森林・林業シンポ 雑感
昨日、県議団などが主催した森林・林業の再生を考えるシンポジウムが開催された。旧香北町の会場一杯の250名の方々が参加した。
林業再生は、疲弊する中山間地を抱える地方都市で持続可能な社会を構築する課題であり、国際的にも大きな課題となっている水源のかん養・違法伐採の規制、地球温暖化防止、生物多様性保全に応える方向である。
党の政策の基本を紙参院議員が語ったのだが、冒頭、「空港に降り立ち、東京と違い、息がしやすい」と語っていた。
さて、中央の政策スタッフも来ていてその方とシンポ後に話す機会があった。
1つは、価格保障の問題・・・下手に設定すると、「カネになる」と一気に伐採される危険がある。
40-100年という長期の資源循環の取り組みであるので、そうした計画をつくり、その計画にそった材の搬出だけに、森林の多面的機能の発揮を評価した価格保障をおこなうとか、工夫がいるだろう。
2つめは、高知県内であっても山の形状や植生などにより、架線中心、高密度集材路中心など施行方法が多岐にわたっており、ある方法だけを政策的に誘導するのは、かえってミスマッチが起こるのではないかという点。
3つめは中山間地では、農業と林業がセットで営まれて生計を立てていたわけで、「産業」として効率化、大規模化だけでなく、集落を維持し持続可能な社会をつくる上で、総合的な視点が必要。
4つめは国境措置。循環型の森づくり、林業となっていないところからの輸入に規制をかけられないか。
などである。
私は、取り組みとしては、細かな「政策」というより、基本と課題を示したアピールのような形で、国民的な議論を進めることが一番いいのではないか、と思っている。まず実状をよくしり、現場の知恵に学ぶこと・・
パネリストで収入間伐にとりくんでいる林業家の方は、「一番支援して欲しいことは」との会場からの質問に「理解をしてほしい」と答えたが、それがすべての土台だろう。
新政権の「森林・林業再生プラン」について、紙議員も問題点にふれたが、県森連の会長さんがあいさつで、10年後に自給率を50%、供給量を倍にするとしているが、価格暴落がおこらないか心配している。
森林組合をマネジメントだけに特化して、作業班を切り離すという方向について、作業班の育成・組織にも30年かかっている。性急なやり方は現場に混乱をきたす。「効率化」だけが重視されると、条件の悪い山は切り捨てられる。切り捨て間伐の補助の打ち切りという政府内から聞こえる声に、現場を混乱させるもの。
という趣旨の発言をされた。
新政権が林業重視を打ち出しているので、実態にあった具体化を進めるよう現場から、地方から声をあげなくてはならない。
ある組合長さんは「共産党には無関心だったが、紙さんの話を聞いて、自分たちと同じことを考えていると思った。今日の取り組みは感動した」と語ってくれたとのこと。
とにかく山の再生は国民的課題・・・共同のひろがりこそなにより大事と、あらためて実感した。
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