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急増する食肉消費と食料自給率向上

【より持続可能な畜産部門のために FAO の報告書は急速に変化する世界の畜産を分析する 2/21】
 それについて、農業情報研究所が興味深いコメントをしている。
【世界の食肉消費 1960年代初めと2005年の比較 FAO2009年食料農業白書の発表に寄せて 2/20】
 農業のあり方だけでなく、食生活のあり方が問われているという点である。

 同研究所は、FAO報告の中心点として
「生計を支えるととも、人々の栄養の改善にも寄与している。
 しかし、唯一の畜産物に専門化した大規模な企業的畜産が家族的複合経営の重要な要素をなす小規模畜産と農民の生計を脅かしている。その上、土地、大気、水に悪影響を及ぼし(畜産は世界の総消費量の8%の水を消費し、地球の農地の80%を使用し、過放牧で土壌劣化を起こし、アマゾンに見られるように森林破壊も加速している)、温暖化促進の大きな要因ともなり(温室効果ガス総排出量の18%を占め、輸送部門からよりも多く排出している)、さらにSARS、インフルエンザ、BSEなど動物由来の感染症のリスクも高めている。報告は、政府による適切な規制を要請する。地と水の乱用に対する金銭的懲罰、家畜飼料の改良によるメタンガス排出の削減、一定カロリーの動物製品の生産のために比較的多くの植物カロリーを消費する牛よりも豚や鶏の推奨などだ。」と紹介したうえで・・・

同研究所は“それらの効果は限定的”“本来は極めて局地的であった食肉文明が、たった半世紀ほどの間にグローバル文明になってしまったということである”とし、その上で、日本の自給率について「輸入飼料(原料)を減らし、輸入小麦に頼るパン食を減らし、食用油の消費を控えることがいかに重要かが分かる。それなしでは、意味あるほどの食料自給率引き上げは不可能だろう。」と指摘している。
 
“2007年度で見れば、一人一日あたり供給熱量:2551kcalのうちの400kcalを肉・卵・乳製品が供給している。飼料自給率は25%だから国産畜産物からの供給熱量は100kcalと計算される。飼料自給率が100%となれば国産食料が供給する熱量は300kcal増えて、1046kcalから1346kcalになる。これで、食料自給率は40%から52.8%に増えることになる。これに280kcalを供給する輸入小麦の半分を米など他の国産食料に変えれば、国産食料が供給する熱量はさらに140kcal増えて1486kcal、食料自給率は58%を超える。もうひとつ、原料のほんとんどすべてを輸入に頼る大豆・菜種油が供給する220kcalがすべて国産食料に切り替われば、国産食料が供給する熱量は1486+220=1700kcalとなり、食料自給率は66.7%になる。
その他すべての品目ーいも類、豆類、野菜・果実、魚介、砂糖類、大豆・菜種油以外の油脂などーの輸入を国産に切り替えても国産食料が供給する熱量はせいぜい500kcalほど増えるだけで、食料自給率は65%程度にしかならない。食料自給率を引き上げるには、輸入飼料(原料)を減らし、輸入小麦に頼るパン食を減らし、食用油の消費を控えることがいかに重要かが分かる。それなしでは、意味あるほどの食料自給率引き上げは不可能だろう。”

 また、赤松農相が17日、東京都内で行われたシンポジウムで講演、「3月に策定する食料・農業・農村基本計画に盛り込む食料自給率(カロリーベース)目標について」、「10年後には50%、20年後にはなんとか60%。少なくとも日本の食料の半分以上は自国内で賄うことができるよう、基本計画に示していきたい」と述べた(日本農業新聞)ことについて

【日本 米消費が減退 それでも食料自給率を20年で60%にと赤松農相 2/19】

同研究所は、“そんなことができるだろうか。現在の消費構造を維持するかぎり、60%達成には現在(2008年)輸入している小麦(約520万トン)、大豆(約370万トン)、トウモロコシ(約1640万トン)の少なくとも半分以上を国内生産に切り替える必要がある。そのためには、現在の国内生産に比べ、少なくとも小麦生産は24倍、大豆生産は71倍に増やし、トウモロコシ生産はゼロから820万トン(あり得ないことだが、米国並みの単収を想定して82万ヘクタールの耕地が必要)に増やさねばならない。誰が見ても不可能だ。農相は、消費構造を変える以外方法がないと分かっているのだろうか。ともあれ、「基本計画」に盛り込む以上、そのための具体的手段を講じ、その実行を確保せねばならない。「品目別の具体的な生産・流通・消費対策とどう結び付ける」(日本農業新聞j)つもりだろうか。”
 と言っている。

 食料問題は、農業のあり方だけでなく、食のあり方・ライフスタイルまで含め総合的な視点が必要なことがわかる。


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