚生労働省は9日、生活保護の対象となる生活水準より収入が少なく、貯蓄など一定の資産もない「低所得世帯」の世帯数などを初めて推計し、結果を公表した。  基になる調査によっては、低所得世帯の約7割が生活保護を受給していないと推計され、厚労省は今後も調査を続ける考え。  2007年の「国民生活基礎調査」から推計した場合、全国に低所得世帯(受給世帯を含む)は337万世帯あり、このうち68%にあたる229万世帯は生活保護を受給できる可能性があるにもかかわらず、していないとみられる。全世帯の5%にあたる。  ただ、総務省が04年に実施した「全国消費実態調査」を基にした場合、低所得世帯は142万世帯と推計され、生活保護を受給していない世帯数も32%の45万世帯にとどまるとされた。  国民生活基礎調査は、厚労省が医療や福祉の基礎資料を得るために世帯構造などを調べているもので、07年は約29万世帯を抽出して調べた。  また、全国消費実態調査は、約5万7000世帯を抽出して家計簿を作成してもらい、世帯ごとの家計の収支などを調査するもの。  厚労省は「正確な実態を把握することは難しいが、生活保護を受給する意思があるのに受給できないということはあってはならず、自治体に適切な対応を求めていく」としている。  ◆生活保護=日常の生活費や住宅費などを合わせた「最低生活費」を、世帯収入が下回る場合、その差額を支給する制度。地域や世帯構成で基準が異なるが、東京23区の3人世帯(33歳、29歳、4歳)で収入がゼロの場合、生活扶助費に限っても月額約16万7000円が支給される。今年1月時点で、約132万世帯が受給し、21か月連続で過去最高を更新している。 (2010年4月10日03時03分 読売新聞)

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