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学力調査 「開示しない」の担保は?

 2日の県議会質問で、全国学力調査の結果の開示について、「不開示」という文科省の方針はすでに破たんしている。今回、開示については特に希望参加でハードルが低められていることも含め、全校参加となった本県で、「不開示をどう担保したか」と質した。
 これまで開示に前のめりの発言が聞こえてきた県当局であるが、教育長は“不開示を貫く”と明言した。
 それは前進面ではあるが、問題は、「どう担保したか」なのだが・・・

 情報公開条例にもとづき「開示請求」で、教委の「不開示」の決定の対し、審査会が「開示」の答申が続いている。司法の場でも開示の決定がなされている。
鳥取県では、09年地裁が「開示しても悪影響を及ぼさない」と教委側の非開示処分を取り消している。
大阪府枚方市の小中学校の市独自テストの学校別成績を開示について、大阪地裁・大阪高裁ともに「学力テストの主旨について市民に正しく理解されれば学校序列化は起こらない」として開示を命じる判決が出ている。

 情報公開条例は、非開示事由該当性をきびしく制限することで、国民の知る権利に応えることを目的としており、「開示」の答申が続くのは、点数開示と競争激化との因果関係、学校教育遂行上の支障発生の蓋然性を具体的に立証することは困難であることが答申や判決文からわかる。

 「開示されない」という具体的根拠を明確にすべきである。 そして、問題では、希望参加に手をあげた市町村の教育長の姿勢が問われる。

 つかじ県議は質問で「京都府舞鶴市教育委員会は、抽出校以外の全校で希望利用の調査を実施しますが、採点は各校で行い市全体も、各学校別の集計は行わず、結果の公表はしないと決定しています。調査結果は、各児童生徒と保護者に担任から今後の教育活動に活かす観点から、アドバイスをつけて示すという方法を採ることとしています。 情報公開の対象とされない措置としての工夫だと思います。」と紹介している。

 少なくともこのくらいの真剣な検討が必要であろう。
 
以下、開示の答申、判決についてスケッチすると

◆鳥取県
【学テ訴訟、非開示は違法、原告側全面勝訴 山陰中央新報 09/10/2】
 鳥取県教育委員会は昨年9月に、09年度の全国学力調査について、市町村別結果と学校別結果を情報公開請求者に開示している。
鳥取県教育委員会の非開示処分の取り消しを求めた訴訟の判決が2日、鳥取地裁は、オンブズ側の訴えを認め、非開示処分を取り消した。調査結果の非開示を認めない司法判断は全国初。判決は「開示しても悪影響を及ぼさない」としている。

◆大阪府枚方市  
 【判例紹介 公文書部分公開処分取消請求事件(大阪府枚方市)】
 07年2月、市立小中学校でおこなっている市独自の学力テストについて、学校別成績を開示することを決定。
 枚方市は学校の序列化の危険性を理由に公開を拒否してきたが、市民の開示請求に、大阪地裁・大阪高裁ともに「学力テストの主旨について市民に正しく理解されれば学校序列化は起こらない」として開示を命じる判決が出ましている。枚方市は上告を断念、判決が確定。
 大阪高裁判決は「(教育課程や指導方法を改善し学力向上を図るという)学力テスト本来の趣旨を生徒や保護者に理解してもらうよう努力するべきだ」とし、そうすれば学校の順位付けなどの弊害は起きないと結論づけている。

 ただ、八月中旬の盛岡地裁判決は「小規模校では個人成績が特定される恐れがあり、学校の序列化や過度の競争を生む」と非開示を適当とした。

◆埼玉県
【埼玉県情報公開審査会答申  学力調査結果の開示請求について】
 埼玉県教育委員会は09年3月18日、全国学力テストの市町村別成績について市町村名を伏せた形で部分開示する方針を決定。
 非開示の主張に対し、埼玉県情報公開審査会が2008年12月「おそれは具体的ではない」「不開示とした理由が妥当ではなく、これを取り消して改めて開示決定等をすべきである」と答申をしている。

◆横浜市
【『学校ごと結果開示』答申 市審査会 市教委の不開示覆す 東京新聞10/3/6】
 横浜市情報公開・個人情報保護審査会(三辺夏雄会長)は五日、本年度の全国学力テストの市内各校ごとの調査結果について「開示すべきだ」と答申した。答申に法的拘束力はないが、市教委は一カ月をめどに開示するか判断する。
 市によると、昨年八月、市内の学校ごとの調査結果について開示請求があった。市教委は同九月、「文部科学省の実施要領では調査結果は非公開としている。序列化や過度の競争をあおる恐れもある」として不開示を決定。同十月に異議申し立てが出され、審査会が検討していた。
 答申は「実施要領に法的拘束力はなく、市情報公開条例に基づき開示すべきだ。市教委の言う『恐れ』には具体性がない」とした。市教委は「答申を重く受け止めて判断したい」としている。
 全国学力調査は同四月、小学六年生と中学三年生を対象に行われ、横浜市内では小学校三百四十六校と中学校百四十五校の児童・生徒計五万五千二百十一人が受けた。 

◆大阪府
【「学習習慣」も開示を 学力テストで大阪府情報公開審 産経 09/8/3】 大阪府情報公開審査会は3日、府教育委員会に対し、平成19、20年度の全国学力テストの中で学習や生活の習慣を尋ねた「児童生徒質問紙」「学校質問紙」の市町村別集計データを開示すべきだとする答申をした。
 情報公開審は今年6月、学力調査の市町村別平均正答率を明らかにするよう府教委に答申しており、質問紙をめぐっても同様の判断を示した格好。今回の答申は学力調査についてもさらに踏み込み、教科別データに加え設問ごとの正答率や無解答率の開示も求めた。
 前回の答申を踏まえ府教委は7月、市町村別平均正答率を一部を除いて開示することを決めており、「この方向性に沿って対応することになるだろう」(小中学校課)としている。

◆京都府 
【学力調査、市町村名伏せ結果開示へ 京都府教委 朝日10/2/5】
 京都府教委は5日、NPO法人から公開請求を受けていた2008年度の全国学力調査結果について、市町村名を伏せて成績の数値のみを開示すると発表した。昨年11月に府情報公開審査会が市町村別成績を開示するよう答申したが、府教委は「序列化で過度な競争が生じる恐れがある」として限定的な開示にとどめる。
 京都府城陽市のNPO法人行政監視機構(半田忠雄理事長)が08年、同調査結果の市町村別や、校名を除く学校別の成績開示を請求。府教委の非公開決定に異議を申し立て、審査した府情報公開審査会は「市町村別の成績を公開しても各学校がテスト対策に偏る可能性が高いとは認められない」と答申していた。
 府教委は来週にも、市町村の順番を順不同に並べて特定を避けるなどし、各自治体別の成績を公開する。これに対し、同機構は「府教委の決定は審査会答申を否定するものだ。取り消しを求めて行政訴訟を起こす」としている。

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