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「世界の医療団」のホームレス調査 6割に精神症状

 貧困問題などと立ち向かっている「世界の医療団」が社会的排除の問題として、専門家による東京のホームレス調査を実施。「60%がなんらかの精神症状」があることがわかった。その内容を「ダイヤモンド・オンライン」が取材して配信している。
「東京プロジェクト」 アウトリーチ(訪問活動)が始まりました 世界の医療団 4/7
【ホームレスの約6割はうつ病!? “路上に引きこもる”人々が生活保護を嫌がる理由  ダイヤモンド 4/22】

 レポでは「頑張っているのに働けないと自分を責めながら、再びの失敗を恐れて路上に引きこもる人々」「がんばりが限界で、生活保護の申請いったら、『もっとがんばらないと』『働けるでしょ』と言われ、二度と申請にはいかないと言う人」「働かないなら出ていけといわれた人」・・自己責任、家族責任の呪縛が深い。
 同記事は「障害という診断名には根拠のない悪いイメージが残るものの、障害は特性であり、誰でもなり得る症状でもある。こうした人たちが障害を気にせずに、安心して働けるような環境づくりを政策等で構築することが、ホームレスの数を減らしていくことにつながっていくのではないか。」と述べている。

 労働政策研究・研修機構が、若者の自立支援で「社会的企業」について調査報告を出し、現在の指定管理者制度の問題点などを指摘しているが、これは後日に触れたい。

 実は、高知市議会3月議会で、下本議員がケースワーカーの不足の改善を求めて、貧困と孤立、精神症状の問題に触れている。
「今回、生活保護受給者の実態を聞く中で改めて驚かざるを得ない数字がありました。1月で11,199人の受給者がいますが、この中には、自立支援法58号適用者数、メンタル疾患で精神科に通院されている方が、1205人1割を超えています。潜在者を含めれば相当な人数が予想されます。」
「生活保護は預金や社会資源、支えあう人間関係がすでになくなった状態でなければ、受給すること難しい制度… いわば、人間として本来、生きて行くために必要なものをほぼ失った状態ですから、まともな精神状態すら失うかどうかの背中合わせの立場であると思います。若い方の場合、自立への道が長引けば長引くほどまともな精神状態を維持するのがむずかしいのではないのでしょうか。そして、何よりも大きい問題は孤独だと思います。一日中、誰とも話をしない。中には一ヶ月に一回だけ話をする。それば病院に行ったときだけというのです。生きる価値を見出すのは大変難しいと思います。」

  競争・敵対から共同・連帯へ・・・新しい価値観が必要な時代。地球規模の環境や資源、貧困問題でも・・・
その具体的な実践が足下にあると、あらためて実感する。

【「東京プロジェクト」 アウトリーチ(訪問活動)が始まりました 世界の医療団 4/7】 この度、東京プロジェクトのアウトリーチ(訪問活動)が始まりました。  世界の医療団の支援活動は発展途上国に留まらず、事務局を擁する先進諸国での国内支援も積極的に行っています。先にご報告しました通り、世界の医療団日本でも初めての日本国内プロジェクト、「東京プロジェクト」 “医療・福祉の支援が必要なホームレス状態の人々の精神と生活向上プロジェクト”を4月から池袋でスタートしています。  週1回以上、3名以上の専門家ボランティアが池袋駅の周辺を回り、社会の片隅で追いやられながらもその窮状を誰に相談をしたらよいのか分からない人々、また今、自分がどのような状態にあるのかも理解できない状態にある人々への働きかけを行い、適切な支援へとつなげるための活動です。  このアウトリーチの特徴は精神科医や看護師など医療従事者自らが路上に出て訪問活動を行なうことです。これに  よりこれまで不可能だった医療的観点に立った支援の可能性を初期段階から判断することが出来るようになります。

「東京プロジェクト」とは?
 2008年末に行われたホームレス状態にある人々の精神に関する専門家による調査によると、調査協力したホームレスのうち60%がなんらかの精神症状があることが明らかになりました。
 精神障がいや知的機能障がいを抱えたホームレス状態にある人たちは、行政や支援団体が提供する社会的資源や支援に結びつきにくく、故にますます孤立状態を深めています。世界の医療団はこれを危急の課題と判断し、「医療・福祉支援が必要な生活困難者が地域で生きていける仕組みづくり・地域づくりに参加する」をプロジェクト理念に、東京でも対象者が最も多い地域の1つである池袋で活動をスタートしました。
 プロジェクトでは9つの柱となる活動を展開し、彼らの医療・保健・福祉へのアクセスの改善、そして精神状態と生活状況の底上げ、地域生活の安定を目的とするものとしています。

1)アセスメント2)調査・研究 3)医療、福祉、生活相談4)アウトリーチ(訪問活動) 5)シェルターでの医療/保健活動6)ケアマネジメント7)リハビリテーション8)能力開発 9)アドボカシー(政策提言活動)

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