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高等教育無償化へ文科省の変化 政府交渉 

 2月18日、高知県委員会など、仁比そうへい参院議員とともに取り組んだ政府交渉。参加者によると、政権が代わった実感があったのは特に文部科学省という。
「授業料、学費の負担は重いと認識している」と初めて明言し、“高等教育の無償化への姿勢を感じた”とのこと。
「授業料減免」「スクールソーシャルワーカー」「学校耐震化」についての交渉の概要は以下のとおり。

◆授業料の減免と奨学金の改善
A 授業料、学費の負担は重いと認識している。国立大学の授業料の減免では交付金の中の減免を拡大、5.1万人を5.6万人に拡大予定。私学助成は、補助金は4億円増の3524億円、そのうち授業料減免は40億円増加。私学は大学からの申請で行っているので、21年度2.8千人の見込みが22年度3万人強になる。経費は83億円に対し予算枠は20億円で全ての大学で1/2の対応できてなかったので40億円増額した。
 奨学金の延滞猶予、給付型の奨学金の創設では、奨学金利用の拡大で、予算の中でより多くの利用に応えるため無利子と有利子との組み合わせで対応している。猶予については、昨年4万人余の実績だが10万人まで対応できるよう予算を確保した。給付型については、大学進学、高卒で終わる人がいるので、働いて税金を払う方と税金で大学に通う方という公平性の観点でやってない。ただ首相が段階的な無償化という条約批准を目標にかかげているので、教育の格差をうめるための施策の充実にとりくんでいる。条約の無償化は、授業料の無徴収だが、政府としては給付型で実質無償化にとりくんでいる。
 
◆スクールソーシャルワーカーの増員
A 福祉の観点から、いじめ、不登校の背後に潜む家庭の貧困などの問題に対応が必要だと配置。有効な取り組みとの意見を頂いている。高知県では20年度21名が配置、現時点で30名。20年は調査研究事業で実施。本年度から学校地域連携協力推進事業という補助事業の1つの柱として実施。
 実施要領で勤務時間など地域の実情にあわせ実施としているが、常勤職員とも読めるように書いてある。社会福祉の専門性をもった人の配置をしてこそ本来的な意味を持つと考えている。地方自治体には調査研究(予算15億円)以上より負担をかけているが、社会福祉士33%、精神保健福祉士.16.4%と高まっている。少しずつだが成果が上がってきている。
 21年度が初年度の事業。その成果も踏まえて、どのような人の配置がいいか、1/3の補助率をどうするか、検討したい。全体の枠は21年142億円のうち2億数千万。22年は130億のうちで対応。都道府県、政令市が事業主体。

◆学校耐震化
A 地震対策特別措置法が、22年度以降も延長されるかどうかは、進捗率をみて検討したい。補助単価のかさ上げをしており、実勢単価と乖離は生じてない。 .

【質疑】
Q 高校、大学卒業すると700万円の借金背負っている例もある。給付型を。ローンの差し押さえもある。改善のスピードアップも・・
A 今、国際人権規約の留保の撤回のためには条件整備が必要。奨学金は重要。無償化とは授業料の不徴収なので、減免にも力をいれている。国立については授業料減免5.8%を6.3%にし、交付金をはじめ増加。私学も40億円増加した。

―― 仁比 前政権ではこんな話すらできなかった。大きな変化。今、ここにいるメンバーがチームとなり、無償化にむけて段階的にすすんでいるということですね。

Q 滞納者をブラックリストにすることはやめるべき・・・
A 事業の運営として返還金がかえらないと事業できないが、重要なのは、経済的な理由でかえせない方はいるが、返さない方もいる。悪質な方には厳しい措置もするが、返せない人には返還猶予など対応し、当然、リストに載ることはない。分けて対応する対応している。経済的条件は300万円くらいを目安としている。

―― 仁比 進学と高卒就職の公平間というが、無償化とは教育の機会均等とは逆の話ではないか。これまでの考えならそうだが、総理の施政演説と違う話ではないか。よく検討してほしい。

Q スクールソーシャルワーカーは、特に一人親など孤立している家庭、貧困と一体となっているところにかかわって非常に大きな効果を発揮している。調査研究から補助事業になると常勤から非常勤になって、数は増えているが夜訪問するとかは常勤でしかできない役割がある。常勤での配置を 
A 20年度は944年が配置。どこに効果を求めるかは難しいが、対象とした子どもは28572名。関係機関との連携では児童福祉関係機関とは5400人、学校内外で連携を取りチームとして役割分担して対応する姿勢が根付いているなどの報告がある。いじめ、不登校が減ってはいるが、ワーカーだけの効果なのか、なかなか成果を評価するのは難しい。
Q 予算要求の場では、数値を出せといわれているのか 
A 有意な数字は出ているが、全国的に見て、目に見えてないじゃないか、という声はある。スクールソーシャルワーカーと生徒児童の先生が協力できた所で成果があがっている。調査研究の結果をまとめているので有意な例を全国に情報提供している。配置は継続し拡充したいと思っている。

Q 当初予算で耐震化の予算が減っているが。棟数は増えている。単価が下がったのではないか
A 概算要求は5000棟2776億円。新政権の中では、21年度よりも減額した予算を行うとの方針だったか、前年度1051億円より35億円増で要求。事業仕分けの中で、老朽化の修復や施設整備ではなく耐震化に特化すべきだと結果をうけ、予算が少し減ったが対象棟は1900から2200に増やした。

Q 今までは耐震化とあわせて老朽対策もしてきた。それが難しくなる。別々に工事をするとなれば、費用も増えるし、実施が後れる
A 新規については耐震化以外はきびしい状況。小さな補修についてはできるだけ対応できるようがんばりたい。

Q 政権がブレーキを踏む事態になっているのは事実。改修も含めて自治体が計画してきたことが狂っている。予備費も使って手当するという議論になっているのか。また、自治体の立てた計画が今回の措置がどれだけ遅れることになったか、そういうトータルな状況はつかんでいるか 
A 国ベースで1300億円の事業が手当できなくなっている。

――- 仁比 ぜひ現場の実情をつたえて、予算が確保できるようかんばってほしい。

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