ごみ有料化条例の行方
市民との協働の最前線と評される「高知方式」のごみ行政・・・ 本日、共産党の下本議員がたった。公明党も現計画に反対を代表質問で表明したので・・・条例の可否は、極めて僅差で決することとなるのではないか。
市長の言う「有料化」論は、あらゆる角度で破綻している。
◆「市民との協働」論
こんなに意見が割れている中味を「市民との協働」が「要」のごみ行政に強行に持ち込んでいいのか・・・ 見識が問われる。
下本議員の質問に対し、副市長は、市民との協働の土台は「信頼だ」と明言した。その言葉どえり、有料化の強行は、「協働」をこわす結果になる。高知方式の崩壊への道である。
◆環境行政の安定的な財源論
1人あたりのごみ処理経費をから算定すると、中核市平均と比べて、高知市全体では年8億円も安く実施されている。資源ごみは市民の分別努力で中間施設がない。直営での清掃工場の効率的運営などなど・・・
すでに「安定的な財源」を長年にわたり生んできているわけで、さらに負担増で「安定的な財源」というのは理屈がとおらない。
09年3月議会で市長もこう言っている・・・
「他都市に誇れる市民の皆様方によります徹底したごみ分別への御協力をいただいておりまして,日ごろから市民の皆様方のごみのリサイクルや資源化の意識は非常に高く,また他都市に比べましても低額な経費でごみ処理ができております」と。
大型事業と同和偏重という失政のツケを押しつけるものである。
◆減量化に役立つ
やはり信頼できるデータは出てこなかった。市長は岡山市の例を出しているが、それは以前ふれたとおり。本日の質問で、環境部長も「岡山も、分別方法の変えた」と、1年目の実績についても有料化のみでないことを事実上認めた。
市が最後にたよりにするのは、小泉政権時代に、環境省が「ガイドライン」で有料化を打ち出していること。しかし、これはあくまでガイドライン。法的拘束力はない。具体的データもない。分権の時代であり、高知市の歴史や現状などから判断すればよい。
ちなみに中核市で有料化しているところは41市中8市しかない。
◆低所得者への負担増
市の計画は、生活保護世帯、非課税世帯にも「有料化」をおしつけるもの。ごみは必ず出るもので実質「税」と同じで、保護基準の切り下げ、生計費非課税の原則を蹂躙するものである。
市長は質問に「一人ひとりのとりくみが大事」と、そうした世帯に負担を押しつけることを合理化したが、情緒的な説明で、最低生計費の切り下げられることに、まともに答えなかった。
また、全国で低所得者に減免している自治体はない、と言ったが、これは間違い。
市長が例にあげる岡山市は、生活保護世帯と、生活保護基準の1.05倍の世帯には、二人世帯でごみ袋を150枚無料で支給している。おそらく高知市でこれを実施したら「財源」分はほぼ吹っ飛ぶのではないか。
(16日の議会で、市長は、その後調査したと、まちがいを訂正しました。)
◆5年間の収支不足対策
そもそも300億円、他の手当てしてもたりないと言っていた当初の説明でもゴミ有料科の効果は6億。これについては5年後から減る借金払い、もともと人件費・物件費が低いという条件をいかせば対応できると主張してきた。
されに加え、昨年9月議会で示した談合和解金など予想外の収益に39億円に、PFI解消による16億円を加えれば、12月議会に再計算した不足額49億円をカバーできる。それを基金の確保、借金払いに18億円を使って、「まだ13億円足りない」〈12月議会〉と一貫性のない「説明」をしている。
・・・採決は、賛否がはっきり残るように記名投票をしてもらいたい。
(ところで、13日の地元紙の朝刊に、公明のゴミ質問にまったく触れられてないのはなぜ?)
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