「県外」より「圏外」に 普天間移設
「最低でも県外」から「県内やむなし」に傾く「友愛政治」とは一体、何だったのだろうか。琉球新報のコラム。
ここは「圏外」、つまりメリカへお引き取り願おう、の主張を紹介している。
【金口木舌 琉球新報コラム3/22】
ところで「赤旗」が、アメリカの公聴会で、政府高官などが、沖縄に米軍基地が置く理由の説明に窮していることを報じている。
「下院外交小委員会の公聴会 3/17」
・シファー国防省副次官補(東アジア担当)が「(沖縄は)戦略的に重要な位置にある。災害対策しかり、それ以上に深刻な事態に対してもしかりだ」との証言に、小委員長のファレオバマエガ氏は「インドネシアの津波では(沖縄以外からも)迅速に対応できた」と反論
・対中国強硬派の共和党議員が「中国脅威論」で正当化を図ろうとしたが、証人のドノバン米国務副次官補が「日本は中国の台頭によって脅かされてはいない」と否定
・スミス米外交問題評議会上級研究員は「米軍は受け入れ国とその国民の求めに応じて奉仕しているのであって、もし海兵隊の撤去を求められれば出て行く必要がある」とし、95年の少女暴行事件による米軍基地を取り巻く「事態の緊急性」を忘れるのは「心が痛むこと」と述べたとのこと。
22日、赤旗ワシントン支局の記事。こういう情報が発信されるのは赤旗ならではである。
【金口木舌 琉球新報コラム3/22】 鳩山由紀夫首相が唱える「友愛政治」とは一体、何だったのだろうか。米軍普天間飛行場の移設問題で「最低でも県外」を訴えて政権を奪取した民主党は「県内移設やむなし」へ傾いている ▼文化面の「落ち穂」欄で崔真碩(チェジンソク)さん(訳者/役者)が、米軍基地の「県外」ならぬ「圏外」移設を訴えている(2月5日付)。移設問題を日本の都道府県単位で考えるのではなく、東アジアまで思考を広げ、東アジア圏の外、つまりアメリカへお引き取り願おうと主張する ▼根底にあるのは「東アジア冷戦の遺物」である米軍基地を移設するのは、東西冷戦が終わった今「歴史的必然」という考えだ。崔さんは理想論だとことわっているが、傾聴に値する ▼ところで、鳩山首相周辺では、県内移設に反対する県民の強い声を踏まえ、鹿児島県の徳之島が移設先の一つとして検討されている ▼この案は一見、県外移設にみえる。しかし、徳之島はかつて琉球王国の勢力が及んだ地域。つまり、琉球「圏内」への移設にすぎない。永田町の政治家、霞が関の官僚たちにとって、事件事故や騒音被害にさらされなくてすむ遠い場所だ ▼政治は結果責任が問われる。鳩山政権が県内移設を選択するのであれば、直ちに国会を解散してもう一度、民意を確かめるべきだろう。沖縄は「友愛政治」の及ばない「圏外」ではないはずだ。
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