所得税の最高税率引上げ検討 財務相
佐々木憲昭さんがアメリカやイギリスの例も出し「所得税の最高税率や配当の税率引き上げ」を迫った。菅財務大臣は、「日本では最高税率を引き下げてきたが、必ずしもそういう考え方だけでは日本経済全体が持ち上がらなかった」「アメリカやイギリスの措置については認識している。所得税の最高税率については税制調査会で見直しを含めて検討したい」と答弁した。
【所得税の最高税率引き上げ検討…菅財務相 読売2/19】
これは民主党が、証券優遇税制の延長や研究費減税の恒久化を言い、所得税では「下への格差拡大を食い止めることが喫緊の課題」とし、「担税力の高い者ほど納税する場所を自ら選択できるような状況の中で、最高税率を引き上げることは、再分配機能の回復策として実効性に乏しい」としてきただけに(政策インデックス2009、税制改革アクションプログラム)、この変化は大きい。
大企業・大資産家優遇税制、軍事費と2つの聖域にメスを入れないかぎり財源確保出来ないという事実の力の結果だろう。
その前には、首相が、内部留保金への課税検討を口にした。
【企業内部留保への課税検討=首相、共産委員長に表明 時事2/17】
財界からの反発で「検討課題にはなっているが、決めたわけではない」とあわてて沈静化をはかったが、これも
この10年どこにお金が貯まっているのかという明確な事実があるからである。
鳩山政権の「税制改正大綱」では、「所得再分配機能や財源調達機能が低下している」と明言している。だから上記のような議論になるし、逆進性が高い税制である消費税を増税する話と対立する。
【消費税は増税議論の対象にすべきではない 佐々木憲昭2/21】
所得再配分機能の強化と大企業減税の推進・・という相反する2つを求める点で、沖縄県民もアメリカ政府も納得できる普天間基地問題の解決という点で構図が似ているように思う。
結論は、国民の声、運動のひろがり如何だろう。
【所得税の最高税率引き上げ検討…菅財務相 読売2/19】 菅財務相は19日の衆院財務金融委員会で、所得税の最高税率について「見直しも含めて税調で検討していきたい」と述べ、現行40%の税率引き上げを含めて政府税制調査会で検討する考えを示した。 菅財務相は「所得を(高所得層から低所得層に移す)再配分機能がかなりなくなっている」と指摘し、格差是正の観点からも所得税の役割を見直す必要があると主張した。 今後の税制抜本改革の議論については、「所得税、法人税、消費税、地球温暖化対策税(環境税)なども含めて、全体の議論をする」と指摘した。具体的には、6月にまとめる中期的な財政計画に向け、税収全体の構造を見直す方向だ。
【企業内部留保への課税検討=首相、共産委員長に表明 時事2/17】 鳩山由紀夫首相は17日午後、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談し、経済政策などについて意見交換した。同党によると、志位氏が「大企業の内部留保が日本経済の成長力を損なっている」と指摘したのに対し、首相は「内部留保に適正な課税を行うことも検討してみたい」との考えを示した。 また、志位氏が「国民の所得格差が広がっている」として、高額所得者への課税強化のため、所得税の最高税率引き上げや証券優遇税制を見直すよう要望。首相は「政府税制調査会で検討できるのではないか」と答えた。
【消費税は増税議論の対象にすべきではない 佐々木憲昭2/21】 菅財務大臣は、消費税を含む「抜本的な税制改定」の議論を3月にも始める意向を繰り返し明らかにしています。 菅さんは、「消費税だけ取り上げられているが、それだけではなく所得税や法人税も対象になる」と言いました。 しかし、増税論議の中に「消費税」を含めるべきではありません。政府の「税制改正大綱」では、所得再分配機能や財源調達機能が低下していると言っています。 その立場からみても、所得の少ない人ほど重くのしかかる「弱い者いじめ」の税制、消費税は、減税か廃止の方向しかありません。 私は、2月16日の本会議で、鳩山内閣が消費税を「4年間上げないのであれば、自民・公明政権が昨年の税制改定法に書き込んだ付則104条をどうするかが問われる」と指摘しました。 同付則には、2011年度までに消費税の増税法案を国会に提出し、成立させることが明記されているからです。 ところが菅財務大臣は「いまの鳩山政権の方針とは明らかに矛盾している」と認めたものの、削除については「しかるべき時期が来たところで判断したい」と明言しませんでした。 いま必要なのは、消費税増税の議論ではありません。 大企業・大資産家優遇の税制を根本的に見直すことこそ、求められているのです。
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