意見書にみる県民不在の「対決」 自民、民主
政権交代後、3回目の県議会にして、自民党と民主党(会派は県民クラブ)の意見書決議を通じた対決がヒートアップしている。今回提出された意見書決議案の総数31本、委員会で不一致なら、本会議に「これは!」というものを再提出するのだが・・・それが異例の多さとなっている。
ざっと再提出を見ると・・・ 県民の立場から発せられたと思えないものも多い。
・「国として直接地方の声を聞く仕組みを保障」自公らが提案。
民主党の陳情の窓口一本化問題に反対するもの。これには日本共産党と緑心会も賛成する。
・「地方財源制度の抜本的な改革を求める」 県民クラブら。
民主党の国のナショナルミニマムへの責任をあいまいにする一括交付金化を促進するもの。当然、私たちは反対である。財政力の弱い高知県にとっては非常に危険な方向なのに、民主党の公約の方が大事?
・「永久外国人の地方参政権付与に慎重な対応を求める」自民らが提案
民主党が言及しているもの。これは日本共産党も過去に法を提案するなど推進してきた。自民の意見書案には、05年の最高裁で「違憲」の判決が出ていると書いているが、この判決は、必要な立法措置がないので違憲としただけであり、法律をつくることまで憲法違反としてない。だから、これ以後、外国人参政権の問題が浮上したのであり、勉強不足は歴然。
・「地域主権の確立」 県民クラブら
国と地方の役割分担論にたって、地方の自己責任論(国のナショナルミニマムへの責任放棄)をすすめる民主党の「地域主権」論をすめるもの。当然、私らは反対。財政力の弱い地域が切り捨てられる危険大。
・「選択的夫婦別性」 推進・日本共産党と緑心会ら、慎重・自民党ら
これは説明不要であろう。
・「介護療養病床の存続を求める」 日本共産党と緑心会ら。
実は、自公らが提出した「介護施設の抜本的な基盤整備を求める」は、委員会で全会一致で可決している。この中には介護3施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)を倍増させる、という項目が入っているのに、「介護療養病床の存続を求める意見書」に反対した会派がいた。恥ずかしい限りである。
・「生産性の高い競争力に富んだ農家の育成を求める」 自公ら。
民主のコメ戸別所得補償制度の問題を指摘し、従来の自民党農政の推進を求めるもの。私らは反対。コメ所得補償制度の問題点の改善だけならわかるが、この意見書は中山間地など条件不利地が多い高知県農業の切り捨てに結びつく内容だからである。民主党憎しが県民の利益より優先するとは情けない限りである。
・「地球温暖化基本法の制定を求める」 県民クラブ、公明ら。反対は日本共産党と緑心会、自民党
この意見書は、政策内容の注文はなく、政権に「早く制定せよ」だけのもの。鳩山政権が閣議決定した基本法案は、環境団体から、つくらない方がまし、と評価されるほどひどいもの。25%削減目標は他国の態度待ち、総量規制がない、原発推進、自然エネルギー普及の不十分さなど・・・である。だから私らは反対する。自民党は、そんな基本法案でもダメという立場から反対。というもの。
ところで県民クラブにいる社民、新社民の方々は原発推進にオッケーなのだろうか。
・「時代の要請に応える住宅政策の推進」 県民クラブ、公明
鳩山政権の予算案に入っている政策推進をもとめるもの。私らは反対。ここには公営住宅を整備という観点は一切ない。これこそ時代の要請に応えるものであるはず。
またその中には、資産家優遇の住宅優遇措置も肯定的に書いている。現行500万円の贈与の非課税を10年度中1500万に拡大するもの。また「賃貸住宅の賃借人の居住の安定確保」という項目があるが、政府の規制改革会議は、公営住宅も含め「定期借家契約の幅広い導入」を要求している。そうした危険な方向への批判もない。
ということで、県民の願いを脇において、国の民主党と自民党のやりやいを持ち込んだような議論が目に付く。
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