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小選挙区制は時代遅れ 英国

 自民党の崩壊現象も、民主党の迷走・逆走も・・ 財界、アメリカにモノが言えない政治と国民の願いとのギャップが土台。「ニ大政党制」づくりが頓挫している。「先輩」イギリスの様子を毎日が報道している。
【英国:議会が解散 疲弊する2大政党制 「小選挙区は時代遅れ」/対立軸もなく 毎日4/13】【世界を読む:英議会制民主主義(その1) まねてはいけない 元官僚トップが警告 毎日4/17】

 ちなみに、イギリスの自由民主党が、存在感を発揮しているが、この党は、二大政党がイラク戦争に賛成する中、反対した党でもある。

【英国:議会が解散 疲弊する2大政党制 「小選挙区は時代遅れ」/対立軸もなく 毎日4/13】  <分析>  英下院(定数650、任期5年)は12日解散し、5月6日投票に向けて正式に総選挙が始まった。現時点の世論調査では、どの政党も過半数に達しない「ハングパーラメント(宙づり議会)」の結果が予測されている。戦後では1974年以来36年ぶりという異例のケースで、日本がモデルとする英国の「2大政党制」には機能不全が目立っている。【ロンドン笠原敏彦】  「選挙に負けてもブラウン首相が続投か」(保守系デーリー・テレグラフ紙)。ハングパーラメントの可能性を前に、英メディアは早くも過熱気味だ。成文憲法を持たず、慣例を尊重する同国では政権移行のルールが法的に明文化されておらず、政治が混乱する「憲政の危機」も想定されるからだ。  保守党は今回、13年ぶりの政権交代とともに、キャメロン党首(43)が1812年より後では最年少の首相を目指す。世論調査では、初の党4連勝をかけたブラウン首相(59)の労働党を7ポイント前後もリードするが、選挙区割りが労働党に有利なため、保守党は第1党にはなっても過半数には及ばないとの予測が有力だ。  小選挙区制に基づく2大政党制が「民意」を反映していないのは明らか。両党の総選挙での合計得票率は、51年の97%から前回05年には69%まで低下。労働党は前回36%の得票率で過半数を約30議席も上回っている。第3勢力の自由民主党は伸長傾向だ。  ロンドン大学経済学校(LSE)のパトリック・ダーンリービー教授は「有権者の投票行動は多様化し、中世以来の小選挙区制は時代遅れになっている。小さなスイング(浮動票の揺れ)で議席が大きく動くことも問題だ」と指摘する。  選挙制度というハード面に加え、2大政党に大きな路線の違いがないというソフト面の問題も大きい。2大政党制とは言っても、今やともに「プロマーケット(市場支持)」で、「政策面では互換可能」(LSEのトニー・トラバーズ氏)というのが現状だ。  有権者の「選挙離れ」は顕著で、投票率は97年まで70%台を維持していたが、01年59%、05年61%と低落。今選挙の最大の争点である財政赤字問題に関し、ロビー団体「納税者同盟」のマシュー・エリオット理事長は「両党は立場の違いを騒ぎ立てるが、政策を見れば基本的に同じだ」と失望感を隠さない。  インディペンデント紙(3月30日付)の世論調査では、「ブラウン首相をもう一度首相にすることは考えられない」との回答が50%に上る一方で、「保守党には熱狂できない」との回答も51%。有権者の心理状態も現時点では「ハング(宙づり)」になっている。


【世界を読む:英議会制民主主義(その1) まねてはいけない 元官僚トップが警告 毎日4/17】
 日本の民主党政権がモデルとし、昨年、菅直人・民主党代表代行(現副総理)、小沢一郎・幹事長が相次いで訪問した英国。総選挙戦たけなわの同国の政官界を取材すると「まねをしない方がいい」との警告が返ってきた。英政治の実情を探った。
 「英国という車には“道に迷ってます”とステッカーが張られているようなものだ。その後を追うことは非常に危険です」。ブレア前英政権で内閣官房長(官僚トップ)を務めたターンブル卿(きょう)は日本にそう警告する。ターンブル卿はサッチャー元首相の首席秘書官も務め、政治の「舞台裏」を間近で見てきた。「今の政治システムには非常に不満足だ」と失望感を隠さない。
5月6日投票の英総選挙では「政治への信頼」回復が最大の焦点だ。97年に就任したブレア前首相は、議会の圧倒的多数を背景に「大統領的」統治手法をとった。このため、英国発祥の議会制民主主義の屋台骨である内閣や議会の影響力は著しく低下。「チェック・アンド・バランス」を欠いた結果の象徴が、首相主導で突き進んだイラク戦争(03年3月)参戦だった。
 2月2日。イラク戦争を検証する独立調査委員会で、開戦後に抗議の辞任をしたショート元国際開発相が証言した。「政策は少数のグループで決まった。(参戦に関し)閣内で十分な論議はなかった」。当時の閣議に出席しているターンブル卿は「首相は強力な個性で事態を仕切った。参戦に異議を唱えた閣僚は2人だけだった」と内情を明かす。
 「壊れた政治」の根源はどこにあるのか。その論議で注目されるのが、政治以外の職業をあまり経験していない「政治階級」と呼ばれる新たなエリート層の台頭だ。
 97年総選挙で約50年ぶりの無所属当選を果たしたマーティン・ベル元議員(元BBC記者)は、自らの議会経験を基に指摘する。「イラク戦争で100万人もの反戦デモが起きながら、議会では2大政党がともに戦争を支持した。政治家と市民の意識のギャップが広がっていることが問題だ」
 今選挙で13年ぶりの政権交代を目指す保守党が勝てばキャメロン党首(43)は1812年より後では最年少の首相となる。同党首の政治以外の職業歴はテレビ会社広報部門での7年間だけ。労働党党首のブラウン首相、第3党・自由民主党のクレッグ党首も政治階級として語られている。
 英議会では昨春、議員総ぐるみの「経費流用スキャンダル」が発覚。政治不信はかつてなく高まった。
 元官僚らは政治改革を求めて「ベター・ガバメント・イニシアチブ(より良い政治を求める運動)」という組織を設立した。その一人、モンク元雇用事務次官は「議会では法案が十分に審議すらされていない。われわれの政治システムにはあいまいな点が多すぎる」と問題点を指摘する。

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Comments

はじめまして。

確かに英国の単純小選挙区制度は原理主義的です。日本は真似をしない方がいいと言う結論部分に同感です。

小選挙区制度は死票が多いので均一性の高い社会の代表を選ぶのに最適な制度ではないかと思っています。その意味で移民を大量に受け入れている英国には徐々に身の丈に合わない制度になりつつあるのかもしれません。

日本の現行制度は導入時に非難はありましたし、今でも時折中選挙区制に戻すべきと言う声もありますが、結果として少数政党の場を国政に送り出すスペースがあると言う点で意外にいい制度なようにも感じます。

候補者に政党ベースで判断を委ねる小選挙区制度は、政党の政策集団化を促すので制度の基本理念には賛同しています。その点において中選挙区制度に戻すのは日本政治の将来のためによくないと思っております。また完全比例代表はかつてのドイツの苦い経験を見る必要もあるように思ってます。

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