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無料低額診療と国保44条の課題

 尼崎医療生協が3月から半年月間とりくんだ無料低額診療事業の「実績と課題」というレポートを送っていただいた。それは高知と同様、貧困ひろがり、ぎりぎりまで我慢をしている病人の多さを示している。
 自治体の取組みの参考となる点が多くある。

◆国保法44条の減免制度について
・前年の収入の3割減など「収入が著しく減少したとき」に限られている自治体が圧倒的で、適用範囲が狭い
・適用決定までに「14日以内」かかる。適用期間が「3カ月」という限界があり、慢性疾患や悪性腫瘍の治療には使えない。
・そういう中で、「無料低額診療」は、44条でも救済できないグレーゾーン、国や市の制度からどうしてもこぼれてしまう人のための活用と位置づけたい、としている。

*国保44条では、同レポートは、「東大阪市では4600世帯が適用となっている」ことを紹介しているが、これは以前紹介したように、広島市など直近の「3ヶ月の収入が生活保護基準の1.3倍」という基準で44条を提供している例がある。現在、国がモデル事業を実施しているが、よりより制度への改善が必要である。

◆無料低額の課題としては・・
・医薬分業」や「訪問看護の独立」が指導される以前の制度であり、保険調剤薬局や訪問看護ステーションは対象外となっている。無料低額診療の「適用」を受け、診察・諸検査の窓口負担はゼロであっても、投薬や訪問看護には自己負担が発生するという矛盾が生じている。(44条適用であれば、保険調剤薬局も自動的に適用される。)
保険調剤薬局、訪問看護ステーションも適応事業所とすべき、と提言。
・事業が「市民に知られていない」として、市のホームページでの公表と、貧困家庭対策として、特に養護教諭を対象に、小・中学校、高校へリーフレットを置くなどの対策を求めている。

*尼崎市との懇談で、市のHPへのアップと市発行の「くらしの便利帳」への掲載を約束したとのこと。また、保護課経由で、教育委員会を通じて全ての市立学校へリーフレットを配布されている。

◆「無保険」の把握
・組合健保・協会けんぽ加入者が退職、解雇された場合に、「保険料が高い」(減免制度を知らされていない)と、国保の窓口にも行かず、自己判断で売薬に頼り、重症化して相談に来るケースが多い。国保窓口に相談に行っていないので、「無保険」者として、自治体が把握できない。このままでは、「国民皆保険制度」が崩壊する危機がある。
・早期発見・早期治療ができず、市民の健康が守れないばかりか、結果として医療財政(国保財政)に大きな影響を与える。として、「無保険者の実態把握と対策」が必要性を指摘している。

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