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賞味期限切れ「行革推進法」

 数値目標を決めて公務のリストラを押しつけてきた行革推進法が今年3月末で、その部分は期限切れとなる。先日、合併・非合併自治体の調査に高知をおとづれた塩川議員が「廃止せよ」と国会で追及したが、そのとおり。
【行革推進法は廃止せよ 衆院本会議 塩川議員が主張 赤旗2/17】
 その弊害は、総務省の定数管理研究会でも出ているし、高知県は全計画の3000人計画を廃止し3300人体制にする方向をしめしている。 それらを少し整理するとこうなる。

 「構造改革」路線のもと、自治体にリストラが押し付け、条文の中に5年間で「千分の46に相当する数以上の純減をさせ」ることを明記した「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」を策定し、地方の疲弊に拍車をかけてきた。
 この法律の定める5年間が今年度末で終了するが、この人減らしが自治体と自治体労働者がきちんとした役割を果たす上で、重大な矛盾を生み出した。

 総務省の地方公共団体定員管理研究会が地方自治体の声を取りまとめている。
地方の声として「福祉保健業務は増大の一途をたどっており、ケースワーカーが不足している、想定外の人員が必要となっている。」「消防や医師・看護師は減らせないため、一般行政職に定員減のしわ寄せがきている。」「高齢化が顕著な中山間地では、集落自治が機能しなくなる等の問題を抱えているため、専属の地域担当職員を配置する必要がある。」
 組織への影響として「世代間の職員数がアンバランスになっている。」「行政ノウハウが次世代に継承されにくい。」「臨時・非常勤職員の採用が増え、行政サービスの低下にならない方策の工夫が必要となっている」「超過勤務、業務量の増大により、健康面の不安、職場のコミュニケーションが困難になりつつある」など取り上げられている。

 とりわけ、「精神及び行動の障害」による長期病休者率は、10万人当たりで94年の217.5人から07年には1028.9人とに5倍に急増し、「職員総数と実働職員数の差が開いている」ことも指摘されている。

 「福祉の増進」を目的とする自治体が内部から崩壊させられているのである。その機能の低下は、住民全体にかかわる問題で、公的な役割をしっかり果たせるだけの体制、職員が生き生きと仕事ができるだけの体制を確保が必要と言える。

 指定管理者制度のもとでの安全軽視の死亡事故や業者の撤退、高知でしめされたPFIの欠陥・・・ 賞味期限が切れた「行革推進法」は廃止が当然。 

 そんな状況のもと、県の「新行政改革プランのたたき台」がだされている。
 「スリムかよりも、行政が関与支援をして県政浮揚の地盤固めを行うことが必要」「市町村への積極的な支援も必要」として、前プランの3000人体制を廃止し、3300人体制にまでもどした。これも人減らし路線の破綻を示したものと言える。

  「公務員が多すぎる」などバッシングが続くが、いき過ぎた削減による弊害や公務の役割の大切さをきちんと語っていくことが必要がある。
 
 たたき台では、絞ってきた3400人(知事部局)から5年間でさらに100人減らす計画となってるのは検討が必要だが、この問題を、若者の雇用の場、今後の高知県の担い手を確保する場として光を当てる必要があると思う。 今年度末をふくむ今後5年間で700人超の退職が見込まれることから、採用人数は600名を超える。
 
 知事部局以外でも、教育課題の重要さからみれば、30人学級をさらに押し進めることが県民の願いでもある。

 こうしたことは、若者が高知で残って働ける場を確保し、人口流出や少子化に歯止めをかける、地域の支えてとしても、人口は交付税の算定の基礎数にもなっていますが、有形無形の効果を発揮する。

 この10年大企業が内部留保を溜め込み、雇用者報酬が削減され、若者が希望を失い、地域が疲弊してきた流れを逆転させるものである。

 ユズで有名な馬路村の村長は、役場が一番働く場、地域の担い手を継承する場という趣旨の話をしている。

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