高校授業料無償化と特定扶養控除の縮小
臨時議会に地方税法の「改正」案が提出されている。住民税の扶養控除廃止、特定扶養控除縮小・・・子ども手当、高校授業料実質無償化と引き替えの増税だが、すでに無償の特別支援学校や不登校なども要因となって進学も就職もしてないとか、フリースクールなどに通っている層には、増税しかない。定時制はほぼプラマイゼロ
高校無償化は画期的な一歩・・・それだけに困難を抱えている層に痛みだけというのは改善が必要だ。
【特定扶養控除縮小の影響】
あらあらこんな感じでは・・・
◇「所得税」
195万円未満 所得の5%
195~330万円未満 〃 10% - 97500円
330~695万円未満 〃 20% -427500円
◇「住民税」 一律10%
◇増税額
扶養控除廃止 所得税38万円 住民税33万円
特定扶養控除の縮小 所得税25万円 住民税12万円
16-18歳でいけば・・・
・195万円未満
25万円×5%=1万2500円 12万円×10%=1万2千円
計2万4500円の増税・・・①
・195~330万円未満
25万円×10%=2万5000円 12万円×10%=1万2千円
計3万7000円の増税・・・②
となる。
◇ 高知県の高等学校授業料のうち、
・定時制は32400円
・通信制は1単位330円で、卒業必要単位数は74単位?で24420円、3年とすると年間8140円
・特別支援学校は「授業料、入学料及び入学手数料は、徴収しない」と規定されている。
◇県の統計などを見ると・・・
・21年度 高校在学数 ・定時制1406人 ・特別支援学校高等部440人 ・通信制812人
この部分で、特定扶養控除縮小の影響を受ける人数は?
・21年度 中卒者の進路で、進学・就職(36人)以外が86人
20年度 高校中途退学者 全日制272人 定時制131人 と403人
・就職、再入学などもあるだろうが、対象年齢での「ニート」、フリーターと言われる層は、千人前後いるのではないか、と考えられる。
◇社会保険料控除(社会保険料が全額控除される)
収入に対し、料率は、以下とおり
協会けんぽ 0.0938 /2 0.0469
厚生年金 0.15704/2 0.07852
雇用保険 0.006 0.006
計 0.13142
(協会けんぽ、厚生年金は半分は事業主負担)
◇具体的影響を検討
夫婦2人・子ども1人(16-18歳)なら、
A 年収400万円(夫300万円、妻100万円)
108万円 給与控除 30%+18万
約39万円 社会保険控除
38万円 基礎控除
38万円 扶養控除 、
38万円 配偶者控除
控除計261万円 所得39万円
(妻は、所得税の対象とならない。いわゆる103万円の壁で、これは妻・無収入でも結果は同じ)
B 年収500万円(夫400万、妻100万)
134万円 給与控除 20%+54万
約52万円 社会保険控除
38万円 基礎控除、
38万円 扶養控除 、
38万円 配偶者控除
控除計300万円 所得100万円
C 年収375万円(夫275万、妻100万)
100.5万円 給与控除
約36万円 社会保険控除
38万円 基礎控除、
38万円 扶養控除 、
38万円 配偶者控除
控除計250.5万円 所得24.5万円
・・この場合、特定扶養控除(25万円)があれば非課税
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