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4.25県民大会 沖縄地元紙・社説

 イラク開戦7年。ファルージャ虐殺の先頭にたったのは沖縄の海兵隊だ。その沖縄で、普天間基地の県内移設に反対する県民大会が4月25日に開催される。超党派の大会は初めて。地元紙の社説を掲げている。
【[4月25日県民大会]民意のありか示す時だ 沖縄タイムス3/19】
【4・25県民大会/基地被害に終止符打とう 「平時の安保」の歪み是正を 琉球新報3/20】
ところで、鳩山政権は、「イラク派兵」を正当化する答弁書を閣議決定している。
【イラク派兵 鳩山内閣が正当化 赤嶺議員に答弁書 赤旗3/20】

 鳩山首相は、「イラクに対し戦争を始めること自体が誤っていた」(09年11月2日、衆院予算委員会)と発言していだか、普天間基地、地球温暖化対策・・・逆走の連続である。
 

【[4月25日県民大会]民意のありか示す時だ 沖縄タイムス3/19】
 米軍普天間飛行場の県内移設に反対する県民大会が、4月25日午後3時から、読谷村運動広場で開かれることになった。県内移設に反対する超党派の県民大会は初めてだ。
 県議会の与野党各会派は、10万人規模の参加を目指すという。すぐに思い浮かぶのは1995年10月21日の県民大会である。県議会各会派、経済団体、労働団体、婦人団体などが呼びかけ、主会場の宜野湾市・海浜公園に主催者発表で8万5000人が集まった。
 「10・21」は、政府の安保政策に対する復帰後最大規模の異議申し立てだった。米兵による卑劣な性暴力と、米軍の特権を認めた地位協定に、県民の怒りが爆発した。
 「10・21」県民大会は、「沖縄の基地問題は決して沖縄問題ではない。日本全体が考えるべき問題だ」という本土の国民に対する問いかけでもあった。
 日米両政府は翌96年4月、米軍普天間飛行場の返還に合意した。あれから14年。状況は、どこがどう変わったというのだろうか。
 衆院選の期間中、「最低でも県外」だと言い切った鳩山由紀夫民主党代表が政権の座につき、名護市長選でキャンプ・シュワブ沿岸部への移設に反対する稲嶺進市長が当選したことで、県内の空気は一気に変わった。県内移設反対の声は日に日に高まるばかりだ。にもかかわらず、政府や民主党サイドから漏れ伝わってくる情報は、県内移設案ばかりである。
 14年も紆余(うよ)曲折を重ねた問題がいったん振り出しに戻り、その挙げ句、再び別の県内移設案が浮上しているのである。沖縄県民をおもちゃか何かのようにもてあそぶのはいい加減にしてほしい。
 稲嶺恵一知事は99年12月16日、普天間の移設先を「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」とすることを正式に発表した。その際、県が移設候補地として検討したのは(1)辺野古沿岸域(2)津堅東沿岸域(3)高江北方(4)辺野古陸上(5)カタバル沿岸域(6)与勝沖(7)伊江島―の7カ所である。
 鳩山政権の下で候補地として浮上しているのは、新たに出てきたわけでも何でもなく、過去に検討済みの場所なのだ。
 そのような場所が再浮上すること自体、県民を愚弄(ぐろう)するような話である。政府は、県内移設案を政府案として決め、沖縄社会を再び混乱に陥れるつもりなのだろうか。とても認めるわけにはいかない。
 「安保はOKだが、米軍基地には反対。特に海兵隊がくるのは困る」と、多くの国民が考えているようだ。
 移設候補地として上がった国内の自治体からは「絶対反対」の声は聞こえてくるが、「ならば沖縄の負担軽減を国民全体の問題としてどうやって実現していくか」という声が少しも聞こえてこない。
 「10・21」と「4・25」。この二つの日付は沖縄現代史の中に深く刻まれることになるだろう。だが、繰り返して言うが、この二つの日付は、沖縄だけの日付ではない。戦後日本のいびつさを象徴する日付になるはずだ。


