「国保はどこに向かうのか」 高知のルポ
新日本出版の「国保はどこに向かうのか」に高知放送の尾崎詩さんの「病院にかかれない人々」というルポが載っている。資格書や44条の問題点、無料低額診療のルポもある。「命の平等」として市議会や県議会でこの間とりあけてきたこととシンクロする内容である。
本書の構成は
1.崩壊の危機にあえぐ国保(芝田英昭・立教大教授)
2.ルポ 病院にかかれない人々
3.口腔健康破壊にみる経済格差
4.国保受難の時代を乗り越えて—再生への提案
1500円
貧困による口腔健康破壊も深刻。先日、民医連のホームページを紹介したが・・・
最後には再生への提言がされている。77条や44条の改善、子どもの医療制度、国庫負担増など・・
とにかく社会保障の基本をはっきりさせる必要がある・・・後藤道夫氏が主張する「選択の余地のないサービス給付は無料とし、累進課税の強化で財源をまかなう」というのが基本だろう。
この所得再分配の機能の強化には、民主的な中央集権制がかかせない。その点で「地方分権」「地域主権」には、この再分配機能を弱め、地域受益者負担主義につながる危険がある。
ところで「命の平等」をスローガンに、京都府知事選で門ゆうすけさんが大健闘をしているとのこと。民医連の医師。高知で無料低額診療にとりくんでいるのも民医連である。学部は違うが大学の2年先輩・・・誠実、温厚、芯の強さ。当時、ニセ左翼暴力集団から大学の自由、学ぶ権利の保障をもとめてたたかった。府の医師会の幹部が、「医師として人格、技量とも優れた人」と評価するのもわかる。
現知事は、「(小泉改革に)私も同感だ」「強いものが勝つ。これは非常に成功した」と主張する人物。自民・公明・民主があいのりで推している。
名護市の市長選が国政に影響をあたえたように、ここで勝利すれば、医療・福祉など「命の平等」を大きく発信することになる。期待したい。
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