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チルドレンファーストが泣く 保育給食の外部搬入

 鳩山政権の「構造改革特別区推進会議」が、公立保育所の給食の外部導入を「3歳以上児については全国展開が適切」「私立も同様にすべき」と、保育の質の低下を進めようとしている。
【緊急要望「保育所給食は子どもの育ちを保障する基本機能です。保育の質を低下させる給食の外部搬入には、反対です!」全国保育協議会1/27】
 さらに
【「子ども・子育てビジョン」について ~子どもの笑顔があふれる社会のために~ 1/29閣議決定】
も、市場原理にむすびつく保育制度改革がかかげられている。

 全国保育協議会は、
①給食の外部搬入は、児童福祉施設最低基準違反
「当該児童福祉施設内で調理する方法により行わなければならない」に違反

②国の食育推進と矛盾する
 保育所保育指針で「食育の推進」が位置づけせられている。食事を作る時の香りや音がお腹のすくリズムを育てたり、調理の様子から感謝の気持ち、関心を育てる、と指摘している。
③一人ひとりの子どもの発達過程や状況に応じた食事が難しくなる。
 乳幼児期の個体差は大きく、生活のリズム、1人ひとり体調により、硬さ、大きさなどに配慮することが必要で、特に障害のある子どもにとっては特に重要である。厚労省の調査でも外部搬入方法は「きめ細かい対応が難しい」「とくに食物アレルギーや体調不良児について課題がある」としている。

④食事の搬入時間にあわせて子どもの生活リズムを帰ることはできない

⑤命にかかわるアレルギー食への対応が必要
 ・・・わが子がアレルギーだったので、調理器具まで別にするなど本当に細かい注意が必要なことを実感している(材料を変えても生産ラインが同じでは抗原が混入する)。

⑥保育所が提供しているのは昼の給食だけでない。
一度に沢山摂取できない乳幼児には、10時、3時におやつを「捕食」として提供している。保育所によっては、延長保育へ軽食を対応しているところもある。

⑦保護者や地域の子育て家庭に対する子育て支援活動が難しくなる
食講座、若い母親への食事指導や地産地消が難しくなる。

⑧公立保育・私立保育の格差がひろがる。
 運営費の一般財源化に加え、外部搬入が広がると自治体の財政力による格差が拡大する

 と指摘している。

 推進会議は、それで削った金で延長保育を増やすということをのべているようだが、子どもの成長を支える食事を充実するならまだしも、経費削減、利潤追求の道具にする、ことはゆるされない。

 民主党の「チルドレンファースト」(「子ども・子育てビジョン」)はどうなったのかと思う。
 
 「子ども・子育てビジョン」の「新たな次世代育成支援のための包括的・一元的な制度構築に向けての検討事項」では、
「利用者本位の保育制度の改革」とし・・
・市町村の責務の下、利用者と事業者の間の公的保育契約制度の導入
・利用者への例外ないサービス保障(認定による地位の付与と保育に欠ける要件の見直し)
・利用者補助方式への見直し

 がかかげられている。

 これは自公政権のもと、財界や官僚主導でつくってきた保育の市場化路線である。
 

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