民意を敵視? 鳩山内閣
名護市長選の結果を無視する官房長官、小沢説明を理解できないのは無能呼ばわりする金融大臣・・・
民意を敵視? 血迷っているとしか思えない。
【官房長官に与野党から批判=「斟酌理由ない」発言 時事1/25】
【亀井氏「国民の相当数、冷静な判断能力ない」読売1/26】
基地問題についても、首相の選挙前の「公約」、党を代表しての国会での「主張」を守ればすむことで、“防衛省の官僚がつくった案”“守屋事件に見られるよう官僚トップによる利権構造がある”だとバッサリやるのが、「民主党流」だと思うが・・・
また、小沢氏が政治資金報告書をまったく見ていないと発言した時点で、鳩山首相が小沢氏を信頼する根拠はなくなっている。なぜなら・・・
「小沢代表は、これはご案内かと思いますが、すべての政治資金の収支、入りと出を1円単位まで、非常に細かく緻密にオープンにされているところでございまして、ある意味ではまさに政治家の鑑のような存在で、オープン性、ディスクロージャーという言葉を記者会見でも何回も使われましたが、ディスクロージャーを旨として行動されている政治家代表でございます。その代表が政治資金にのっとってすべて適法に処理してきたことは言うまでもありません。」(昨年3月4日 民主党代議士会でのあいさつ)
「小沢氏は政治資金のディスクロージャーを主張してきた。政治資金の取り扱いは極めて慎重な人だ。潔白を信じるのが同志として当然だ」(今年1月19日、国会答弁)
ゼネコンの裏献金にかかわっても新たな事実がでている・・・ だいたい小沢氏の説明が二転三転しているのだから、それを信じろというほうが無理。なぜ党として、その矛盾を解明しないのか、自浄作用の発揮を国民は求めている。
鳩山内閣は、政権交代の意味をはき違えているのではないか。
以下のコラムも同趣旨の指摘をしている。
【官房長官に与野党から批判=「斟酌理由ない」発言 時事1/25】
米軍普天間飛行場の移設反対派候補が勝利した沖縄県名護市長選の結果に「斟酌(しんしゃく)しなければならない理由はない」とした平野博文官房長官の発言に対し、与野党幹部から25日、批判が相次いだ。
連立を組む国民新党の下地幹郎政調会長は、国会内で記者団に「現実離れした話だ。民意を大事にしないでこの問題を論議するのはおかしい」と反発した。
また、自民党の石破茂政調会長は記者団に「選挙の前に言うべきだった。終わってから言うのは政府として無責任だ」と指摘。共産党の市田忠義書記局長も記者会見で「名護市民の意思を無視する暴言を吐いた。許されない。民意を何と心得るのか」と断じた。
【亀井氏「国民の相当数、冷静な判断能力ない」読売1/26】 国民新党代表の亀井金融相は25日、衛星放送BS11の番組で、小沢民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関して「今の国民は相当数が大脳皮質で冷静に判断する能力をお持ちでない。新聞が『けしからん』と書いたりすると、その人(小沢氏)が何を言っても耳を貸さない」と述べた。
【風知草:力まかせの落とし穴=山田孝男 毎日1/25】 先週、衆院予算委員会を傍聴し、民主党は踏みとどまるべき一線を越えたと思った。いちばん強い印象を受けたのは自民党総裁の追及の不出来でも、宇宙人首相の二枚舌でもない。捜査と報道をあからさまに批判、冷笑する政権党の組織的なヤジだった。
自民党議員が「××新聞によれば」と切り出すと、「根拠がない」「自分で調べろよ」「どうせ検察のリーク(意図的な情報漏えい)じゃねえか」と民主党席から猛烈なヤジ。これの繰り返しである。
小沢一郎幹事長にまつわる疑惑が問題なのか、疑惑を追及する検察、マスコミ、野党が問題なのか。疑惑をことさらに軽く見て追及を敵視する政権党の感覚に驚く。
もっと驚いたのが、小沢から幹事長の職務を引き継いだ輿石東(こしいしあずま)・民主党参院議員会長のこの発言である。
「目に余る情報漏えい、過剰なマスコミ情報、国民もようやく本質に気づきつつある」(20日、党参院議員総会)
検察の無理な捜査とマスコミの虚報こそが問題の本質だと輿石は言う。強制捜査と過熱報道に対する被害感情は理解できる。捜査も報道も絶対ではないと認める。だが、だから疑惑は問うなというのか。
検察の小沢に対する事情聴取も、小沢の記者会見も区切りにはならなかった。疑惑と釈明の大筋は同じ。小沢会見を聞いても要するに分からない。ますます分からない。
これで終わりにしたいという小沢の強い意思だけはくみとれた。これはコミュニケーションではない。事情聴取に応じ、記者会見も開いたのだから、もういいだろうという駆け引きのように見える。
予算委のヤジも、輿石の呼びかけも、小沢の奮闘への声援になっている。そうなる理由は分かっている。
政権の安定は選挙の勝利からと信じ、規律と服従と資金を重視する小沢流に全党が染まっているからだ。鳩山由紀夫首相も閣僚も党幹部も、小沢の剛腕なくして民主党の明日はないと思い込んでいる。
その結果、民主党は大きな代償を支払わされつつある。こんな問題に振り回されるための政権交代だったのか--という失望の拡大である。
首相以下、検察とマスコミにプレッシャーをかけ続け、力ずくで状況を打開しようとしているようだが、難しいのではないか。経緯はどうであれ、既に国民的話題に発展した疑惑を滅却し、国会は景気論戦だけといっても無理である。
昨年の総選挙で有権者が求めたものは民主党の安定か、オールジャパンの安定か。答えは言うまでもない。疑惑は疑惑、景気は景気という切り分けはできない。政治も景気も国民の信頼が基本だ。民衆の関心に応える誠意をかなぐり捨てた政権に明日はなかろう。
予算論戦を通じて最も答弁に力強さを感じた閣僚は菅直人副総理兼財務相だが、その菅も疑惑関連では精彩を欠いた。
逮捕議員が「起訴されないことを望む」と口を滑らせ、1日で撤回した鳩山をかばって言った。「宇宙人と称せられる総理ですから、地球人とは若干、ニュアンスが違ったりする」(22日、記者会見)
閣内随一の論客がつまらないフォローを強いられて気の毒だと言いたいが、気の毒なのは国民だ。地球人の正気を取り戻してもらいたい。(敬称略)(毎週月曜日掲載)
毎日新聞 2010年1月25日 東京朝刊
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