【4・25県民大会/基地被害に終止符打とう 「平時の安保」の歪み是正を 琉球新報3/20】
 米軍基地問題で、またも県民が立ち上がらねばならない。なぜなら危険な基地の撤去を求めた県民に、新たな基地建設の負担を政府が強行しようとしているからだ。
 県議会各派代表者会議は4月25日午後3時から、読谷村運動公園広場で「普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」の開催を決めた。
 「県内移設反対」の県民総意の意思表示を、県議会が主権者たる県民に呼び掛けている。応えていこうではないか。
 戦後65年。日米安保の過重負担を沖縄県民はもう十分に背負ってきた。これ以上は勘弁してほしい。県民の率直な心であろう。

◆繰り返される事件事故
 議会が求める主権者への呼び掛けに賛同したい。
 それにしても、沖縄県民は幾度、県民大会を開催すれば米軍基地の被害と恐怖の呪縛(じゅばく)から解き放されるのであろうか。
 米兵による少女乱暴事件に万余の県民が立ち上がった1995年の「10・21県民大会」から15年を経てなお、県民が求めた米軍による犯罪の根絶はおろか、再発防止、基地の整理縮小は遅々として進んでいない。
 それどころか、読谷村での米兵ひき逃げ死亡事件という凶悪事件の恐怖も覚めやらぬうちに、新たな飲酒ひき逃げ事件の恐怖だ。
 しかも軍用車両を飲酒運転しての暴挙である。被害車両は大破し、幼い子が大けがをしている。 県民の命を脅かす事件が起きた場所が、普天間移設問題で揺れる名護市辺野古というのも皮肉だ。
 10・21県民大会で求めた日米地位協定の抜本改定も、ほとんど手つかずだ。政府は凶悪事件での起訴前身柄引き渡しなど「運用改善」を強調するが、凶悪事件でさえ「米側の好意的考慮」に頼る米軍優位の協定のままだ。
 今回も犯人の米兵の身柄は米側が確保し、県警は隔靴掻痒(かっかそうよう)の捜査を余儀なくされている。
 「被害者より加害米兵の権利が優先」という地位協定の矛盾は、少女乱暴事件以後も変わらない。
 有事に備え駐留する米軍が平時にもかかわらず県民を傷つけ、死に至らしめる犯罪や事件、事故を繰り返す。
 米軍犯罪は復帰後だけでも、すでに5500件を超え、凶悪事件は550件を超える。米軍事件の1割が凶悪犯罪だ。しかも、この5年間は凶悪事件が増加傾向だ。
 米軍が絡む交通事故も2001年の89件から02年に133件と急増している。米軍のアフガン、イラク攻撃も背景にあろう。02年以降は毎年100件超で、この5年間は160件超と最悪だ。
 米軍機の墜落や不時着事故も絶えることなく繰り返され、05年の63件をピークに減ったとはいえ、08年も28件発生している。演習による原野火災も年20件前後起き、爆音禍は日夜を問わない。

◆米軍優位の安保の矛盾
 放射能漏れすら公表せず、ホワイトビーチへの寄港を繰り返す米原潜の寄港回数も07年には24回と過去最高を記録した。
 事件・事故のたびに県民は日米両政府に「米軍の綱紀粛正」を要求してきた。しかし、繰り返される事件・事故の現状からは、日米両政府が真剣に「再発防止」に当たっているとはとても思えない。
 「事故を起こし、けが人を放って逃げるとは人道上許されない。綱紀粛正はどうなっているのか」。辺野古でのひき逃げ事件に普天間飛行場移設にノーを訴え当選した稲嶺進名護市長の言葉だ。
 総選挙で普天間移設は「最低でも県外」を訴え、政権奪取した鳩山由紀夫首相だが、舌の根も乾かぬうちに内閣は「県内移設やむなし」へ急速に傾いている。有権者、県民に対する背信行為だ。
 県民との約束をほごにしてまで「再編合意」という米国との約束を優先する。「対米追従から対等な日米関係へ」を打ち出した民主党政権がである。
 日米関係重視、日米安保依存で、対米追従の不平等な地位協定改定もおざなりに米兵犯罪の効果的な再発防止策もなく、鳩山政権は危険除去と負担軽減を求める県民に新たな基地負担を強行する。
 鳩山首相は県民の命をどう考えているのか。就任後一度も来県していない首相には、ぜひ県民大会に参加してほしい。普天間問題で決断をする前に「友愛の精神」で民の声に耳を傾けてほしい。

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